現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > どうなるスズキの超個性派SUV 欧州でHV仕様誕生でも国内は販売終了!?? 揺れるSX4 Sクロスの運命

ここから本文です

どうなるスズキの超個性派SUV 欧州でHV仕様誕生でも国内は販売終了!?? 揺れるSX4 Sクロスの運命

掲載 更新 14
どうなるスズキの超個性派SUV 欧州でHV仕様誕生でも国内は販売終了!?? 揺れるSX4 Sクロスの運命

 スズキディーラーからの発信で、2020年6月をもって「バレーノ」と「SX4 Sクロス」が販売終了になるとの情報があった。

 しかし、「バレーノ」は販売終了は確定したが、「SX4 Sクロス」は8月7日時点でもスズキの公式ホームページに健在で、まだ購入可能な状態となっている。

伝統の名門車だからこその挑戦!! カムリに黒と赤の閃光!! 一部改良と特別仕様車

バレーノは、2020年7月はじめでWebサイトへの掲載を終了。現在購入できるのは、ディーラーの持つ在庫のみとなっている(もともと数が少ないためすでに購入できないディーラーが多い)

さらばインドからの使者スズキバレーノ!! 登場4年で日本から撤退の敗因

 欧州では2020年4月にハイブリッドモデルが登場したSX4 Sクロス。このまま存続し、ハイブリッドモデルの国内導入というパターンがあるのか? それともこのままバレーノとともに日本を去ることになるのか? その動向を販売現場で取材した。

文/遠藤徹
写真/SUZUKI

【画像ギャラリー】国内販売終了へ!! スズキのクロスオーバーSUV「SX4 Sクロス」を詳しくチェック!!

■販売終了は確定!! 国内販売苦戦の要因はライバルに比べて劣る商品力

 スズキ「SX4 Sクロス」の現行モデルはひとまず、廃止の見通しとなっている。扱っている首都圏のアリーナ店、スズキ店によると「現行モデルはすでに生産中止しており、在庫を売り切った段階で終了する。次期型が発売されるということは今のところ聞いていない。」という。

2015年2月から日本で販売が開始された「SX4 Sクロス」。ハンガリー製で、スズキの子会社であるマジャールスズキ社で生産され、日本販売分は輸入して納車されている

 メーカーにも取材したが、「終了の可能性はあるが、現時点ではまだ販売している」と説明している。これは現時点ではまだ在庫が若干残っているので、これを売り切った後に正式に終了するということと思われる。

 SX4 Sクロスはハンガリー工場で生産し、ギリシャ経由で陸送、そこから船積みされて日本に輸入販売されてきた。今回、モデル廃止としたのは日本での販売が振るわず、継続が難しくなっているためのようだ。

 しかしながら、ヨーロッパでは新たにハイブリッドモデルが登場し、新型になり引き続き販売されているという。このモデルが日本に導入される可能性があるのか。

 首都圏にあるアリーナ店、スズキ店の営業担当者に聞いて見ると「SX4 Sクロス」が次期型になり、そのハイブリッドモデルが日本に導入されるとの情報はまだ届いていない。年内に発売される可能性があるのはソリオの次期型であるから、発売されるとしたら、2021年後半以降になるはずだ」と打ち明ける。

欧州では環境規制強化に合わせて、2020年4月から48Vマイルドハイブリッドを搭載したハイブリッドモデルが追加された

SX4 Sクロスのインテリアは、ブラック基調の落ち着いたデザインを採用。インパネにはピアノブラックの加飾を採用するなど高級感も演出

 スズキは軽自動車、コンパクト&小型車クラスのSUVモデルのラインアップではかなり豊富な陣容を整えている。軽自動車はラフロードタイプで「ジムニー」、クロスオーバーで「ハスラー」があり、どちらも人気が高くマーケットでの定着に成功している。

 ベーシックコンパクトではラフロードタイプで軽自動車ベースの「ジムニーシエラ」、クロスオーバーでは「クロスビー」がある。このうちジムニーシエラは現行モデルがヒットしたことで、ようやくマーケットでの定着が可能になっている。

 クロスビーは発売当初は人気モデルであるハスラーの面影を引き継いだコンセプトで人気が高まったが、ライバルのダイハツ&トヨタ陣営が対抗モデルの「ライズ/ロッキー」を投入したことで、お株を奪われ販売低迷状態に陥っている。

 ただ、現行モデルの登場が2017年12月25日であり、2年半以上が経過しており、モデルが陳腐化している事情もある。マイルドハイブリッドのほか、ストロングハイブリッド、あるいはターボなどを設定し、ビッグマイナーチェンジして商品ラインアップを強化すれば復活の可能性はある。

スズキ「クロスビー」。一見するとハスラーっぽいが全体的には丸みがあってハスラーとは違う

 今回主題のSX4 Sクロスはどうか。1.6Lエンジンを搭載し、2WD、4WD、6ATを組み合わせた上級コンパクトクラスのクロスオーバーSUVである。そのラフロード4WDバージョンが「エスクード」である。両モデルの販売が今一歩の状況にあるのはさまざまの要因が上げられる。現行モデルの登場はSX4 Sクロスが2015年2月19日、エスクードは2015年10月19日であるから、どちらも古くマーケットでの競争力が弱くなっている。

 同クラスはトヨタ「C-HR」、ホンダ「ヴェゼル」、日産「キックス」、スバル「XV」、マツダ「CX-3」などライバルの強豪がひしめき、シェア争いを激しく演じているから、商品力や販売力で劣るスズキ陣営の影が薄くなるといった状況にある。

 またSX4 Sクロス、エスクードともに海外産の輸入モデルだから、豊富なラインアップを揃えられないのと供給力に限界があるのがネックになっているといえるだろう。

 であれば国内製に切り替えてラインアップを強化するという方法もある。それができるかどうかが復活のカギといえるかも知れない。ただスズキとしては難しい課題もある。ハンガリー工場製としているのはメイン市場のヨーロッパ各国に輸出するのに効率が良いという事情がある。国内向けとヨーロッパ向けを分ければ、コスト高で販売台数の少ない国内向けの存続がしにくいという問題もありそうだ。

■販売の現場が語る逆輸入車の難しさ

●証言1:首都圏スズキ店営業担当者
 SX4 Sクロスの在庫はまだ少し残っているが、これが売り切れば廃止になると聞いている。ほとんど売れない状況なのでなくなっても困ることはないと思っている。

 ヨーロッパではハイブリッドモデルが発売になり、継続されるそうだが、これまでのようにハンガリー製を輸入するような方式では成功しないと思う。品質そのものよりもイメージの問題だと思う。国内で成功するのは国内産のほうが近道だと思う。

●証言2:首都圏アリーナ店営業担当者
 SX4 Sクロスは上級コンパクトSUVクラスだから、強豪ライバルが多数ひしめいているマーケットであり、生き残るのは難しい。トヨタ、ホンダ、日産、スバルはハイブリッドがあり、マツダはクリーンディーゼル車を設定し、それが有力な売りとなっている。

 スズキはガソリンNA車だけだから、競争に勝てない。ハイブリッドやターボ車などのラインアップを広げれば多少売りやすくなるはずだ。逆輸入車だとグレードも2WDと4WDのひとつだけだから、選ぶ余地が少ない。国内製に切り替えれば多少可能性が出てくると思う。

【画像ギャラリー】国内販売終了へ!! スズキのクロスオーバーSUV「SX4 Sクロス」を詳しくチェック!!

こんな記事も読まれています

「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実
「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実
Merkmal
BMWの4ドアクーペEV『i4』、改良新型は表情変化
BMWの4ドアクーペEV『i4』、改良新型は表情変化
レスポンス
マツダ 新型EV2車種を北京モーターショー2024で初公開 今年度中に市場投入も 「EZ-6」/「アラタ」
マツダ 新型EV2車種を北京モーターショー2024で初公開 今年度中に市場投入も 「EZ-6」/「アラタ」
AUTOCAR JAPAN
トヨタEVの新型車「bZ3C」/「bZ3X」 北京モーターショー2024で世界初公開 知能化/電動化/多様化
トヨタEVの新型車「bZ3C」/「bZ3X」 北京モーターショー2024で世界初公開 知能化/電動化/多様化
AUTOCAR JAPAN
”日本とちょっと異なる動き” ホンダ「e:NP2」/「e:NS2」 北京モーターショー2024でEV発表
”日本とちょっと異なる動き” ホンダ「e:NP2」/「e:NS2」 北京モーターショー2024でEV発表
AUTOCAR JAPAN
邪道とされた4シーターモデルが人気爆発!! ロータスに異端児「エラン+2」って知っている?
邪道とされた4シーターモデルが人気爆発!! ロータスに異端児「エラン+2」って知っている?
ベストカーWeb
まわりを巻き込む可能性もあるからヤメてくれ! 元教習所教官が語る「よく見かける」危険運転3つ
まわりを巻き込む可能性もあるからヤメてくれ! 元教習所教官が語る「よく見かける」危険運転3つ
WEB CARTOP
日産、バイドゥと協業 生成AIを用いた新機能を共同開発
日産、バイドゥと協業 生成AIを用いた新機能を共同開発
日刊自動車新聞
MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
motorsport.com 日本版
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
レスポンス
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
月刊自家用車WEB
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
AUTOSPORT web
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
くるまのニュース
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
レスポンス
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
AUTOCAR JAPAN
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
ベストカーWeb

みんなのコメント

14件
  • デザイン、排気量が半端なんだよ

    日本で売りたいなら、1.6でなく、1.5だね。

    手遅れだけど

    ジムニーシエラをロングや4ドアにした方が確実に売れるし、長く作れるよ。

    まだ1年待ちとかの状況だから、すぐに出せないだろうけど
  • 北海道のド田舎で、今年の春、初めてすれ違った。

    そういえば、スプラッシュも何年か前に一度見たっきり…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

214.1235.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8218.0万円

中古車を検索
SX4 Sクロスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

214.1235.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8218.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村