フェラーリを所有してから約半年。多くの人から、「壊れない?」「乗り心地はどう?」など質問を受ける。
が、1番多いのは「いくらで購入したの?」という質問である。とはいえ、以前にも記した通り、前オーナーの手前、公表するのは控えていた。
筆者の購入した360モデナは2000年製。ワンオーナーの個体だった。が、あまりにも質問が多いうえ、「会社の経費で購入したんでしょ?」などといった事実と異なる話もひろがっているようなので、読者にはおおよその金額を伝えたい。
近しい金額のクルマ(新車)でたとえるなら、ポルシェ「718ケイマン」の「S」や、メルセデスAMG「GLC 4MATIC」、BMW「M2 コンペティション」などがある。これらを調べるとわかると思うが、1000万円以下で購入出来たのはまぎれもない事実。
はたして、これが高いのか? 安いのか? と、問われると難しい。なぜなら、ワンオーナーの360モデナは市場にほとんど流通していないからだ。
『29歳、フェラーリを買う』毎週金曜更新!前回のおさらい
ポルシェ「718ケイマン」のうち「S」の価格は、869万~916万円。ワンオーナーの360モデナはたったの2台!2019年9月26日現在の某中古車情報ウェブサイトによれば、360モデナの中古車は全国に54台あった。うちワンオーナーの個体はたったの2台しかなかった。
どちらもボクの所有する360モデナと年式やボディ・カラーが異なるため比較出来ないが、参考までに記すと、1台は2001年式、トランスミッションはF1マチック、ボディカラーはイエロー、走行距離2万3000kmで価格は「応談」(カスタムパーツ付き)。もう1台は2004年式(最終モデルである)、トランスミッションはF1マチック、ボディカラーはレッド、走行距離2万2000kmで価格は1048万円だった。
中古市場に流通する360モデナのトランスミッションは、ほとんどがF1マチックである。MTは希少だ。ちなみに、2004年式の最終モデルは全国に4台あった(ほかは複数オーナー)。おなじF1マチック&レットという組み合わせの個体も1台あった。こちらは走行距離1万6000kmで、価格は998万円。
走行距離が6000kmも違うため、コンディションの差もあるだろうから単純に比較は出来ないものの、ワンオーナーの方が高価格で販売されているようだ。
『29歳、フェラーリを買う』毎週金曜更新!前回のおさらい
筆者の購入した360モデナは、フロントに社外品のリップスポイラーが装着されているため、フルノーマルではない。ちなみに、ボクが購入した2000年製360モデナも調べた。全国に16台あったが、値段は幅広い。また、カスタムパーツを多数装着されたモデルもちらほらある。
そこで、ノーマルに近いモデルに絞ってチェックした。1台は、トランスミッションがF1マチック(クラッチ残量81%)、ボディカラーはレッド、走行距離1万6000kmで価格は950万円。もう1台はトランスミッションがF1マチック、ボディカラーはレッド、走行距離2万2000kmで価格は930万円だった。どちらもボディカラーが人気のレッドだから、ボクのクルマ(人気のあまり高くない紺)と比較するのは難しいけれど、若干、市場価格よりお買い得だったのかもしれない。
とくに、クラッチ残量が90%だったのを知らずして購入したから(ほぼ現状販売だった)、お買い得感は高まる。車検で98万円の出費はあったけど、車検時に入庫したフェラーリ横浜サービス・センターの人からも「状態は非常にいいですね」とお墨付きをもらったからなおさらだ。
筆者のクルマのメンテナンスは、神奈川県横浜市にあるフェラーリ横浜サービス・センターにお願いしている。御縁を大切に!とはいえ、クラッチ残量などを調べず購入したのは浅はかすぎた。もし、クラッチ残量がほとんどなければ、今回の車検時にプラス2~30万円の出費(クラッチ交換)を要したからだ。購入時、「まぁ大丈夫だろう」なんて呑気にかまえていたのが、恐ろしい。
でも、深く考えていたらきっと購入出来なかったはずだ。あれやこれや細かいことを気にしていたらきっと19年落ちのフェラーリなんぞ買えなかったはずだ。また、フェラーリについてほとんど知識を持ち合わせなかったゆえ、思い切って購入出来たという事実もある。はずかしながら、ボクはフェラーリに疎く、とくに1980年代以前のフェラーリになると、車名がよくわからなかったぐらいだし、「GTS」がなんたるかもよくわかっていなかったほどだ。
『29歳、フェラーリを買う』毎週金曜更新!前回のおさらい
それほどの知識量だったからこそ、逆にあれやこれや考えず、勢いで購入できたのかもしれない。もっとも、様々な知識を有していたら購入せず、東京都内にマンションを購入していたかもしれないが。
ただし、フェラーリを購入して人生が大きく変わったのはまぎれもない事実。マンションの抽選に何度も落ち続けたとき、「あぁ、自分は不動産に御縁がないのかもしれない……」と、思ったぐらいだったが、どうやら“フェラーリ”とは御縁があったようだ。
女優の夏樹陽子さんはF355を長年所有されている。撮影時、夏樹さんのF355と一緒に走行できたのは良き思い出だ。御縁は大切にしなくては、と、フェラーリに乗るたびに思うし、360モデナがあったからこその出会いも数多くあった。夏樹陽子さんや杏里さん、そして辛酸なめ子さんらとフェラーリ・トークが出来たのも良き思い出である。
マンションではなくフェラーリを買うという選択は、間違いではなかった、と、つくづく思うのだった。もっとも、マンションも引き続き探してはいるが、360モデナがが問題なく停められるような駐車場付きマンションのうち、条件にあうものが少なく困り果てている……やはり、不動産とはしばらく御縁がなさそうだ。
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まとめ・稲垣邦康(GQ)
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