「東京モーターショー」あらため、「ジャパンモビリティショー」。先だってその記念すべき第1回が行われた。自動車のみならぬ、種々の移動手段の未来を予感させるショーということもあって、連日会場は観客でごった返す大盛況ぶり。その中でも話題を呼んだのがマツダブースだった。
事前から新型ロードスターが発表されるのでは? といった期待値高めな予報が飛び交う中、発表されたのは「アイコニック SP」なるクローズドボディのスポーツカーだった。その美しいスタイルをひと目見ようと、大勢の観客がマツダブースに押しかけており、ゆっくりと写真を撮るのもままならないほど。
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しかし、熱心なマツダ・ロータリーエンジン(RE)ファンからは落胆の声も上がったようだ。なぜなら、アイコニックSPのパワープラントが"発電用のRE"と"駆動用のモーター"によって構成されると発表されたからだ。これによって、ドライバーがREを自在にコントロールして走る夢が断たれてしまったようにも思えるからだ。
そうなると、がぜん現状最後のRE車である「RX-8」、ひいては最後のターボRE車である「RX-7 (FD型)」に注目が集まるわけだが、かねてよりFDへの関心は一般的にも高まっており、中古車が飛んでもない価格になっているだけでなく、モデルカー化も盛んだ。
メイクアップでは実車の3Dスキャンデータをトレースして設計したFDの1/43モデルカーを種々リリースしているが、中でもイチオシはかの由良拓也氏が手掛けたといわれる、マツダスピード製のスペックAボディキットを装着した仕様だ。
市井のドレスアップパーツとは一線を画した洗練されたデザインは、無論実行空力性能も重視して設計されたもの。FDの美しいスタイルをスポイルすることなく、個性や迫力を加味している。足元を飾るMS-02ホイールのリムには真円性に優れるアルミ製リムを奢るなど、各種マテリアルを解像度と質感の向上のためにふんだんに用いた贅沢な作りだ。
REがパワートレインとして機能していた時代はもしかすると過去のものになってしまうかもしれないが、モデルカーを通じてあの「電気モーターのようなエンジンフィール」を思い出すことはいつだって可能だ。きっとこれから先もずっと。
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