ヨーロッパのF1開催サーキットの大半は、グランプリカレンダーの大改革に備えている。F1グループのトップであるステファノ・ドメニカリCEOは新興国へのF1拡大を視野に入れており、より収益性の高い契約を求めて伝統的なレースの一部を廃止する用意があるようだ。
同氏は最近、「ヨーロッパでのグランプリの“ローテーション開催”という中期的な可能性と、その後に導入されるその他の新しいオプションに関して、近々発表できるニュースがある」と明言した。
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ドメニカリは、F1の伝統に情熱を抱く既存のファンの不安を和らげようと、「新たな開催地には強い需要がある。我々の選択は、システムとして得られる経済的利点と、我々の事業をさらに発展させるのに役立つ可能性があると思われる市場の成長を活用するというバランスを、つねに保ったまま行われるだろう」と警告した。
すでに明らかになっている2025年のカレンダーには何も新しいことはないが、来年末には複数のグランプリ契約が終了する。
中国GP、メキシコGP、アメリカのラスベガスGPは契約最終年を迎えるが、セルジオ・ペレス(レッドブル)がグリッドにいてもいなくても、メキシコのレースがカレンダーに残ることはほぼ間違いないだろう。
ラスベガスのレースもF1グループ自身が所有してプロモートしているため、新たな契約が締結されることはほぼ確実だ。今年のグランプリは一般のファンの参加が非常に少ないことが現時点での指標からわかるものの、もっとも高価なチケットは売れ行きが良いようで、このレースはF1にとって利益を生み続けるかもしれない。
一方、中国GPのプロモーターとの交渉は当初予想されていたよりもやや困難があることが判明している。上海のプロモーターの最後の契約は、新型コロナウイルスが18カ月にわたって世界を停止させ、F1の露出が大幅に増加する前に行われたものだったからだ。
そのため、F1が要求している金額は、中国が支払ってきた金額のほぼ2倍になっており、中国側が新たな契約に署名することに消極的になっている。周冠宇(キック・ザウバー)が2025年に参戦しないことから、プロモーターたちは2026年に若い観客が戻ってこないことを懸念しており、将来について何らかの約束をするのは来年のグランプリまで待つつもりのようだ。
ヨーロッパでは、モナコ、オランダ、ベルギー、イタリアが契約満了を迎え、その1年後にはイモラとバルセロナも同様に契約が終了する。モナコを除いて、これらの国はすべてドメニカリのローテーションリストの候補に入っているが、イタリア政府はモンツァを恒久的な開催地としてカレンダーに残すよう強く求めている。
たとえそうであったとしても、F1は2026年からヨーロッパのレースをふたつ削減し、イモラ、バルセロナ、スパ・フランコルシャン、ザントフォールトをローテーション方式に組み入れ、最大でさらに3つのフライアウェイレースの開催の道を開くことになるだろう。
サウジアラビアのキディヤのトラックが完成すれば、同国でふたつめのグランプリが開催されるのは時間の問題であり、この他のタイ、南アフリカ、韓国、ルワンダ、アルゼンチンはすべて、残りのふたつのポジションを争っている。
F1に近い情報筋によると、アジアのグランプリでもローテーションの可能性があるが、日本GPだけは唯一、恒久的に安定した枠が確保されているという。このスポーツではもっとも利益の少ないグランプリであるにもかかわらず、各チームとドライバーたちが毎シーズン開催し続けることを固く決意しているグランプリだからだ。
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