8戦ぶり舗装路対決、セントラル・ヨーロピアン・ラリーのシェイクダウンが実施。過去ウイナーのヌービルがトップ

　10月16日（木）、2025年WRC世界ラリー選手権の第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー（CER）』のシェイクダウンがドイツで行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル（ヒョンデi20 Nラリー1）がベストタイムをマークした。日本の勝田貴元（トヨタGRヤリス・ラリー1）は8番手となっている。


■1走目からトヨタとヒョンデのペース接近

　パラグアイ、チリと南米での2連戦を終え、2025シーズンは終盤戦に突入。第12戦の舞台はドイツ、チェコ、オーストリアという隣接する3カ国のターマック（舗装路）で、第4戦ラリー・イスラス・カナリアス以来8戦ぶりのオンロード戦となる。

　第12戦時点で選手権は佳境に差し掛かっており、今大会はTOYOTA GAZOO Racing WRT（TGR-WRT）のマニュファクチャラーズタイトル確定がかかる一戦に。さらに、TGR-WRTのドライバー3名を中心としたドライバーズ／コドライバーズタイトルも緊迫している。

　今回、ラリーの拠点が置かれたのはドイツの南東部に位置する都市『パッサウ』。ドライバーたちはこの日までにスペシャルステージ（SS）のレッキ（下見走行）を終え、16日（木）の現地時間9時01分より、ドイツの4.57kmの生活道路を舞台にシェイクダウンに臨んだ。

　1走目のアタックはランキング順に始まり、トップのセバスチャン・オジエを先頭にエルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラというTGR-WRTの3名（ともにトヨタGRヤリス・ラリー1）が1台ずつコースイン。その後ヌービル、オィット・タナック（ヒョンデi20 Nラリー1）とヒョンデ・シェル・モービスWRTのふたりも続き、TGR-WRTの4台目に乗る勝田貴元（トヨタGRヤリス・ラリー1）は6番目にコースインした。

　シェイクダウンは生活道路を舞台に行われ、緩やかなカーブと交差点が続くコースレイアウトでタイムアタックが進められた。レイアウトとしてはインカットは少なく見えるものの後半には砂利道の区間もあり、まずはオジエが1走目のトップタイムとなる2分20秒6をマークした。

　0.3秒差の2番手にはタナックが続き、3～4番手にはロバンペラ、アドリアン・フルモー（ヒョンデi20 Nラリー1）が続くなど、トヨタとヒョンデが交互に続く結果となる。勝田はトップと2.6秒差の6番手となった一方、ヌービルはミスがあったようで左サイド下部にダメージを負っていた。

　以降、各ドライバーはセット変更とアタックを2～3回繰り返し、半数以上のドライバーがタイムを短縮。最終的に、ヌービルが3走目に2分15秒5を刻んでベストタイムを更新。2023年大会初開催時のウイナーが全体トップで初日を締めくくった。

　2番手は1.1秒差のオジエとなり、以下コンマ1秒差でエバンス、タナックが続いた。5番手には、近郊のルクセンブルク出身であるグレゴワール・ミュンスター（フォード・プーマ・ラリー1）がつけた。

　16日（木）は現地午後にデイ1が開幕し、日本時間21時30分にSS1、25時05分にSS2が行われる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年10月16日]