マクラーレンが歩んだ60年をプレイバック
ニュージーランド出身のレーシングドライバーであったブルース・マクラーレンが自らのチームであるブルース・マクラーレン・モーターレーシングを1963年に設立してから今年でちょうど60年という節目の年となる。
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ブルース・マクラーレンは1937年にニュージーランドで生まれた。幼いころから父のガレージで自動車と触れ合って育ち、13歳のブルースは父が買ってきたボロボロの1929年型オースチン・アルスターから初のレースカーを制作し、15歳にして初レースに出場。見事優勝した。それからイギリスへ留学し1959年からF1に出場、そして1963年に現在のマクラーレンの基となるブルース・マクラーレン・モーターレーシングを設立した。
1970年6月2日、英グッドウッドサーキットにおいてCan-Amレース用マシン、マクラーレンM8Dのテスト中に事故に遭い、ブルースは32歳という若さでこの世を去ってしまう。ブルースの亡きあともマクラーレンの従業員、エンジニアたちは一丸となってブルースのスピリットを60年たった今でも継承し、モーターレーシングの最先端を走り続けている。
ブルースの夢、幻のマクラーレンM6GT
今回のイベントではマクラーレンの歴史を彩るロードカーとしてF1やMP4/12C、最新鋭のモデルとしてアルトゥーラやGT、レーシングカーではアイルトン・セナが搭乗したMP4/4、MP4/5Bなどが展示されていた。そのなかでもひときわ目を引いたのはブルース・マクラーレンの夢を乗せた幻のコンセプトカーM6GTであった。
このM6GTは1969年にブルース・マクラーレンが自身のドライバー、メカニックとしてのノウハウをふんだんに用いて設計した究極のロードカーである。シボレー製のレーシングユニットを搭載し0-160km/hまでわずか8秒で到達するというレーシングカーに引けを取らない性能を有しつつも安全性までもが考慮されておりブルースはこれを日常の足として愛用していたというから驚きだ。
マクラーレンはこのM6GTを年間250台生産するプロジェクトを想定していたが1970年6月、ブルース・マクラーレンの死とともに計画は立ち消えてしまった。しかし、このロードカーにおける設計思想はマクラーレンの中で脈々と生き続け、23年後の1993年にマクラーレン・F1として究極のロードカーは実を結んだ。
マクラーレンのロードカー象徴である軽量なボディとハイパワーなエンジンによる優れた動力性能、卓越したハンドリング、安全性、シンプルで上品なデザインなどの全てはブルースのM6GTの頃と何一つ変わることなく現在へ脈々と受け継がれているということを実感した。
マクラーレンと日本の切っても切れない関係
マクラーレンのブランドアンバサダーであるアダム・リーブスに今回このような催しを東京で開催した理由を尋ねた。
日本とマクラーレンのつながりはレース部門においてはホンダエンジンを積んだMP4/4がアイルトン・セナやアラン・プロストの活躍によりマクラーレン史上最も成功したフォーミュラーカーであったことや1995年のル・マンにおいて総合優勝したマクラーレンF1を関谷正徳選手もドライブしていたことなど密接なかかわりが存在し、ロードカー部門にとっても非常に重要なマーケットであるため今回このような催しを東京で開くに至ったという。
また今後の日本市場におけるマクラーレンの展望としては次世代のアルトゥーラやGT、今年の春に発表された750Sなどの最新モデルをもっと日本で前面に売り出していきたいとのことで720Sの日本におけるセールスがとても好調であったことから見ても720Sの後継モデルである750Sの需要はあると考えられるので期待していると語った。
なおこれらの車両は2023年7月8日、9日に六本木ヒルズ 大屋根プラザにて11:00~20:00まで一般展示される。
展示車両詳細
・マクラーレンMP4/4
・マクラーレンM6GT
・マクラーレンF1
・マクラーレンMP4-12C
・マクラーレンGT
・マクラーレン・アルトゥーラ
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みんなのコメント
過去の栄光にしがみついてたら先は無いよ。
今のロードカーは乗り心地も良くて速いのにあんまり目立てないしね。