■日本では音沙汰なしも、海外では存在感増す韓国車
韓国の自動車メーカーを聞かれても多くの人はピンとこないかもしれません。それもそのはず、日本では2009年を最後に、韓国ブランドの乗用車は販売されておらず、街で見かけることはほとんどないからです。
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しかし、世界で見れば韓国車は年々評価を増してきています。より正確にいえば、グローバルで販売している韓国車は現代グループに属するヒュンダイとキア、そしてジェネシスがほぼすべてのため、現代グループの存在感が増しています。
韓国車の躍進の背景には、世界的に見て日本車と同様に低価格かつ高品質であることに加え、欧州自動車メーカーなどで活躍した一流のデザイナーをヘッドハンティングするなど、デザイン面での成長が後押ししているといわれ加えて巧みなマーケティング戦略によって、2010年頃から世界中で販売台数を伸ばしています。
今回は、世界で高評価な韓国車を5台紹介します。
●ヒュンダイ「ソナタ」
北米市場でもっとも人気のあるセグメントのひとつがミドルサイズセダンです。日系メーカーではトヨタ「カムリ」やホンダ「アコード」、日産「ティアナ」などの主力モデルがしのぎを削っていますが、ソナタはこのセグメントにおいて対抗馬となりつつあります。
ソナタにはガソリンエンジンモデルに加え、ハイブリッドモデルもラインナップされるなど、明らかに日本車を意識した販売戦略が採用されているのが特徴です。
しかし、現行のソナタの最大の魅力は、とくにリア部分のデザインです。北米では、日本と異なり頭から駐車することが多いため、リアのデザインは非常に重要な要素となります。
ソナタは、流れるようなボディラインが特徴のファストバックスタイルが近未来感を演出していますが、加えてリアに水平に入ったテールランプがリアビューを引き締めています。
ソナタは競合車と同様、約250万円ほどから購入が可能です。販売店の数などから、販売台数だけ見れば日系メーカーにはまだまだ及びませんが、個性的なクルマを求める層には、日本車以上に魅力的に映ることでしょう。
●ヒュンダイ「ヴェロスター」
ヒュンダイが2011年から展開する「ヴェロスター」は人気の高い1台です。「2+1+1ドア」と表現される独特の2ドアハッチバックボディは、既存のコンパクトハッチバックとも異なる目新しさから、登場してまもなく話題となりました。
2018年にフルモデルチェンジした現行モデルでは、149馬力を発揮する2リッターNAエンジンモデルに加え、1.4リッター、1.6リッター、2リッターの3種類のターボエンジンモデルがラインナップされており、そのすべてに6速MTが選択可能です。
もっともスポーティな2リッターターボエンジンモデルでは最高出力275馬力となっており、ホットハッチとして十分なパフォーマンスを備えています。
北米市場では、欧州市場などと異なり、これまでコンパクトハッチバックはそれほど人気のあるセグメントではありませんでした。しかし、ヴェロスターはそんな北米市場でもそのスタイリングが支持を集めているようです。
韓国車は北米市場のみならず、世界中の市場へと販路を広げています。現在、小型SUVが世界的に人気となっていますが、ヒュンダイも当然そのセグメントへと参入しました。
■SUVブームやEVトレンドを捉えたモデルも存在!
●ヒュンダイ「コナ」
2017年に登場したコナは、兄弟車であるキア「ストニック」とともに、世界各国で販売されることになります。全長4165mm×全幅1800mm×全高1565mmというコンパクトボディでありながら、ワイド&ローを強調したスタイリングが、先進的かつスポーティであるとして、非常に評価の高いモデルです。
また、コナにEVバージョンであるコナ エレクトリックも設定されており、韓国や欧州、そして北米などで展開されています。先進安全装備やコネクティビティ関連装備も積極的に導入されているモデルであり、ヒュンダイの将来を担う中核的な存在でもあります。
コナのスタイリングや先進性が評価され、2019年には北米カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しています。
●ヒュンダイ「ヴェニュー」
2019年4月のニューヨークモーターショーでは、新型SUVのヴェニューが世界初公開されました。コナよりひと回り小さいヴェニューは、およそ180万円からという価格で販売されています。
北米市場はもちろん、新興国市場、とくにインドをターゲットに開発されており、コンパクトながらも十分な居住性能に加え、カーナビゲーションシステムを使用しない地域へも配慮し、Apple CarPlayやAndroid Autoなど、スマートフォンとのコネクティビティ関連装備も搭載されています。
●ヒュンダイ「ネクソ(FCV)」
ヒュンダイにはネクソという燃料電池車(FCV)も存在します。現在、FCVを市販しているのはヒュンダイに加えて、トヨタとホンダなどごくわずかです。
トヨタ「ミライ」やホンダ「クラリティ フューエル セル」が、未来感を積極的にアピールしたデザインであるのに対し、ネクソは一見すると普通のSUVのようです。
しかし、ミライやクラリティ フューエル セルと遜色ない500km以上の最大航続距離を有しているなど、その性能は折り紙付きです。
FCVの普及には水素ステーションの整備が必要不可欠であり、ネクソが販売されているのは現在では韓国と米国の一部のみとなっています。しかし、将来的にFCVが普及する頃には、トヨタやホンダの強力なライバルとなっていることでしょう。
※ ※ ※
歴史的な背景などもあり、日本市場で韓国車が勢力を増すことは難しいかもしれません。しかし、世界各地では韓国車は存在感を増しており、すでに多くの市場で日本車と競合しています。
日本ではなかなか触れる機会のない韓国車ですが、海外に行くことがあれば韓国車のようすを少し気にして見てみると、新しい発見があるかもしれません。
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