8月16~19日に開催されるWRC世界ラリー選手権第9戦ドイチェランドに向けて、参戦するドライバーたちが意気込みを語った。
1月に開幕した2018年シーズンのWRCも残り5戦。第9戦となるラリー・ドイチェランドは4月の第4戦ツール・ド・コルス以来となるフルターマック(舗装路)イベントだ。
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ラリー・ドイチェランド最大の特徴は日ごとにキャラクターの異なるステージが待ち受けること。ぶどう畑のなかを抜ける峠道や、コンクリート舗装の軍事演習場、郊外の高速ステージなどバラエティ豊かなSSで構成されている。
ぶどう畑のステージではマシンが走行を重ねていくほど、路肩の土や砂利がコースに散乱し、路面コンディションが悪化していくほか、軍事演習場でのステージにはコース脇に大きな岩があり、わずかなミスが大きなクラッシュにつながりやすい。
また、天候もドライバーを悩ませる要素だ。この時季のドイツは天候が変わりやすく、ドライバーたちには路面コンディションと天候を読みながらのタイヤ選択が求められる。
ラリーは16日(木)、現地8時(日本時間15時)にシェイクダウンが行われた後、現地19時過ぎ(日本時間17日2時過ぎ)に行われるSS1で開幕する。このSS1は2台が同時に走行するスーパーSS形式だ。
17日(金)には本格的なターマックラリーが開幕。この日はぶどう畑を抜けるステージを含むSS2~7までの6SSが行われる。
18日(土)はバウムホルダーの軍事演習場を舞台とする“パンツァープラッテ”といったラリー・ドイチェランドを代表するステージを中心にSS8~15まで8SSが行われる。
競技最終日の19日(日)はモーゼル川の横を走るステージを含むSS16~18までの3SSで構成。最終ステージとなるSS18はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。
WRC最上位クラスに参戦する4チームのうち、シトロエンを除く3チームは3台体制でエントリー。このうちヒュンダイは第6戦ポルトガル以来にダニ・ソルドを起用し、6号車ヒュンダイi20クーペWRCのステアリングを託す。
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■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)
「ラリー・フィンランドでは望んでいたペースが出せなかったけれど、ラリー・ドイチェランドは(フィンランドと)まったく特徴が異なるイベントだから、もう1度トップを目指すつもりだ」
「ターマック(舗装路)に戻るのはいつでもうれしいよ。それに、前回のコルシカ(第4戦ツール・ド・コルス)での実績もある」
「だけど、ラリー・ドイチェランドはまた違った難しさを持つラリーだ。バラエティ豊かなSSで、すべてを完璧にこなす難しさは誰もが分かっている」
「いつもとおなじく、目標は最善を尽くして、優勝を狙うこと。ポイントリーダーとのギャップを縮めることとあわせて、これが僕たちの目標だ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)
「ラリー・ドイチェランドは本当にチャレンジングなイベントだけど、それこそがイベントを楽しめる理由のひとつでもあるんだ。ステージのキャラクターやコンディションがつねに変化するから、つねに注意を払い続けなくてはいけない」
「ステージごとにいいリズムと適したセットアップを見つけることが重要だし、100%集中することも大事なんだ。このラリーに“セカンドチャンス”なんてものは存在しないからね」
「天候の大きな要素で、もしウエットコンディションになったら興味深い展開になるだろうね。何が待ち受けているか楽しみだよ。前回のターマック戦でフィエスタWRCは調子が良かったから、好成績を狙っていく」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)
「今回が僕にとってWRカーで戦う初めてのターマックイベントだから、未知の領域への第一歩になる」
「ターマックにおけるWRカーの走らせ方を知らないから、学ぶべきことは山積みだ。今一番知りたいのは、タイヤの摩耗についてと、ブレーキの労り方だね」
「僕にとっては初めてのことだらけのイベントだし、シリーズのなかでもっともチャレンジングなイベントでもある。コース上にはつねに砂埃が舞っているからね」
「それでもマシンに自信を持って、トリッキーなコンディションでドライビングを向上できることを願っているよ」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ラリー・ドイチェランドはお気に入りのターマックイベントのひとつだ。このラリーは変化に富んでいて様々なチャレンジがあるけれど、とても楽しめている」
「昨年はこのイベントを2位でフィニッシュしたから、いい思い出がよみがえってくるよ」
「今度こそ、ヒュンダイ・モータースポーツで良い結果を出すことを願っている。最近は自分たちが出せるはずの結果を出せていないから、ドイツでは挽回すると誓っているんだ」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「グラベル(未舗装路)でのラリーが4戦続いたから、ターマックに戻ることができてうれしいよ。ラリー・ドイチェランドは素晴らしいイベントだ。チームにとってはホームラリーと呼べる戦いだし、(母国の)ベルギーとも近いから、多くのファンが僕たちの応援に来てくれる」
「これまで、ここでは過去に何度もいい成績を残している。2014年のデビュー戦での勝利もそうだし、もっと難しい状況だったときもね」
「ラリー・フィンランドでは不満が残る戦いになったけど、それでもチャンピオンシップをリードできている。ドイツでトップを争う準備はできているよ」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)
「ヒュンダイi20クーペWRCでラリー・ドイチェランドに戻ることができてうれしいよ。素晴らしいイベントだし、チームにとってはホームと呼べるラリーだからね」
「ステージの特徴が違うから、一筋縄ではいかないラリーだ。週末は雨が降ることもある。そうなると路面がぬかるんで滑りやすくなるんだ。ただ今年、何が待ち受けているかは誰にもわからない」
「これまで、僕たちはドイツでは競争力を発揮してきた。表彰台に上がったいい思い出もあるよ。ライバルたちとタフな戦いをして、表彰台を獲得するのが僕たちの目標だ」
■シトロエン・レーシング
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)
「ターマック戦が待ち遠しかった。前回、フルターマック戦を戦ってから1年以上になるからね(第4戦ツール・ド・コルスは欠場)」
「バウムホルダーの軍事演習場を2回走行する土曜日が重要になるのは間違いないけど、なによりも金曜日に雨が降らないことを願っている。出走順は後ろだけど、理想的なコンディションで戦いたい」
「ターマックでの感覚を取り戻すべく夏のはじめにドイツでテストを行ったし、(フランスの)アルザス地方でも追加でテストを行った。もう一度表彰台に上がって、喜びを味わうために全力を尽くす」
●マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)
「去年を除けば、僕はこのラリーに2010年から毎年参戦している。コースのことはよく知っているし、バラエティ豊かななステージをいつも楽しんできた。そのせいで難しいラリーになっているとしてもね」
「ターマックでの走り方を思い出さなくては行けないけど、特にこのラリーではチームが持つ膨大な経験が頼りになるはずだ」
「C3 WRCで2日間のテストを行って、ラリー・ドイチェランドで直面するだろう路面コンディションを経験した。トップ5でフィニッシュできたら、素晴らしい結果だと思うよ」
■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「ラリー・フィンランドが終わってリラックスしているし、いいフィーリングでラリー・ドイチェランドを迎えられそうだ。引き続き好調を保って、今年の終わりまでいいリズムで戦い続けられることを期待しているよ」
「去年の時点で我々のクルマにはすでに高い競争力があったから、今年のドイツでもきっと速さがあるだろう。畑の中の田舎道は狭く、高速で僕にとってはとても楽しめるステージだ」
「また、軍事施設内のステージにもいいセクションがいくつかある。ただし、このラリーは天気が変わりやすいから、しっかりと準備をして臨まなくてはならない」
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
「フィンランドで優勝したこともあり、ドイツに向けては高い目標を設定している」
「これからは、ひとつひとつのラリーで最高の結果を得ることを目標に掲げ、その上でふたたび選手権争いに加わる事ができるかどうか見極めたいね」
「僕は多くの異なるタイプの道にチャレンジすることが好きだから、ドイツでは毎年ラリーを楽しんでいるよ。このラリーでは天気の変化を読む力がとても重要になる。なぜならタイヤ選択が大きな差を生み、僕は去年正しいタイヤ選択もあって勝利を手にすることができたからね」
「ヤリスWRCの舗装路でのパフォーマンスはとても高いから、優勝争いをするための条件がすべて整っていることを期待しているし、とても自信がある」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)
「ラリー・ドイチェランドはいつも、非常にチャレンジし甲斐のあるラリーだ。雨が降ることが多く、1日の間にしばしばコンディションが変わる。コーナーのイン側をカットして走ると泥が路面にかき出され、それがラリーを難しくするんだ」
「僕は過去にこのラリーで苦戦したけど、困難に立ち向かうことは好きだし、ふたたび舗装路を走るのはとても楽しみだ」
「ツール・ド・コルスではいいクルマのセットアップが見つかり、スピードも充分にあった。ドイツは大きく異なるラリーではあるけど、ツール・ド・コルスの時と同じようにいい走りができることを願っている」
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