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スズキ「GSX-R1000」(2001~2019)の歴史を振り返る【Heritage&Legends】

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スズキ「GSX-R1000」(2001~2019)の歴史を振り返る【Heritage&Legends】

原点を見直す軽量ハイパワーをオーソドックスな構成の中に作る

1990年代後半には750ccクラスの車体にリッタークラスのパワーを組み合わせた、新しいリッタースーパースポーツが芽生える。GSXR1100Wは重く、R750はどうしてもスーパーバイクレースに向き合わねばならない。そんな中で1999年にR1100の後継としてハヤブサを送り出したスズキは、2001年型に初代R750からR1100が派生したような手法=R750の車体に拡大エンジンという手法でGSX-R1000を投入し、このジャンルを席捲する。

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2001 GSX-R1000(K1)


2001年の新型となったGSXR1000(K1)。フレームはアルミツインスパー、エンジンはライバルよりロングストロークを採用したサイドカムチェーン式水冷直4にφ42mmFIと、目立った新機軸こそなかったが、スーパーバイク参戦でノウハウを蓄積したGSX-R750と一卵性双生児的な手堅い構成を詰めることで、初年度から他を圧倒する実力を発揮し、GSX-Rの存在感を再確認させた。

2003 GSX-R1000(K3)


2004年からのスーパーバイクレース1000cc化を見越して、2003年型K3は全面変更。エンジンにはベンチレーションホールを加え内部軽量化、FIはSDTV化、ECUも16→32ビット化など行った。フレームは左右スパーをプレス→目の字押し出し材にしピボット調整機能を追加。DLCコーティングφ43mmフォークやラジアル4Pキャリパーも新採用。

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2005 GSX-R1000(K5)


GSX-Rの20周年となるK5でR1000が第3世代に。988→999ccフルスケール化で14ps向上の178psを発揮したエンジンは、チタン製吸排気バルブ/ツインインジェクター/バックトルクリミッターを新採用。車体はコンパクト化を図り、しなやかさとポジション自由度も大幅に向上。チタン製EXも純正採用して公道での楽しさと上質さを追った。

2007 GSX-R1000(K7)


出力向上と排出ガス浄化の両立のためR1000初の左右出しEXを採用した2007年型K7は、手元スイッチでECUマップを3段階に変更可能なモードセレクターS-DMSを量産車初採用。エンジンは内部部品すべてを見直してインジェクターも4→12ホールに。電子制御式ステアリングダンパーと3位置変更ステップが新導入された上でフレームや足まわりも変更され、総合性能を飛躍的に向上した。このモデルでクラッチも油圧化。

2008 GSX-R1000(K8)


2008年型K8はカラーリング変更のみ。

2009 GSX-R1000(K9)


K9ではボア1mm拡大/クランクケースをK6~R750/600同様の2分割化し、エンジンを一新した。スズキ4気筒で初のクランク軸端給油、FIボディ長も短縮してクラッチは再度ワイヤ駆動に。車体も軸距10mm短縮&スイングアーム長33mm延長、φ43mmフォークもSHOWA製BPF。キャリパーもモノブロックになり、ホイールやリヤサスでも1.5kg近く軽量化を果たす。

2010 GSX-R1000(L0)25th Anniversary


2010年型L0には世界限定1000台でシリーズ25周年記念車を設定した。

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2011 GSX-R1000(L1)


2011年のL1はカラーリング変更のみ。

2012 GSX-R1000(L2)


3年ぶりの変更となったL2。ブレンボ製モノブロックキャリパーとBS・S20タイヤを新採用。カム形状やシリンダーのめっき、ピストン形状を見直しベンチレーションホールを5角に。排気も再度右1本出しとなりドライブモードS-DMSは変更設定を簡略化する。車体軽量化による切り返し速度向上や中低速充実での立ち上がり性能向上を扱いやすさ=速さにつなげた。

2013 GSX-R1000(L3Z)


2013年にはR750デビュー以降、GSX-R1100/1000/750/600通算100万台を生産、その記念車(L3Z/世界限定1985台)も設定した。

2015 GSX-R1000(L5)


2012年型L2以降はカラーリング変更で推移したR1000だが、2015年型L5ではスズキの3年ぶりのMotoGP復帰(V4のGSV-Rから直4のGSX-RRに)を記念したMotoGP用GSXRRカラーを設定。2016年型L6も同様。

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2016 GSX-R1000(L6)


L6では1985年のR750登場以来30周年を記念した「30周年記念カラー」を設定。スズキレーシングカラーの青×白と、ヨシムラを彷彿させる赤×黒のふたつのレジェンドカラーだった。ホイールリムストライプも加えられた。

2017 GSX-R1000/R(L7/AL7)


8年ぶりに全面変更を受けたR1000と上位版R1000R(ショーワBFFフォーク/BFRCライトリヤサス/ローンチコントロール装備、ともに型式L7)。ABS仕様(AL7)も設定。MotoGPマシンGSX-RR由来のブロードパワーシステム(ロッカーアーム式駆動/可変バルブタイミング/排気デバイス)を装備した、999cc(ボア2mm拡大のφ76×55.1mm)直4エンジンは145kW(197ps)/13200rpmを発揮し、車体側には6軸IMUも搭載。車重も203kg。

2018 GSX-R1000/R(L8/AL8)


L8ではカラーリング変更のみ。

2019 GSX-R1000/R(L9/AL9)


L9=2019年型ではスイングアームピボットが新たに可変式となり、サイレンサーもシルバーからブラックになって、ヒートプロテクターを追加。GSX-R1000にもアップ/ダウン対応のクイックシフターが追加されて、GSX-R1000Rではフロントブレーキホースがラバーからステンレスメッシュに換わり、タイヤもブリヂストンRS11となった。一貫して公道の乗りやすさもがキープされているのが、本シリーズの特長なのだ。

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部
※本企画はHeritage&Legends 2020年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

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みんなのコメント

1件
  • 猛烈なハイパワーと軽さ、純粋にスポーツできる素直さがあって素晴らしいです。
    サスのグレードも型が進むごとに格段に良くなっれきた。

    近年のRは作りやセンサー、電子制御が複雑すぎてトラブルも結構多い。
    K5K6辺りまでのシンプルでストレートな方がいいのかも知れない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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