乗り心地とハンドリングに注力
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
新しい4シリーズ・クーペで、BMWが開発の最終仕上げとして注力するのが、乗り心地とハンドリング。試乗したのは距離を走り込んだ2つのプロトタイプだったが、ドライバーを中心にするという、かつての特性を取り戻そうという強い意志を感じた。
その起源は、1975年に発表された初代3シリーズにまでさかのぼる。BMWが目指すのは、高次元の敏捷性とドライバーとの一体感。そこへ、優れた乗り心地と快適性をも盛り込んでいる。
この内容は、最新の3シリーズにも共通する進化。選択するドライビングモードによって、大きく乗り味が変化するところも面白い。
アダプティブ、エコ、コンフォート、スポーツ、スポーツ・プラスの5種類が用意される。従来以上に、振り幅の大きいドライビング特性が楽しめる。
4シリーズ・クーペの加速性能の数値は明らかになっていない。現行の430iが持つ、0-100km/h加速の5.6秒は縮めるはず。
基本的にドライブトレインは、4ドアサルーンの330iと同じ。WLTP値での燃費も、13.7km/Lから14.6km/L前後に納まることになるだろう。
先に技術者のジョスが話していた可変式電動パワーステアリング、最新のバリアブル・スポーツステアリング・システムは、高次元の精度と操舵感を獲得している。繊細な制御が行われ、重み付けの変化は小さく、フィードバックは大きい。
直進時はリラックスした挙動ながら、ターンイン時は反応がかなりダイレクト。深く回していくほどクイックに変化し、特に都市部での操作性で向上していると感じた。
より確かなステアリングフィール
前後重量配分は50:50。ボンネットとフロントフェンダー、ドア、フロントサスペンション・タワーはアルミニウム製。ほかにも3シリーズから受け継いだ、細かな軽量化が施されている。
BMWが4シリーズ・クーペへ与えたシャシー変更の中で、スポーティさを高めている要素の1つが、3シリーズより23mm広げられたリアトレッド。クーペに相応しい、安定感のある容姿も得ている。
M440iでは標準となるMスポーツ・サスペンションの場合、車高は10mm低められる。クラウチング・スタートで構えたように、見た目の動感がさらに増している。
アルミニウムを多用したサスペンションの構成は、基本的に最新の3シリーズと共通。マクファーソンストラット式をフロントに、5リンク式がリアに与えられる。ただし、セッティングは4シリーズ専用だ。
フロントはキャンバー角が強められた。「より確かなステアリングフィールを叶え、直接的な操縦性を生み出します。切り初めの反応も大きく向上させました」 と話すジョス。
シャシー回りにはいくつもの手が入っており、スポーティさに貢献する。フロントバルクヘッド内には補強パネルが追加され、フロントストラット上部を結ぶタワーバーも新設計。エンジンルーム内にはAフレーム・サポートも備わる。
ボディ剛性を高め、サスペンションの取り付けを強固にしながら設定を引き締めている。4シリーズ・クーペのすべてのグレードで、リフト・リレーテッド・ダンパーを採用することも見逃せない。
430iの好印象な緊張感と漸進性
これは3シリーズにも搭載されるものだが、ダンパーが収縮しているときは圧力を高め減衰力を強くし、伸長時にも漸進的に変化させるもの。加えてメインスプリングと補助スプリング、油圧バンプストップを備える。
「ホイールコントロールが改善され、限界が高くなります」 とジョスは説明する。またBMWは、オプションのMスポーツ・パッケージには、アダプティブ・ダンパーも用意するという。
後輪駆動の430iのハンドリングには、好印象な緊張感と漸進性がある。フラットで自然な挙動のまま、コーナリングをこなしてくれる。限界を迎えるまで、充分な情報も伝わってくる。
3ステージで変化する、ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)も搭載。最も自由度の高いモードを選択すれば、シャシーの備える懐の深さを確かめることも可能だ。
四輪駆動となるM440iでは、グリップ力が相対的に高まる。コーナリング時の速度をさらに引き上げてくれるうえ、フィーリングが淡白になることなく、安全性も担保される。
今回試乗したセットアップでは、M440iにアダプティブ・ダンパーの組み合わせが秀でていた。同時にリフト・リレーテッド・ダンパーを備えた430iも、コンフォートモードでとても滑らかな乗り心地を得ている。
乗り心地はかなり硬い。330iと比べると明確に。リバウンドの動作はとても良く調整され、補強されたボディ構造が、路面からの突き上げをうまく吸収してくれるけれど。
プロトタイプの印象はとてもポジティブ
2+2のシートレイアウトを持つインテリアは、大きなカバーが掛けられた状態だった。新しいBMW 4シリーズを完全に確かめるには、もう少し待つ必要はある。少なくとも、プロトタイプの印象はとてもポジティブなものだった。
ボディサイズは若干大きくなったものの、運転席に座った印象では、少しコンパクトに感じられたことも記したい。ドライバーへの訴求力も、磨き込まれている。
BMWは、従来モデルに向けられてきた意見へ耳を傾けていた。実際的なステアリングフィールや、ドライバーとの一体感は大きく改められるだろう。かつては、高性能なMモデルのみに与えられていたような、高度なエンジニアリングも投入されている。
ジョスが話すとおり。新しい4シリーズ・クーペが、より確かな仕上がりを得ることは、間違いなさそうだ。
BMW 430iクーペ・プロトタイプのスペック
価格:4万2000ポンド(567万円・予想)
全長:-
全幅:-
全高:-
最高速度:249km/h(予想)
0-100km/h加速:5.5秒(予想)
燃費:13.7-14.6km/L(予想)
CO2排出量:154-158g/km(予想)
乾燥重量:-
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:258ps/5000-6000rpm
最大トルク:40.7kg-m/1640-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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