世界ラリー選手権(WRC)は、2025年シーズンから最高峰クラスRally1車両のハイブリッドシステムを廃止する予定だ。
Rally1車両におけるハイブリッドパワーの未来は、2022年に現行レギュレーションが導入されて以降、コストの面で度々議論の的となってきた。標準システムを独占供給するコンパクト・ダイナミクス社のユーザーガイドがシーズン半ばに変更されたことで、論争が再燃していた。
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そして先月のセントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)に先立ち、Rally1に車両おけるハイブリッドパワーの未来がFIAの電子投票にかけられた。motorsport.comの調べでは、WRC委員会でこの問題が議論され、来年からRally1車両のハイブリッドシステムを廃止する方向で合意したようだ。
しかしハイブリッドシステム廃止の決定はFIAによる正式承認を受けておらず、次回の世界モータースポーツ評議会で受理されるモノと考えられる。
Rally1車両のハイブリッドユニット搭載をめぐるUターンは、今年で2度目だ。
2月にはFIAが「ラリーの将来的な方向性を評価し、提言する」ために結成されたワーキンググループが、2025年に向けた変更の一環としてハイブリッドシステムの廃止を提案した。
しかしWRC参戦チームがこの変更に反発し、FIAが踵を返す形で、現行Rally1レギュレーションは2025年、2026年まで据え置きということになった。
ただ9月のアクロポリス・ラリーギリシャでコンパクト・ダイナミクス社の安全ガイドラインが導入されたことで、ハイブリッドシステムの未来が再び脚光を浴びることとなった。
新しいガイドラインでは、130kWのハイブリッドユニットが15G以上のショックエラーを3回、もしくは25G以上のショックエラーを1回起こした場合、分解してサプライヤーに送り返し、数ヵ月を要する全面的な修理が必要になると記されている。以前は、これらのユニットをラリー中に現場でリセットすることができた。
チームは、この変更によってハイブリッドユニットの修理コストが大幅に上昇すると考えており、M-スポーツ・フォードは、もはや財政的にWRC参戦継続が不可能だと主張していた。
「何が何でも撤去しろという要求じゃない。M-スポーツとして、経済的な値段で修理し、走らせることができないということだ」
CERでM-スポーツのリチャード・ミレナー代表はmotorsport.comにそう語った。
「そのためには数百万ユーロの追加費用が必要で、我々が対処できるモノではない」
CERではトヨタとヒョンデの首脳陣も、ハイブリッドシステムを廃止することで現在のWRC最高峰クラスのレベルが今後も保たれるのであれば、それを支持することを認めていた。
「我々はWRCからハイブリッドを排除するよう積極的に要求することはない。とはいえ、WRCは小さなコミュニティであり、小さなコミュニティであればあるほど、互いに助け合う必要がある」
ヒョンデのシリル・アビテブール代表はそう語った。
「だからイベント参加者と競技者を保証するために講じなければならない措置があるのであれば、我々はそれを受け入れるつもりだ」
トヨタのヤリ-マティ・ラトバラ代表も次のように語った。
「パフォーマンス的にも、それがなくてもクルマはかなり良い。しかし、チームにとって厳しくなりすぎてはいけないし、もしチームがユニット不足でWRCに出られなくなるようなリスクがあるなど、あってはならないことだ」
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みんなのコメント
新規参入を妨げた上に資金に余裕あるチームだけのレースになった。
結果的に2チームだけで争うシラけたレースになってファンも遠退いてしまった。