欧州向けはSTD/GT/GT+の3グレード展開。2025年夏頃という日本導入モデルの主力はGT+!?
ヤマハ独自のクロスプレーンコンセプトを具現化した890cc並列3気筒CP3エンジンを搭載するミドルスポーツツアラー、トレーサー9シリーズ。その2025年モデルが、各種性能と機能をバージョンアップして伊ミラノショーで発表された。日本導入時期夏以降の予定で、導入グレードも発売価格も未定ながら、その概要を紹介しよう。
【画像23点】日本へは来年夏以降に導入予定、トレーサー9シリーズの詳細を早速チェック!
海外市場向けのトレーサー9シリーズは、スタンダード(STD)のほか、ツーリング機能を充実させてパニアケースなどを標準装備したトレーサー9GT、そしてGTの仕様にACC(追従機能付きクルーズコントロール)や各種ライダー支援機構を付加したトレーサー9GT+(プラス)の3バージョンをラインアップ。この内、現在日本に導入されているのはGT/GT+だが、3バージョン共通の特徴、2025年モデルでの共通の変更点、各グレードごとの特徴と変更点を順にまとめてみると……。
2025年型トレーサー9シリーズの特徴
●並列3気筒890ccCP3エンジン。1万rpmで119psの最高出力、7000rpmで93Nmの最大トルクを発揮して低中速域での優れた加速を実現。
●ヤマハライドコントロールは、6軸IMUと緻密なトラクションコントロール、スライドコントロール、ウイリーコントロール、ブレーキコントロールシステムなど、ミドルクラスとしては最も高度な電子機器を装備。
●CFアルミダイキャスト・デルタボックスフレームは、スポーツバイクの敏捷性とスポーツツーリングモデルに必要な高速安定性を両立。
●専用開発のブリヂストンBATTLAX SPORT TOURING T32タイヤとスピンフォージドホイールを組み合わせ、軽量で正確なハンドリング、快適な乗り心地を提供。
●GT/GT+モデルにキーレスロックシステムを採用。またこの機構と互換性のあるオプションの3ボックスラゲッジシステムに対応。
●プレミアム7インチTFTダッシュボードは、スマートフォン接続機能(GT/GT+の標準)、統合型Garminナビゲーション(GT/GT+の標準)、3つのディスプレイテーマ、音楽、電話、ナビゲーション用の追加機能に対応。
●クラッチレス変速のY-AMTトランスミッションでは、ATまたは指操作のマニュアルシフトを選択可能。同機構はGT+に標準、GTとSTDにオプション設定。
●全グレードにフルLED照明が採用され、トレーサー9GT/GT+にはカメラ制御のアダプティブマトリックスLEDヘッドライトを採用。
●新しいスイッチギア(GT/GT+はイルミネーション仕様が標準 )は、新機能を直感的に操作できるように設計。
●KTB製の電子制御サスペンションは、IMUによって検出された設定に基づいてダンピングを自動的に調整(GT/GT+に標準)。
●19リットル容量の燃料タンク。
●パッドを増やし、高さを2段階に調整できる新設計のライダーシート。ライダー側、タンデム側ともにシート面積がアップして快適性を向上。
●100mmの範囲で調整可能なウインドスクリーン(GT/GT+は電動式)。STDは50mmの調整範囲で手動式。
●2段階フラッシャーとESS(緊急停止信号)機能を備えた新しいセルフキャンセル式ウインカーは、急ブレーキを検知するとハザード警告灯を自動的に作動。
●10段階の加熱レベルと3つのプログラムが可能なグリップヒーター。
●GT+ではタイヤ空気圧監視システム(TPMS)が標準装備。
●スマートキー機能装備(GT/GT+)により、イグニッション、ステアリングロック、燃料キャップ、荷物を含むすべての機能のロックを解除可能。
●車両ホールドコントロール(GT/GT+に標準)は、ブレーキ入力をホールドして上り坂や下り坂で停止状態を維持するヤマハ初採用の機能。
●カスタマイズ可能なライディングモード。3つの工場設定と2つのユーザー設定可能なカスタムモードを採用。
●クラッチレスのアップシフトとオートブリップアシストのダウンシフトを可能にする第3世代の新クイックシフター。
●アダプティブクルーズコントロール(GT+のみ標準)またはクルーズコントロールとスピードリミッター。
●フェアリング右側にUSBポートを内蔵した統合型収納ボックスを設置。
トレーサー9シリーズ・3グレードの概要
【トレーサー9】(STD)※日本未導入グレード?
2025年モデルのトレーサー9シリーズ共通で、新たな7インチTFTダッシュボードと更新されたスイッチギアに加え、ファミリーの新しいスタイリングとその他の仕様を更新。収納スペースにUSB充電ポイントを装備したほか、デュアルハイビームとロービームのヘッドライト、コーナリングヘッドランプ、急ブレーキを検知するとハザードライトが自動的に作動する緊急停止システム導入など、高度なシステム補助機能を追加。アクセサリーオプションで、3ケースラゲッジシステム、第3世代クイックシフター、タイヤ空気圧監視システムなどを用意される。そのほか、オプション設定のY-AMT仕様には自動キャンセルウインカーとグリップヒーターも付加される。電子制御機構の簡略化も含めて、車重は219kg(Y-AMTのオプション車で224kg)とトレーサー9シリーズ中で最軽量。
【トレーサー9 GT】
標準のトレーサー9より高級な機構を標準装備するGTは、マトリックスLEDヘッドライト、KADS電子制御サスペンション、電動調整式ウィンドスクリーン、グリップヒーター、スマートキー、コネクティビティなどを採用。また、第3世代クイックシフターと自動キャンセル式ウィンカーも標準装備。オプションのY-AMT仕様には、車両ホールドコントロールと統合ブレーキシステムも搭載。
【トレーサー9 GT+】
ヤマハのフラッグシップスポーツツーリングモデルとして、フルセットの最新テクノロジーを搭載した仕様がGT+。クラッチレス機構でハンドシフトのY-AMTが標準装備となるほか、アダプティブクルーズコントロール、30リットルの中央ロック式ハードサイドケース、死角検出機能、バックライト付きスイッチギア、タイヤ空気圧監視システム、高耐久性ドライブチェーンも採用。
トレーサー9GT/同Y-AMT/GT+主要諸元
※< >内はGTのY-AMT仕様、[ ]内はGT+
■エンジン 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク78.0×62.1mm 総排気量890cc 圧縮比11.5 燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル
■性能 最高出力87.5kW(119ps)/1万rpm 最大トルク93Nm(9.5kgm)/7000rpm
■変速機 6段リターン 変速比─ 一次減速比─ 二次減速比─
■寸法・重量 全長2175 全幅900 全高1440-1530 軸距1500 シート高845-860(各mm) キャスター24°25′ トレール106mm タイヤF120/70ZR17 M/C 58W R180/55ZR17 M/C 73W 車両重量227<231>[232]kg
■容量 燃料タンク19L エンジンオイル3.5L
■国内導入時期:2025年夏以降
まとめ●モーサイ編集部・阪本 写真●ヤマハ発動機
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みんなのコメント
バイク自体は大変性能が高く運転はし易かったのですが、174cmの身長でも足つきが心許なくバイク引き回しも大変でした。チョイ乗りするにも引き出すのも面倒で長距離ツーリングをすると決まって太ももの内側がエンジンの熱で低温火傷を起しました。
例え性能が良いバイクでも楽しめなくては悲しいですね。 今度は自分の身の丈にあったバイクに乗りたいと思います。
因みに約4000kmで丁度100万円で売れました。w