またもや……と思われた方も多いだろう。国内外の自動車メーカーのさまざな不正が相次ぐ中、アウディでも燃費・排気ガスの検査において不正があった、ということが明らかになったのだ。果たして、その内容はどのようなものなのか、そしてどのような対策が取られたのだろうか。
9月28日、アウディ車において燃費および排気ガスの抜き取り検査で不適切なケースがあったことが明らかになったが、これについてアウディジャパンから国土交通省に調査報告があった。
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これはドイツの3工場において2014年7月から2018年7月の間に実施された測定において、速度のエラーがあったにもかかわらず、それを無効とせずに有効としていた、というものだ。
工場では各国や地域ごとに異なる様々な走行モードでの検査を行う。これは抜き取り方式で、テストドライバーがシャシーダイナモ上で加減速を繰り返して測定する。今回のケースは測定データを手動でシステムに伝送する際、プルダウンメニューで「無効」を選択するべきなのにそれを怠った、人的ミスである、とアウディジャパンは説明している。
つまりあくまで担当者のミスであり、試験をパスしないクルマをパスさせるために意図的に行った不正とは異なる、ということのようだ。その証拠として、燃費値も排気ガス測定値も、速度エラーを除いたデータ中、最も悪い数値でも基準値を上回っており、また速度エラーが発生したデータでも正規に測定された他の数値と同等の範囲内に収まっている、としている。
悪意はなかったとはいえ、ミスが発生したことを踏まえ、アウディは防止策として以下の項目を実施したという。
・複数のオペレーターによる結果判定を常時行い、データベースへの有効・無効の選択ミスを防止する。従来は燃費と排気ガスの測定データのみを複数のオペレーターでチェックしていたが、これを走行ログまで含めた複数オペレーターによるチェックとする。
・走行ログを含めた測定結果を自動的にデータベースに伝送するシステムとする。これによりオペレーターは判定に集中できる。
また今後の対策として、測定中に速度エラーが発生したら、システム上で測定結果そのものを自動的に無効とする機能を追加するという。
アウディジャパンは、今回の測定ミスが認められたのは692件中37件と発表。これらのデータが無効となったことで抜き取り率が規定を満たさなくなった型については、早急に追加測定を行うという。
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