ミドルクラスといえば、ドイツ御三家にとってベストセラーを輩出する基幹モデル、いわば各ブランドを代表するエースだ。そこにアウディQ4 e-tronが登場したこともあり、ここでは姿形は違えど、各ブランドのミドルクラス級BEVを集めてワンデイトリップを敢行。実走行に基づいた比較検証を行ない、それぞれのキャラクターを探ってみた。今回は前編のQ4 e-tronに続き、BMW i4とメルセデスEQCをピックアップ。
前編:Q4 e-torn編はコチラから
ようやく出揃ったミドルクラス級電気自動車、これがBEVのエースだ!! アウディQ4 e-torn編【メルセデスベンツ×BMW×アウディ2023】
ともにICEがベースのEQCとi4
EQCは2019年夏に国内導入されたメルセデス初の純EVである。SUVのGLCがベースで、前後アクスルに備えたモーターは300kW(408ps)の最高出力を誇る。価格も標準状態で991万円。AMGパッケージやレザーパッケージのオプションを乗せた試乗車は1100万円を超していた。
走っては”静かなる陸の王者”みたいな電動SUVである。2500kgの車重がもたらす乗り心地は重厚のひと言。600kgに及ぶリチウムイオン電池は床下の低い位置にあるから、旋回性能も意外やスポーティだ。
バッテリーの総電力量は80kWh。充電量100%でスタートした時の航続距離表示は370kmだった。カタログ値の400km(WLTCモード)に近い。だが、この車重と、それをものともしない大パワーは相応の電費に現れる。今回の3台でバッテリーの減りは最も早く、193kmを走り、残り航続距離が83kmになったところで高速道路PAに入って急速充電器のお世話になる。そこまでの電費は3.1km/kWhだった。そこの充電器は一般的な50kW機だったが、30分入れても85km分しか増えなかった。最新型のEQCは最大110kWまで対応すると謳うだけに、日本のお寒い急速充電インフラが悔やまれる。
しかし悔やんでもしかたない。「ハーイ、メルセデス」と問いかけてクルマにいろいろ教えてもらえるMBUXを使って、たとえばNAVIのルートと連動して充電のアドバイスなどもしてもらえるとありがたいと思った。
【写真14枚】ともにICEがベースのEV、EQCとi4の詳細を写真で見る
ミドルクラスEVというくくりで、BMW i4にも試乗した。4シリーズ・グランクーペベースの純EVである。同じワンデイツーリングで味わったのは後輪駆動モデルのi4eドライブ40Mスポーツである。
モーターは最高出力250kW(340ps)。バッテリーは総電力量83.9kWh。WLTCモードの航続距離は604km。ツインモーターの高性能4WDモデル、M50(546km)よりロングレインジを謳う。だが、充電量99%のスタート時に表示されていた試乗車の航続距離は364kmだった。直近の電費をベースに計算した予測値だが、それにしたってカタログ値との乖離が大きいのはEVあるあるとはいえ、困ったものである。
だが、今回の電費は5.3km/kWhで、このパワーと走りを考えればよかった。266kmを走った時点での電池残量は36%、残り航続距離は195km。この時はエネオスにあったチャデモの90kW機で入れることができた。なぜか最後にエラーが出て、フル30分は充電できなかったが、それでも188km分入って、74%まで回復した。まずは90kW機があたりまえの外充電環境になってもらいたいものである。一方、車載のコード付きおうち充電用は標準的な3.6kW型。BMWでは15時間で満充電できる6.4kWのウォールボックスを推奨している。
走る性能は申し分ない。ふだんは気持ちのいい加速だが、フルスロットルを踏めば、ドンっとトルクが立ち上がり、0→100km/h=5.7秒のダッシュを披露する。スポーツモードではコスミックなEV加速サウンドも聴くことができる。重量感のあるなめらかな乗り心地も魅力だ。
4シリーズ・グランクーペのフルEV版だから、ゼロからつくったi3のような”新しさ”があるわけではないが、逆にそこがi4のフトコロの深さだろう。多くの3シリーズオーナーなども注目しているに違いない。
価格は791万円。EVだから高価だが、しかし「674万円より」の4シリーズ・グランクーペを買う層にとって、補助金も出るi4は初フルEVとして現実的なチョイスと言えると思う。BMWの”駆けぬける歓び”は車高の低いセダンタイプでこそ味わいたいと考える人も多いはずだから。
【SPECIFICATION】メルセデス・ベンツEQC400 4MATIC
■全長×全幅×全高=4770×1885×1625mm
■ホイールベース=2875mm
■車両重量=2470kg
■バッテリー容量=80kWh
■モーター最高出力=408ps(300kw)/4160rpm
■モーター最大トルク=765Nm(78.0kg-m)/0-3560rpm
■トランスミッション=1速固定式
■一充電走行距離(WLTCモード):400km
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=235/50R20:255/45R20
■車両本体価格(税込)=9,910,000円
【SPECIFICATION】BMW i4 eDrive40 Mスポーツ
■全長×全幅×全高=4785×1850×1455mm
■ホイールベース=2855mm
■車両重量=2080kg
■バッテリー容量=83.9kWh
■モーター最高出力=340ps(250kw)/8000rpm
■モーター最大トルク=430Nm(43.8kg-m)/0-5000rpm
■一充電走行距離(WLTCモード):604km
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/40R19:255/40R19
■車両本体価格(税込)=7,910,000円
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みんなのコメント
政府やメディアや自動車評論家は口を揃えてEV・EVと叫ぶけど、先日訪れた25年お世話になっている輸入車ディーラーの営業マンは「まだEV車購入は早いですよ!性能もインフラも全く満足出来る状態じゃない」と言ってましたよ。
私も予々早急なEVシフトは問題山積みだと思ってます。
まぁ…ステータスとして一千万・二千万出してEV車を所有するなら良いけど、今は未だ…実用的では無い気がする。
ま、すきにすりゃいい。