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驚異の新人パロウがレコード更新。年間王座はARTAとK-tunesの一騎打ち/スーパーGT第8戦もてぎ GT300予選

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驚異の新人パロウがレコード更新。年間王座はARTAとK-tunesの一騎打ち/スーパーGT第8戦もてぎ GT300予選

 2019年スーパーGTシーズン最終戦、ツインリンクもてぎ行われた第8戦の公式予選は、McLaren 720Sのアレックス・パロウがGT300クラスで自身初のポールポジションを獲得。タイトル争いを左右したばかりでなく新コースレコード樹立のオマケ付きで、デビューイヤーの最後を飾るスーパーアタックを披露した。

 快晴に恵まれた11月2日のツインリンクもてぎは、午前に続いて予選Q1セッション開始の14時には気温19度、路面温度は25度まで上昇。この時期としては例年より高めの路気温状況となった。

【順位結果】2019スーパーGT第8戦もてぎ 公式予選結果

 まだ少し肌寒かった土曜9時前の走り出しでは、ブリヂストンタイヤ装着車両が好調さをみせ、ポイントリーダーのARTA NSX GT3を筆頭に、LEON PYRAMID AMGや選手権2位のK-tunes RC F GT3らが早い段階から自己ベストを記録。

 対するヨコハマタイヤ勢は、プラクティス2番手タイムのマネパ ランボルギーニ GT3や同4番手のHOPPY 86 MC、5番手のリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rなどが路面改善と温度上昇の伴ったセッション中盤以降にタイムを改善する傾向が見られ、この特性が午後の予選でどう作用するかが焦点となった。

 この予選でのポールポジション獲得が、逆転タイトルへの必要最低条件となるグッドスマイル 初音ミク AMGとリアライズGT-Rは、それぞれQ1アタッカーに谷口信輝とサッシャ・フェネストラズを起用。ともにQ2はもてぎを得意とする片岡龍也と、2018年のポールシッターである平峰一貴を温存する戦略を採った。

■ランキング2位のK-tunes RC Fが17番手でQ1敗退の波乱

 14時定刻に15分間のセッションが開始されると、JLOC勢やリアライズGT-Rがわずかに待機しつつも、3分以内にはほぼ全車がコースイン。上位勢がスペースを探りながら丁寧にタイヤのウォームアップを進めると、まずはブリヂストン装着のマザーシャシー、埼玉トヨペットGB マークX MCが1分46秒822のベースタイムを記録する。

 初音ミクAMGの谷口も計測3周目で1分47秒489で2番手に続くも、その後方から好タイムで上がってきたのがダンロップ勢。このコンディションと路面改善にタイヤのマッチングがピタリときたか、GAINER TANAX GT-R、SUBARU BRZ R&D SPORTがともに1分46秒6を記録してワン・ツー体制を築いてみせる。

 すると、その背後からセクター自己ベストを記録しながらビクトリーコーナーへ飛び込んできた選手権2位のK-tunes RC F GT3新田守男がホームストレートへの立ち上がりでまさかのスピン。レコードライン上で進行方向逆向きに止まってしまい、その後方に続いていた同じレクサスRC F GT3のSYNTIUM LMcorsa RC F GT3があわや正面衝突という事態に。

 ここはSYNTIUM RC F GT3を操る宮田莉朋がすんでのことろでかわし大事には至らなかったものの、K-tunes RC Fは手痛いビハインドを背負うことに。

 上位勢はGAINER TANAX GT-R、SUBARU BRZ、そしてLEON PYRAMID AMGのトップ3に、埼玉トヨペット マークX、HOPPY 86 MC、マネパ ランボルギーニ GT3が続くトップ5となったところでチェッカー。

 リアライズ GT-Rのフェネストラズは最後のアタックで9番手に飛び込み、初音ミクAMG谷口もクールダウンを挟んで計測6周目までアタックを続け13番手でQ1通過を決めると、奇しくもカットライン16番手となったSYNTIUM RC F GT3宮田に対し、スピンからの失地挽回を期すK-tunes RC F新田が最後のアタッカーとしてセクター4へ。

 新田は計測8周目まで粘り、ギリギリQ1突破に賭けたフライングラップは、1分47秒360となり無念の17番手。選手権首位のARTA NSX GT3も14番手でQ1通過を果たしたことから、タイトル争いを展開する4台中で唯一、Q1脱落というまさかの結果となった。

■アレックス・パロウが新レコード樹立。スーパーフォーミュラに続き、もてぎ連続ポール

 GT500クラスのQ1セッションを挟み14時45分からの10分間となったQ2は、2分ほど待機したリアライズ GT-Rの平峰を最後に16台がコースに入ると、残り2分を切ったところで埼玉トヨペット マークXが1分46秒590でまずはトップタイムを刻んでいく。

 ここから最上位グリッドの奪い合いが始まり、エヴァRT初号機 X Works GT-R、ARTA NSX GT3、そしてコース上でベストポジションを探り続けたGAINER TANAX GT-Rの平中克幸と、最速マシンがめまぐるしく入れ替わっていく。

 そのなかで、逆転王座に望みをかけた片岡龍也の初音ミク AMGだったが、4周目のラップで1分46秒410を記録するも、トップにはわずかに届かず2番手。そのまま連続アタックに入っていく。

 そして迎えたチェッカー目前、2019年はデビューシーズンとして厳しいBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)に苦しんできたMcLaren 720Sのパロウが、1分45秒907というニューレコードを樹立してトップへ。  

 実質的にこの瞬間、片岡と平峰の逆転タイトルへのチャレンジは終わりを告げ、平峰がアタッカーを務めたリアライズ GT-Rもラストアタックで1分46秒033を記録しフロントロウを確保するのが精一杯。マクラーレンがシーズン最後の最後で初ポールポジションを射止めてみせた。



 圧倒的優位で選手権首位に立つARTA NSX GT3は5番手だったが、チャンピオンを争う唯一のライバルであるK-tunes RC FはQ1敗退で17番手。明けた3日(日)、250kmの決勝レースに向け圧倒的有利な状況で、13時30分からのスタートを迎えることとなった。

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