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魅力的なV8ツインターボの味わい ポルシェ・パナメーラ GTSへ試乗 でも何かが不足?

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魅力的なV8ツインターボの味わい ポルシェ・パナメーラ GTSへ試乗 でも何かが不足?

GTSは純粋に運転体験を追求した仕様

ポルシェは、パナメーラ GTSを純粋に運転体験を追求した仕様だと説明する。911のGTSなど以上に、特別なポジションにあるという。確かに、ハイブリッド・システムを搭載しない、V8エンジンを積んだパナメーラはこれが唯一だ。

【画像】魅力的なV8ツインターボ ポルシェ・パナメーラ GTS 競合モデル 電動のタイカンも 全175枚

強力で高速な、パナメーラ・ターボ E-ハイブリッドとの価格差は小さい。ハイブリッドだからエネルギー効率は良く、より魅力的に見えてしまうかもしれないが、GTSは同社の主張通りの強みを宿すといえる。

サスペンションは、アダプティブダンパーとエアスプリングという構成。車高は通常のパナメーラより10mm低く、専用チューニングが与えられている。アンチロールバーの硬さは2倍。パワーステアリングも、独自の特性が与えられている。

パナメーラ GTSは四輪駆動。リアデフには、トルクベクタリング機能が実装される。アクティブ・スポーツエグゾーストも専用設計。カーボンセラミック・ブレーキとアクティブ後輪操舵システムは、オプション設定だ。

スタイリングは、スポーツデザイン・ボディキットで差別化。ブラックのトリムとエンブレムで、各部が引き締められる。アルミホイールは、鍛造で21インチのセンターロック。ちょっと違うポルシェだと、足もとから主張する。

インテリアは、スポーツシートとひと回り小径なGTステアリングホイールを獲得。スウェード調のレーステックス・クロスで仕立てられる。

魅力的なV8ツインターボの味わい

4.0L V8ツインターボエンジンの最高出力は、501ps。最大トルクは67.2kg-m。これで充分だと感じるかどうかは、スーパーサルーンの進化に対する受け止め方次第だろう。

メルセデス・ベンツAMG GT 4ドアクーペやBMW M5などは、遥かにパワフルだが、電動化技術が載り車重は遥かに重い。筆者は、これまでの体験を鑑みると、GTSの仕様に肯定的ではある。

ただしドライバーズカーとして突き詰めるなら、車重が2065kgもある四輪駆動の大きなポルシェが、最適解とはいえないかもしれない。同時に、現在の上級スーパーサルーン市場で、純粋主義者の嗜好へ最も近いといえることも事実。それが2024年だ。

ステアリングホイールを握り、アクセルペダルを蹴飛ばせば、パナメーラ GTSは間違いなく速い。ターボS E-ハイブリッドのように、登り勾配のきつい坂や、ヘアピンカーブからの加速で、背中がシートへ押し付けられることはないとしても。

気持ちよく吹け上がる、V8ツインターボの味わいは魅力的。専用のエグゾーストシステムのおかげで、ボリュームが大きいだけでなく、響きは遥かにリアルだ。

車内に仕込まれたコンピューターとスピーカーではなく、実際にエンジンやテールパイプから、壮大なサウンドが放たれる。比べるなら、BMW M5より聴き応えがある。

素晴らしいシャシーバランス でも何かが足りない

特に、3000rpmからの迫力は素晴らしい。シフトパドルを弾き、8速デュアルクラッチATの最適なギアを選択し、集中してパワーを引き出すというプロセスが、運転体験の訴求力を高める。より走りへ集中できる。

身のこなしはフラットで、ステアリングの反応は正確。全長が5mを超えるモデルとしては、パワーオン時のシャシーバランスも素晴らしい。実際、ターボ E-ハイブリッドより軽いから、慣性からの束縛も小さい。重さと大きさを、完全に忘れる訳ではないが。

ただし、筆者は何かが足りないように思った。恐らくそれは、高度なポルシェ・カイエンに搭載されているような、特別なフロントアクスルかもしれない。ターンインを一層鋭くし、印象的な動的特性を生み出す技術だ。

それが備わらないため、動的な差別化が限定的に感じるのではないだろうか。走りに強いこだわりを持つドライバーを、強く誘引できるほどの魅力を宿しているのか、疑問が残ることは否めない。

GTSは、それ以外のパナメーラよりベターではある。V8エンジンはソウルフルで、走りへフォーカスしている。だが複数設定されたグレードの中で、ターボS E-ハイブリッドを超えたベスト、とまではいえないだろう。

ポルシェ・パナメーラ GTS(欧州仕様)のスペック

英国価格:12万7304ポンド(約2470万円)
全長:5052mm
全幅:1937mm
全高:1432mm
最高速度:302km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:7.9-8.3km/L
CO2排出量:274-288g/km
車両重量:2065kg
パワートレイン:V型8気筒3996cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:501ps/6500rpm
最大トルク:67.2kg-m/2100-4000rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

1件
  • *****
    最近のデブって丸を基調としたデザインのポルシェに全く魅力を感じませんなぁ〜
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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