定年を迎えた従業員を社外に派遣。増えるシニア人材の活用モデルとなる可能性も
定年延長制度もすっかり定着し、定年後も同じ会社で仕事を続けるのは当たり前となった。自動車サプライヤー大手のボッシュ日本法人も、定年退職者をノウハウの継承や人材育成に活用するBMS(ボッシュ・マネジメントサポート)を2010年から行ってきたが、ここにきて協力企業や代理店など社外にも定年後の人材を派遣するサービスを開始。2021年4月から新規派遣先企業を広げる形で人材を提供していくことになる。
社外への派遣となると人材派遣サービスとなるため、ボッシュは労働者派遣事業者として厚生労働省の許可も取得。定年退職後であれば、年齢の上限なく応募できるとしている。少子高齢化により企業の人材獲得は今後一段と難しくなり、大手から中小まで、シニア活用の方策を探っているが、ボッシュのこうした人材活用システムが、ひとつのモデルとして受け入れられる可能性も高い。
かつてのヂーゼル機器、後のゼクセルなどを買収して業容を拡大してきた日本のボッシュグループの従業員数は約6700人と多く、ゼクセル時代からの代理店なども全国に存在している。今後増えていくであろう技術とノウハウを持つ定年退職者の活用は必須課題だけに、この人材派遣サービスが自動車業界の発展にどんな形で寄与していくことになるのか、他の自動車関連企業もその動きを興味深く見守っているはずだ。
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