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一般人に「ベンツ」を浸透させた立役者! バブル期に旋風を巻き起こした「W124」とは

掲載 更新 18
一般人に「ベンツ」を浸透させた立役者! バブル期に旋風を巻き起こした「W124」とは

日本で名実ともに「輸入車No.1」となっている「メルセデス・ベンツ」

 2021年のブランド別輸入車新規登録台数の1位はメルセデス・ベンツ(5万1722台)だった。2位のBMW(3万5905台)、3位のVW(3万5215台)を押しのけてのこと、しかも7年連続の首位。数ある輸入ブランドのなかでも、メルセデス・ベンツの日本市場での人気がいかに高いかがわかる。

横の窓に! ドラミラーに! ヘッドライトに! 斬新すぎる変わり種ワイパーの世界

 先ごろ、本社では社名を「ダイムラー」から「メルセデス・ベンツグループ」に変更する発表があったばかりだ。日本法人はもともと(2007年からは)「メルセデス・ベンツ日本」としていたから、わかりやすくなったといえばそうかもしれない。日本では「ベンツ」で広まったのは確かだが、イーグルスの大ヒット曲「ホテル・カリフォルニア」の歌詞に出てくるのは「Mercedes-Benz」だったし、最新のメルセデス・ベンツのインフォテイメントシステム「MBUX」は、音声認識キーワードアクティベーションがオンになっていれば「ハロー、メルセデス!」と声をかけることで反応してくれる。

バブル前後の日本で売れまくった「W124」

 ところでディーラーのショールームに並ぶ最新のメルセデス・ベンツはどれもステキなクルマばかりだが、ちょっと古めの、最近では「ネオクラシック」、「ヤングタイマー」などとして括られる1980~1990年代(もちろんそれ以前の60~70年代も!)のクルマには、チャーミングな名車が揃っていた。

「W124」(と「W201」)はその筆頭だ。W124の先代にあたるのは「W123」で、その前は、最初に「コンパクト」と呼ばれた縦目の「W114」。W123も同様に「Sクラス」に対してコンパクトと呼ばれたモデルで、初代Sクラス(W116)と同世代のクルマだった。

 そしてW124は、日本市場へは1986年から導入が始まった。その前年の1985年にメルセデス・ベンツ初の5ナンバーモデルだった「190」シリーズ(W201)が投入されており、新世代のメルセデス・ベンツ(「W126」型Sクラスの日本市場導入は1981年のこと)として、飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を博した。

「ミディアム」から「Eクラス」に改名

 190シリーズがあったことから、このW124は当初は「ミディアム」の名で呼ばれ、とても個人的な印象でいうと、中庸のいかにも気勢を張らないこの呼び名に好感を抱いていた。だが、1993年のマイナーチェンジを機に「Eクラス」とややビジネスライクなアルファベット表記のモデル名が与えられるように。

 さらに1994年からからはメルセデス・ベンツのモデル名表記の変更に則り、モデル名の「E」を頭に置き、それに続けて排気量を示す3桁の数字、さらにボディバリエーションという表記に。たとえばエステートワゴンだったら、それまでは「300TE」と表記されていたのが、「E280ステーションワゴン」といった具合に。

「ミディアム」と言えなくなった時と同様、記号めいていたところがよかったTEが単にステーションワゴンかぁ、普通だよなぁ……などと思ったものである(あくまで個人の感想です)。

無駄な要素は一切ない質実剛健なエクステリア

 クルマとしては、今のようにLEDのシグネチャーランプのデザインに凝る……といった時代ではなかったから、まるごと質実剛健なクルマだった。外観にしてもメッキのパーツはフロントグリルとスリーポインテッドスターのオーナメント、グレードを表わすバッジ程度。驚くほど簡素なくらいだった。が、「最善か無か」のメルセデス・ベンツのフィロソフィに基づいて形のあるものにはすべて理由、機能があった。

 有名なところでは凹凸を設けて、一面に汚れを付きにくくすることで視認性を確保したテールランプレンズ、左右非対称で最適な視野を確保したドアミラー、ウインドウシールドの86%を払拭するように独特の動きをする1本ワイパーなどがそう。

上質な作りこみが光るインテリア

 インテリアでは運転席からスイッチ操作で倒せる後席ヘッドレストや、操作性のいいダイヤル式空調スイッチ、「イス型」のパワーシートスイッチなど。またシートには体温による湿気を効果的に吸収する発泡パッドを内蔵したシートクッションを採用。座ると座面が体重に応じてたわみながら身体を支えてくれて、このころのメルセデス・ベンツのシートの座り心地がよかった……そう思う人は少なくないはずだ。

 サスペンションはフロントがストラット、リヤがマルチリンク。アンチノーズダイブ、アンチスクォットジオメトリーの採用で、ストローク感のある、独特のフラットライドを実現していた。

ポルシェが開発に関わったスーパーサルーン「500E」

 そしてボディタイプが豊富に用意されていたのも特徴だった。基本のセダン(W124)をはじめ、ステーションワゴン(S124)、クーペ(C124)そしてカブリオレ(A124)があった。ステーションワゴンはサードシートを備え、クーペは今ではかえって新鮮だが、セダンと同じデザインのフロントグリルを備えていた。

 それともう1台、「高性能スポーツカーの走りと高級サルーンの快適さを両立」させたのが「500E」だった。開発・生産にポルシェが関わったというこのモデルは、4973ccのV8・DOHC 32バルブエンジンを搭載。吸気側にバリアブル・バルブタイミング機構などを採用し、最高出力325ps/5600rpm、最大トルク49.0kg・m/3900rpmを発揮した。V8エンジン搭載のためにフロントフェンダーがさり気なく拡幅された、通が思いを寄せるモデルだった。

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みんなのコメント

18件
  • カタログの写真撮って使い果たされた文章コピペして一本いくらもらえるんだろう?
  • 80年代から90年代半ばのベンツといえば、高いけどめちゃくちゃいい輸入車の代名詞でした。今でも当時のイメージが色濃く残っているので、現行のワイドになりすぎたラインアップを目にすると、果たしてこれがいいのか悪いのか複雑な気持ちにさせられます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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