アレックス・パロウはチップ・ガナッシ・レーシングとともに5年で3度の王者を獲得しているが、彼はインディ500での勝利がなければ経歴は未完成だと感じているようだ。
パロウは2019年にNAKAJIMA RACINGからスーパーフォーミュラに参戦し、チャンピオン争いを演じた。最終的にランキングは3位となったが、翌2020年からインディカーに挑戦。さらに大きく飛躍した。
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デイル・コイン・レーシングwithチーム・ゴウからの参戦となったデビューイヤーでは、3戦目のロード・アメリカで3位表彰台を獲得。この年の表彰台獲得は結局これが最後となったが、そのポテンシャルに注目が集まり、翌年は名門チップ・ガナッシ・レーシングに移籍。移籍1戦目のバーバーで優勝するとシーズン3勝、インディ500で2位となり初チャンピオンに輝いた。
さらにパロウは、2023年に3連勝を含む5勝、その他表彰台5度の成績で2冠目。2024年は3勝ながら2位3回で連覇を果たした。しかしながら、伝統のインディ500では前述の通り2位がベストリザルトとなっている。
「インディ500に勝たなければ、素晴らしいインディカードライバーにはなれないのは確かだ」とパロウはmotorsport.comに語った。
「複数回タイトルを勝ち取るのは本当に大変なことだ。なぜなら、それは自分だけに依存するものではないからだ。でもチームと一度それ(インディ500)に勝つことはやらなければならないことだ」
「来年やその次の年にやらなければならないわけではない。挑戦する時間はたくさんあるからね」
パロウはまだオーバルでの優勝経験もないが、2021年のインディ500では2番目に多い35周のラップリードを記録。2023年にはポールポジションも獲得しており、5度のインディ500のうち4度で首位走行を経験しており、合計119周のラップリードを記録している。
ただパロウは、チームメイトのスコット・ディクソンが長年にわたって好調を維持しながらもいかに苦境に立たされてきたかを目の当たりにしてきたため、これも当然のことだと考えている。
シリーズチャンピオンに6度輝いたディクソンのインディ500での戦績は、2008年の優勝が22戦中唯一の勝利であり、これまでに3回の準優勝、5回のポールポジション、677周のリード(歴代最多)を記録している。
「ディクソンが1度しか勝っていないなんて厳しいけど、そういうものさ」
「彼は最高のインディカードライバーだし、過去を含めてもベストのひとりだろう。僕もいつか勝てるといいね。でもそうだね、インディ500に勝つまでは仕事をコンプリートしたとは思わない」
まだ27歳のパロウ。わずか5シーズンで3度の王者獲得という偉業を達成したが、今後のキャリアでその天井がどこまで高くなるかは考えていないという。
「1回優勝するのは本当に大変なことだと思う。2勝するのはもっと難しい。2回優勝するのはもっと難しいし、3回優勝するのはもっと難しい。回を重ねるごとに難しくなると思う。たとえ6回まであと半分のように見えても、僕たちは長い長い道のりを歩んでいるんだ」
「(ディクソンの記録まで)半分だけど、それは僕がやってきたことの100%だよ。どこが限界なのかはわからない。このチームと、彼らが積み上げてきたもの、そして僕が積み上げたいと思っているものがあれば、勝ち続けることができるし、優勝争いだってできると確信している」
「そうだね、8回勝ちたいけど僕は来年に集中している。僕は8回勝とうとしているわけでもないし、それが僕の目標というわけでもない」
来季、パロウは2009年から11年にかけてダリオ・フランキッティが達成した3連覇に並びたいと語った。
「来年はインディ500とチャンピオンを獲って、ダリオと並んで『おい、俺もやったぜ』って感じたいね。それが次の目標だ。ダリオをからかうことができるようになること、それ以外のことは考えていない」
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