はじめに
英国のスポーツセダン信者が、ディーゼルの速いセダンにどれだけ食いつくのか、正確に予測するのは難しい。早々にラインナップから外したり、開発をキャンセルしたりするほど、ニーズは小さいと読んでいるメーカーもあるくらいだ。とはいえ、すべてがそうだというわけではない。
そしておそらく、ディーゼルエンジンの評判を地に落とした2015年のスキャンダルに手を染めたアウディは、このテクノロジーの汚名を雪ぐために、力を注ぐべきメーカーであるといっていいだろう。
このインゴルシュタットの会社が2019年初めに宣言したのは、欧州市場でこれから販売していくほぼすべてのSモデルには、ディーゼル版を用意するということ。低燃費と、それによる航続距離の長さだけでなく、トルクの大きさと引き出しやすい速さも見込んでのことだ。
もちろん、SQこと高性能SUVなどには、すでに軽油エンジン搭載車が用意されている。だが、それより長い歴史を持ち、ずっと幅広い支持を集めてきた、クワトロ4WDを備えるスポーツセダンとしては大きな新展開だ。そのうちの1つを、今回はテストする。
この大幅なフェイスリフトを受けた6代目S4において、ディーゼルユニットを搭載して変わることは、車名にTDIの3文字が加わる以外になにがあるのだろうか。まずはなんといっても、マッドなスーパーセダンというべきメルセデスAMG C63に匹敵するそのビッグトルクだ。それでいて、燃費はWLTPモードで14km/Lを超える。しかも、駆動輪の数はライバルのAMGの倍で、それでいて価格は3分の2に収まるのだ。はたして、先進のディーゼルパワーを得たS4は、その名にふさわしい仕上がりとなっているのだろうか。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
アウディA4の幅広いラインナップは、モデルライフ中盤を迎え大幅な見直しを実行。S4 TDIを設定したほか、カンパニーカー需要の拡大も見込んで、ほとんどのエンジンに12Vマイルドハイブリッドシステムとの組み合わせを用意し、ディーゼルモデルには下位2機種を追加した。
今や、英国で販売されるA4は4気筒のみで、それより多くのピストンが欲しければ必然的にS4を選ぶこととなる。搭載するV6ディーゼルの排気量は従来型SQ5 TDIと同じ2967ccだが、ツインターボ過給の旧ユニットとの違いは明確だ。
一般的な排気駆動式ターボチャージャーはシングルで、さらに電動コンプレッサーを1基装備。48V電装系も採用され、リチウムイオンバッテリーで駆動されるスターター兼ジェネレーターモーターは拡大された。
エンジン出力は347psで、パワーカーブはピーキーに見える。ありがたいことに、71.3kg-mの最大トルクは2500~3100rpmで発生されるので、全体的にはまちがいなくピーキーに感じられないはずだ。
新たな電装系とスターター/ジェネレーターはハイブリッドシステムのように、最大8kWのエネルギー回生を可能にし、WLTP混合モードで最高14.5km/Lの好燃費達成に貢献する。この数値がどれだけ実燃費に近いかは、その他のあらゆるパフォーマンスの数値と変わらず重要だ。無論、それもこのテストでは検証していく。
トランスミッションは、A4が7速DCTなのに対し、S4は8速ATを採用。これに、センターデフを用いたフルタイム4WDを組み合わせる。これを除けば、英国で販売されるA4の四輪駆動システムはすべて燃費重視のクラッチ式なので、現行モデルの真正クワトロ搭載車はブリテン諸島初上陸ということになる。なお、マーケットによって設定される45TDIはセンターデフ式4WDを用いている。
このほか、S4 TDIには電子制御スポーツLSDも用意される。ただし、搭載するのは最上級モデルのヴォルスプラング仕様のみ。その登場は年内を予定している。
今回のテスト車は、S4 TDIとしては標準仕様に当たるモデル。ただし、装備しているアダプティブスポーツサスペンションやクワトロスポーツデフ、マトリックスLEDヘッドライトはヴォルスプラング仕様に用意されるアイテムなので、走りはエントリーグレードよりフラッグシップモデルに近いものだということをお含みおきいただきたい。
また、英国仕様には用意されない可変レシオのダイナミックステアリングも装着。そのため、今回のハンドリングに関する評価はいつもよりザックリしたものになるかもしれないとお断りしておこう。
内装 ★★★★★★★★☆☆
エクステリアと同様、インテリアの変更も比較的控えめだ。従来モデルはミニマルでクリーンなデザインに重点を置いており、マテリアルは手触りも見た目も魅力的なものを用いている。その点は、改良型でも変わらない。
磨き抜かれたクロームやツヤのあるピアノブラック、驚くほど手の込んだカーボンファイバーなどがふんだんに使われ、このキャビンに価格の高さに見合う洗練されたモダンな雰囲気をもたらしている。
10.1インチのタッチ式ディスプレイはダッシュボード上部に設置され、従来のダイヤル式コントローラーの排除が可能になった。それがなくなったセンターコンソールには小物入れが追加され、もともと充実していた収納スペースがさらに拡充されている。
革張りのスポーツシートは標準装備で、サポートもアジャスト性も上々。サポート部の変更もすばらしいほど利くので、痩せ型のテスターでも身体が遊んでしまうことはなかった。
そうはいっても、座面をもっとも低くしてさえ、ドライビングポジションは新型BMW 3シリーズほど自然なスポーティさは感じられなかった、というのがテスター陣の共通認識。どんなにシートを下げても、期待するよりやや高く座らされるのだ。
3シリーズよりホイールベースが短いので、後席スペースもミュンヘン生まれのライバルほど広くはない。とはいえ、快適でないというほどでもない。後席のレッグルームは、前席の広いフットウェルを利して780mmを確保できたBMWに対し、このアウディは700mmにとどまる。ヘッドルームは900mmだ。平均的な身長の大人ならば不満はないが、厳しいことをいえば、背の高い乗員なら足元も頭上もやや狭く感じるかもしれない。
トランク容量は420L。3シリーズや、メルセデスAMG C43が480Lあることに比べると、ちょっとばかり見劣りする。
走り ★★★★★★★★☆☆
ディーゼルへのスイッチが、ガソリンユニットの既存モデルより加速性能で劣るのではないかと心配しているなら、それは杞憂だ。この新型S4 TDIが、まったくの期待外れに終わることはない。
0-100km/hの4.8秒という公称値は、むしろ控えめな数字かもしれない。たとえ満タンで、さらにローンチコントロールを使わなかったとしても、0-97km/hの実測タイムは4.6秒をマークしている。
しかし、それ以上に興味深いのは、2017年に354psのガソリンユニットを積むS5クーペがマークした4.9秒や、5.0Lで459psを叩き出すV8を積んだフォード・マスタング・ブリットが湿潤路面で見せた5.3秒を凌ぐということだ。
もちろん、V6ディーゼルの野太く低いノイズは、ガソリンユニットのサウンドに比べれば魅力的なキャラクターなど感じられない。だが、そんな比較ではなく、このディーゼルの4WDパフォーマンスカーが発揮する、純然たる動力性能を厳密にジャッジするべきだ。
C63 Sに匹敵する71.3kg-mの最大トルクを2500~3100rpmで発生するので、中回転域でのパンチや全体的なフレキシビリティも劇的なものがある。2000rpm程度でも、強烈な加速力は存分に体感でき、3000rpmまで回転を上げれば、地平線まで引き波にさらわれるかのような勢いは不気味にさえ感じられる。
4速固定での48-113km/h加速は5.2秒で、旧S5より1秒も速い。だが、3500rpmを超えると、このクルマのスピードへの欲求は明らかに弱まる。
問題点を挙げるなら、まずは8速のトランスミッションだ。48Vシステムのマイルドハイブリッドに補助されているにもかかわらず、インプットに対するレスポンスは期待したほどではない。とりわけパートスロットルでの反応は薄く、キックダウンさせるにはスロットルペダルをしっかり踏み込む必要がある。
また、シグナルスタートで素早く、しかしコントロールされた発進を試みても、入力に対するS4のリアクションは、ほぼ二進法的だ。つまりオンかオフしかないような反応ぶりで、スムースな前進を許してはくれない。
それに比べればマシだが、やはりいらだたしく感じるのがブレーキだ。まちがいなく効くのだが、やや無感覚なところがあり、アシストが強すぎる。速度域が高ければそれほど気にならない効きはじめの唐突さも、市街地ではその繊細さの欠如が、これまたスムースな走りを妨げる要因となるのだ。
使い勝手
インフォテインメント
今やアウディは、A4の最廉価グレードにさえ、デジタル計器盤と10.1インチのインフォテインメントシステム用タッチ式ディスプレイを装備している。このことがセールスに及ぼす影響は、S4よりも安価なモデルでこそ大きな効果を発揮するだろう。もっとも、新型MMIプラスには、5万ポンド(約675万円)のクルマについていても賞賛できる作動のなめらかさと豪華さがある。
以前のモデルに装備されていたダイヤル式コントローラーを廃止したことで、操作はほぼタッチ式ディスプレイで行うようになった。支柱なしで設置されたそれは、走行中でも腕を伸ばせば楽に鷲づかみすることもできるが、少なくともアウディ基準に照らせば、取り付けのソリッドさに物足りなさが残る。
使い勝手は同じ2面ディスプレイのセットアップでも、より大型のモデルに採用されているものよりわずかながら劣る。そうはいっても、出来が悪いというわけではない。前方の道路からの視線移動はむしろ少なく、こちらの方が好みだというユーザーもいるはずだ。
オプションのプレミアムオーディオは、マイナーチェンジ前と同じバング&オルフセンの3Dシステムで、1395ポンド(約19万円)のアップグレードパッケージに含まれる。テスト車は標準仕様のオーディオを装備していたが、システムのパワーやサウンドの明瞭さに不足はなかった。
燈火類
テスト車は、オプションアイテムである超高効率のマトリクスLEDヘッドライトを装備。ハイビームでもロービームでも、光の強さも拡がりもすばらしい。
ステアリングとペダル
ペダル配置は快適なドライビングに配慮されたもので、奇妙なオフセットは見られない。ステアリングコラムのアジャスト性は十分にある。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
このS4は、大部分の速いアウディがひしめくダイナミクスの領域へ、容易に食い込むことができる。クワトロ4WDシステムとシャシーやステアリングはすべてうまく協調しており、やや冷淡ではあるが、もたらされる安心感やドライバビリティ、2地点を結ぶ速さのレベルは高い。それも、天候に左右されずにだ。ライバルとなるパフォーマンスセダンで、これに匹敵するものはほとんどない。
しかし、そのライバルの多くが何をおいても厳しすぎるほどの断固たる決意を求め続けるような感覚を有するのに対し、S4は短い間だがその警戒心を解くことができる。スタビリティシステムを緩め、コーナー出口でヘヴィにスロットルオンすると、つかの間のテールが揺れるものの、それもうまく収めて安定感を取り戻す。
BMW M340i xドライブが、プロトタイプでさえ見せた、ドライビングに熱中できるパフォーマンスセダンらしい情緒豊かなアジャスタビリティには比べものにならない。だが、生き生きとした走りには乏しかったとしても、悪いものではない。
いっぽう、ステアリングはダイレクトだが、典型的なフィールにかけるそれだ。ロックトゥロックは2.25で、前輪のレスポンスはほどよい。けれども、英国仕様に備わることになるパッシブステアリングは、これよりやや穏やかで軽いフィーリングとなるはずで、それはS4の走りにおいてはいい知らせではない。
導入予定がないものの話をしても詮ないのだが、ダイナミックステアリングなら手応えを適切に調整してくれる。また、バンプステアなどの悪影響を取り除く点でも、最新の速いアウディに期待するレベルに達している。
ボディコントロールは文句なし。アダプティブダンパーをもっとも緩いセッティングにしても、ロールをきっちりとプログッレシブな動きに抑え、飛ばしても道を誤らないという自信を持たせてくれる。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
テスト車は、アダプティブダンパーを用いたSスポーツサスペンションを装備するが、これは英国では最上位グレードのヴォルスプラング仕様に採用される予定のアイテム。予想したより明らかにエッジの硬いプライマリーライドを感じさせるが、快適性を損ねたり、運転をしづらくしたりするものではない。
コンフォートモードでも、上下方向のボディコントロールはなかなか容赦なく、アンジュレーションのある路面では緊張感とスポーティさ重視であることを痛感させられる。しかし、腰を痛めそうで堪えられないというほどではない。
セカンダリーライドの侵入は、市街地の速度域ではほどほど鋭く感じるが、これもパフォーマンスセダンのアベレージから大きく外れるものではない。どちらかといえば、アウディのSモデルでこれだということに驚かされる。
ペースを上げると乗り心地は改善され、B級道路より高速道路や幹線道路をハイペースで飛ばす方が向いているという印象が強くなる。こうした走りの性質と快適なドライビングポジション、静かで洗練されたパワートレインが相まって、非常に優秀な長距離ツアラーに仕上がっているのだ。
たしかに優秀だが、完璧ではない。クルージングしていれば、エンジンはおとなしいが、19インチのホイールとタイヤが、英国のあちこち荒れた舗装によってかなりのロードノイズを発生させるのだ。
113km/h程度をキープしてのクルージングでは、70dBの騒音を計測。ひどくうるさいわけではないが、今年テストした320dは、ローダウンしたMスポーツ仕様のサスペンションと18インチホイールを装着していたにもかかわらず、同じコンディションで64dBにとどまっている。
購入と維持
ディーゼルの高級セダンを買う場合によく言われることも、S4 TDIにはその多くが当てはまらない。比較的低いCO2排出量は、税制優遇を考えればガソリン仕様より出費を抑えてくれるはずだ。
S4を買おうというユーザーはそれを重視しないかもしれないが、燃費の良さと燃料代の安さも懐に優しい。今回のテストでの平均燃費は10km/Lほどで、大したことないと思われるだろうが、113km/h程度での巡航時には19km/Lを超える。このクルマのサイズとパフォーマンスを考えれば、かなり優れたレベルだといえる。58Lの燃料タンクが満タンなら、航続距離は1100kmを上回る計算だ。
スペック
レイアウト
S4初となるディーゼルエンジンは、フロント縦置きの3.0L V6。48Vマイルドハイブリッドシステムが組み合わされているが、これはS6やS7、Q8ですでに採用済みだ。駆動方式はセルフロッキングセンターデフを用いるフルタイム4WDで、トランスミッションは8速トルコンAT。チューンドスポーツサスペンションが標準装備される。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型6気筒2967ccターボ、ディーゼル
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ83.0×91.4mm
圧縮比:15.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:347ps/3850rpm
最大トルク:71.3kg-m/2500~3100rpm
許容回転数:4750rpm
馬力荷重比:195ps/t
トルク荷重比:40.0kg-m/t
エンジン比出力:117ps/L
ボディ/シャシー
全長:4770mm
ホイールベース:2825mm
オーバーハング(前):906mm
オーバーハング(後):1039mm
全幅(ミラー含む):2030mm
全幅(両ドア開き):3600mm
全高:1690mm
全高:(リアゲート開き):-
足元長さ(前):最大1150mm
足元長さ(後):最大700mm
座面~天井(前):最大1070mm
座面~天井(後):最大900mm
積載容量:420L
構造:スティール/アルミニウムモノコック
車両重量:1785kg(公称値)/1871kg(実測値)
抗力係数:0.28
ホイール前/後:8.5Jx19
タイヤ前/後:255/35R19 96Y
ブリヂストン・ポテンザS001
スペアタイヤ:パンク修理キット
変速機
形式:8速トルコンAT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.00/10.3
2速:3.20/16.1
3速:2.14/24.1
4速:1.72/30.1
5速:1.31/39.4
6速:1.00/51.7
7速:0.82/62.8
8速:0.64/80.8
最終減速比:2.411:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:10.3km/L
ツーリング:19.2km/L
動力性能計測時:5.8km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:14.5km/L
燃料タンク容量:58L
現実的な航続距離:597km
CO2排出量:164g/km
サスペンション
前:マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、アダプティブダンパー、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.25回転
最小回転直径:11.6m
ブレーキ
前:375mm通気冷却式ディスク
後:ディスク(サイズ未公開)
静粛性
アイドリング:47dB
全開時:76dB(4速)
48km/h走行時:60dB
80km/h走行時:65dB
113km/h走行時:70dB
安全装備
ABS/EBD/ESC/LKAS/アダプティブクルーズコントロール
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人89%/子供87%
歩行者保護性能:75%
安全補助装置性能:75%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.6秒
0-50(80):3.6秒
0-60(97):4.6秒
0-70(113):5.9秒
0-80(129):7.5秒
0-90(145):9.4秒
0-100(161):11.5秒
0-110(177):14.2秒
0-120(193):17.1秒
0-130(209):20.6秒
0-140(225):25.3秒
0-150(241):-秒
0-160(257):-秒
0-402m発進加速:13.2秒(到達速度:172.2km/h)
0-1000m発進加速:24.0秒(到達速度:221.3km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アウディS5クーペ(2017年)
テスト条件:湿潤路面/気温6℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.7秒
0-50(80):3.7秒
0-60(97):4.9秒
0-70(113):6.2秒
0-80(129):7.8秒
0-90(145):9.6秒
0-100(161):11.7秒
0-110(177):14.4秒
0-120(193):17.3秒
0-130(209):21.2秒
0-140(225):26.2秒
0-150(241):-秒
0-160(257):-秒
0-402m発進加速:13.4秒(到達速度:171.7km/h)
0-1000m発進加速:24.2秒(到達速度:220.8km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.7秒(2速)/2.5秒(3速)/4.2秒(4速)
30-50(48-80):2.0秒(3速)/2.7秒(4速)/6.0秒(5速)/12.5秒(6速)
40-60(64-97):2.1秒(3速)/2.5秒(4速)/3.9秒(5速)/7.8秒(6速)/13.8秒(7速)
50-70(80-113):2.3秒(3速)/2.5秒(4速)/3.2秒(5速)/5.3秒(6速)/9.3秒(7速)
60-80(97-129):2.8秒(4速)/3.2秒(5速)/4.7秒(6速)/6.8秒(7速)
70-90(113-145):3.5秒(4速)/3.4秒(5速)/4.5秒(6速)/6.4秒(7速)
80-100(129-161):3.7秒(5速)/4.5秒(6速)/6.3秒(7速)
90-110(145-177):4.4秒(5速)/4.8秒(6速)/6.2秒(7速)
100-120(161-193):5.3秒(6速)/6.5秒(7速)
120-140(193-225):6.2秒(6速)
各ギアの最高速
1速:50km/h(4750rpm)
2速:77km/h(4750rpm)
3速:114km/h(4750rpm)
4速:143km/h(4750rpm)
5速:187km/h(4750rpm)
6速:246km/h(4750rpm)
7速:250km/h(3973rpm)
8速(公称値):250km/h(3090rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1395rpm/1595rpm
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.7m
70-0マイル/時(80km/h):46.9m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.87秒
ライバルの制動距離アウディS5クーペ(2017年)
テスト条件:湿潤路面/気温6℃
30-0マイル/時(48km/h):9.2m
50-0マイル/時(64km/h):25.3m
70-0マイル/時(80km/h):50.2m
結論 ★★★★★★★★☆☆
結局、このディーゼル版S4は、どういった類のパフォーマンスカーなのか。歴代S4は、常に際立った、夢中になれるドライバーズカーではなかった。
しかし、今回はそれが変化した。このS4は従来より圧倒的に速く、洗練され、技術面では先進的な長距離クルーザーだ。よく計算されたクルマだと思う。
熟考してみても、これはかなり説得力のある一台だ。キャビンはその作りも仕上げも、容易にクラスベストへ躍り出るレベルにある。V6ディーゼルはポテンシャル満点で、素晴らしく洗練されていて、燃費性能にも優れる。ハンドリングはきわめて安心感があり、路面コンディションを問わない。
それでも、このS4がやはり最高に味わい深く夢中になれるドライバーズカーではなかったといっても、驚きはないだろう。しかし、ディーゼルエンジンの採用によるポジションの見直しに関しては、以前ほど疑問視されることはなくなった。
事実、注目されるのはこれが心惹かれる新たなニッチモデルなのかどうかという点だ。ガソリン版S4が発売されないことを嘆く欧州のユーザーもいるだろう。だが、この新たなディーゼルモデルは、コンパクトで日常使いできるアウディSモデルの、興味深い新たなチャプターを成功裏に開くこととなるだろう。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースS4をディーゼルにしたことは、合理的な判断だと思う。とくに、RS4の入る余地を残しながらS4が発展するには。しかし、かつてのような荒っぽく仰々しいV8が恋しいのも正直な気持ちだ。Sモデルが賢明なクルマになった今、RSモデルはもっとワイルドになってほしいものだ。
サイモン・デイヴィス近く追加されるヴォルスプラング仕様は、アダプティブダンパーが標準装備される予定だ。アウディでは、下位モデルへのオプション設定を決めかねているが、いずれ用意されることを確信している。
オプション追加のアドバイス
最上位グレードでしか、サスペンションやドライブトレインのオプションを用意しないのはあんまりだ。1年ほど待てば状況が変わり、望む仕様を今より安価に手に入れられるようになるかもしれないが。
改善してほしいポイント
・低速域での、トランスミッションのレスポンスを改善してほしい。
・ブレーキフィールはオーバーアシスト気味。唐突な効き方は市街地走行でのストレスの種になるので、なくしてほしい。
・筋金入りのエンスージァストに売り込みたいなら、テールパイプは変えた方がいい。
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