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おかしくも素晴らしきマイクロカーの世界(2)

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おかしくも素晴らしきマイクロカーの世界(2)

JARCリトルホース(1953年)

マイクロカーの世界は信じられないほど複雑で、プロジェクトはしょっちゅう担い手が替わる。英国のJARCが開発したリトルホースは、1954年にアストラへ売却される。その後はギルがゲッタバウトとして生産。また、オーストラリアのライトバーンがゼータと銘打ち、1966年まで製造していた。

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アストラ・ユーティリティ(1955年)

先に紹介したJARCリトルホースの、アストラ版に当たるのがこのクルマ。当時のオートカーに掲載された広告を見るに、全長は2896mm、全幅と全高は1346mm。322ccの2気筒は15psを発生し、最高速度は93km/hに達したというが、この小さいクルマでそれを出すのはちょっと怖い気もする。

ロドリー(1954年)

1954年当時、威勢のいい若者が街へナンパに繰り出そうというのにピッタリだったのがこのクルマだ。ロドリーに乗っていれば、きっと幸運を手にできただろう。このスタイリング、人気者になれること請け合いだ。1954~1956年に生産されたロドリーは、マイクロカーには珍しいスティールボディ。比較的大きな750ccエンジンを持つが、これはオーバーヒートや出火をしがちだった。初デートがいろいろな意味で思い出深いものになったことだろう。

クラインシュニットガーF125(1950年)

公道走行用のまっとうなクルマというより、遊園地の電動カートあたりのようにちっぽけなクラインシュニットガーF125。解体した航空機のパネルを素材に用い、車両重量は150kgほどだとか。エンジンは2ストロークの125cc単気筒だ。

オッパーマン・ユニカー(1958年)

英国のオッパーマンはトラクターを製造していたが、1950年代半ばにマイクロカー史上への参入を決定。その処女作が、グラスファイバー・ボディに328ccの2気筒を積んだユニカーだ。コストを抑えるべく、左右の後輪を近付けてデフを省略している。生産台数はおよそ200台だった。

オッパーマン・スターリング(1959年)

オッパーマンが上級移行を期して、1958年に企画したのがスターリングだ。しかし、翌年にはBMCがミニを発表し、マイクロカー市場を一掃してしまうタイミング。このプランが成功するはずもなく、スターリングの生産は2台でストップ。現存が確認されているのは1台のみだ。

ロヴィンD3(1948年)

フランスのマイクロカーメーカーであるロヴィンは、まず1946年に260ccユニットを積むD1を発表。翌年にはD2,、そしてまた次の年には、423ccの水平対向2気筒を積むD3をリリースした。D3は1950年までにおよそ800台を生産し、後継モデルのD4へとバトンタッチする。諸事情により、D3は2シーターと宣伝されたが、イラストには3名の乗員が確認できる。まだ、安全性などの認識が確立されていなかった時代を感じさせる。

パワードライブ(1955年)

このイラストを見るに、まるで1959年式キャデラックのようなボディサイズを想像してしまうが、実際には2743mmで、しかも3ホイーラー。たしかに、多くのマイクロカーよりは大柄だが、エンジンはアンザーニの2ストローク322ccに過ぎない。

モシェCM-125リュクス(1951年)

フランス人のジョルジュ・モシェが、ミニマリズムの熱心な信奉者だったことをうかがわせるのが、彼が手掛けたこのCM-125リュクスだ。エンジンは125cc単気筒で、出力は3.5ps。極めてベーシックなクルマだが、非常に安価だったこともあり、1250台ほどが製造された。

モシェCM 125 Y(1954年)

初期のマイクロカーで成功したモシェは、上級移行を期し、1954年にCM 125 Yを発売。クローズドボディに、5psに強化した125ccエンジンを積んだそれは、1958年までに1100台以上が生産された。

グラース・ゴッゴモビル(1955年)

数あるマイクロカーのブランドの中でも、その名をよく知られたうちのひとつがゴッゴモビル。そのルックスもなかなか魅力的で、20万台以上を販売するに至った、まさに小さな巨人だ。エンジンは当初250ccだったが、後に300ccと400ccを設定。セダンモデルは、英国ではリージェントと銘打って販売された。

ゴッゴモビル・クーペ(1957年)

セダンの成功の勢いに乗って、ハンス・グラースはセダンのプラットフォームとメカニズムを流用して、よりスポーティなモデルを仕立てた。それが、英国ではメイフェアと呼ばれたクーペだ。エンジンにより、TS250/TS300/TS400のタイプが設定された。

ゴッゴモビル・ダート(1959年)

オーストラリアでグラースのディストリビューターを務めていたビル・バックルは、クーペやそのカブリオレ版よりさらにスポーティなモデルの需要を見込み、それを狙ったモデルを製作。セダンのプラットフォームをベースに、300ccと400ccのエンジンを積んだロードスタータイプのそれは、ゴッゴモビル・ダートと名付けられる。1959~1961年の間に、およそ700台が生産された。

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