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レッドブル&HRC密着:トラックリミット違反が相次ぐなかでポール獲得。“可能な範囲でタイムを出す”ことに集中

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レッドブル&HRC密着:トラックリミット違反が相次ぐなかでポール獲得。“可能な範囲でタイムを出す”ことに集中

 ドライバーズ選手権3連覇に王手を賭けてカタール入りしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、グランプリ開幕前日の会見でこう語っていた。

「今週末はスプリント・フォーマットとなるため、練習走行の時間はわずか1時間しかない。それを終えて、2時間半後の予選でコースインした後は、パルクフェルメコンディションとなり、セッティングを変えることができないため、リスクを負ったセットアップで予選を走り、土曜日のスプリントと日曜日のレースを戦わなければならないだろう」

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 これはフェルスタッペンだけでなく、チームメイトのセルジオ・ペレスにも言えることで、もちろん、ほかのドライバー全員も条件は同様だ。

 しかも、ナイトレースのカタールGPは、フリー走行が薄暮の時間に行われ、予選が夜となるため、路面の温度が通常よりも大きく異なる。この日もフリー走行では41度あった路面温度も予選までに6度下がって35度となっていた。

 さらにカタールは夏には最高で50度まで上がることも珍しくない乾燥地帯で、降水量が少なく、国土の大部分が砂地や砂漠のため、時間が経つと路面がすぐに砂埃に覆われるという特徴がある。

 フェルスタッペンもカタールGPの難しさをこう語っていた。

「フリー走行でクルマのフィーリングが素晴らしいものであればラッキーだけど、コンディションが異なる予選で必ずしも同じようにクルマが調子がいいとは限らないんだ」

 フェルスタッペンが言うように、金曜日の予選では多くのドライバーが路面の変化に対応しきれず、トラックリミット違反を科せられ、自己ベストタイムを抹消されていた。

 そんななかでもフェルスタッペンがポールポジションを手にすることができたのは、1回目のアタックで100%のアタックではなく、可能な範囲でまずはタイムを出すことに集中していたからだ。

 Q3の1セット目のタイヤでのアタックで、ただひとり1分23秒台となる1分23秒778を記録し、2番以下にコンマ5秒の差をつけた時点で、カタールGPの予選の戦いはほとんど終わっていた。なぜなら、最後のアタックは100%の走りに徹しなければならないのだが、カタールGPの舞台であるロサイル・インターナショナル・サーキットではミスへつながりやすいからだった。

 フェルスタッペンも最後のアタックで自身の暫定ポールポジションタイムを更新するため、100%の走りをトライした。しかし、4コーナーでコースをはみ出し、アタックを完了せずにピットインした。

「最後のアタックでは、ターン4で前のアタックより速いスピードで通過するようプッシュした。そうしたら、スナップ(オーバーステア)したのでアタックをやめた。別に大きな問題ではない」

 前戦日本GPでは最後のアタックで100%の走りでポールポジションを獲得したフェルスタッペン。今回はリスクマネージメントを考え、100%の走りでなくともポールポジションを手にするという聡明な走りで、ドライバーズ選手権3連覇を賭けた土曜日のスプリントに臨む。

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