GTLMクラスのシボレー・コルベットをドライブするアントニオ・ガルシアとジョーダン・テイラーは、7月4日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行なわれたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦で、IMSAにおけるコルベット・レーシングの記念すべき100勝目を挙げるとともに、今季新型マシンとなったコルベットC8.Rの初勝利をマークした。
アメリカ独立記念日にデイトナで再開されたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権。GTLMクラスでは、激しい争いが展開された。
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予選でフロントロウを独占したコルベット陣営は、2ストップへとレース戦略を変更。これにより、3号車のガルシアとテイラーは燃費走行を強いられることとなった。
後半スティントを担当したガルシアは、アール・バンバーの駆る912号車のポルシェ911 RSRを残り40分足らずのところでパスしてクラストップを奪い、一度もイエローコーションが出なかったデイトナの2時間40分レースを制した。
「とっても大変だったよ」とガルシア。
「僕はアンダーグリーンでのピット作業からコールドタイヤでコースに飛び出したけど、トラックポジションをキープすることができず、トミー(・ミルナー/コルベット4号車)とアール(・バンバー)には、すぐに抜かれてしまった」
「ミシュランタイヤの温度を上げるのにかなり苦労したんだ。でも、いったんそれをキープできると『この先の3台のペースはどうなるんだろう』と考え始めた」
「その後、『このままいけば彼らを捉えられるかもしれない』と感じ始めたんだけど、そのときの僕らの燃費は非常にいい値を指していたんだ」
「3人のエンジニアをはじめ僕らのスタッフの誰もが、とても早い段階から、2ストップの実現可能ラインにどれだけ近づけているか、そしてどれくらい早いタイミングで燃費作戦を採るべきかを把握し、注意深くデータを見ていたんだ」
「これが完璧に機能したね。スタート担当のジョーダンも、本当にいい仕事をしてくれた。彼は多くの燃料を節約してくれたし、僕もまた燃費をセーブすることができた」
ライバルである2台のBMW M8 GTE、そしてポルシェの911号車は3ストップ戦略を採っていた。2ストップだったのはコルベットの2台と、ポルシェの912号車である。
戦略の違いにより多くのマシンが入れ替わりでクラストップを走ることとなり、すべてのマシンが最終ピットストップを終えてようやく状況が明らかになってきた。
「僕はかなりの燃料を節約していた。僕らは当初ポルシェの戦略が分からず、912号車が2ストップを実行できるのかどうかも、911号車と争っていたのかも把握できなかった」とガルシアは語った。
「912号車が同じタイミングで(2回目の)ピットに飛び込んだのを見て、『彼らと僕らの争いなんだ』と気づいたよ」
「最終スティントの前半は、タイヤの状態がよいタイミングがあったので、それをうまく使って912号車をパスし、その後はトラフィックをうまく切り抜けた」
■新型コロナウイルスによる“5カ月間の空白”がコルベットC8.Rに好結果を呼ぶ
一方、フルタイムのコルベット・ドライバーとして初勝利を収めたテイラーは、雨上がりのチャレンジングなコンディションのなかでレースをスタートした。
「始まる前から戦略をじっくりと考えれば、燃費レースになることは分かっていた。イエローも出なかったし、今回はミスをおかさずに確実に任務を遂行することが求められるレースだったね。最初から燃料を節約する必要があったんだ」
「今日は完璧な一日となった。C8.Rでの最初の勝利を獲得できたし、それがコルベットにとっての100勝目にもなったんだからね。アントニオとの最初の勝利になったのも嬉しいよ」
1月のデイトナにおいてデビューしたC8.Rだが、テイラーによればレース再開までに要した5カ月という時間が、この“ミッドシップ”コルベットの開発を助けたという。
「(3月の)セブリングでレースができていたら、もっと多くのことを得られただろう」とテイラー。
「でも僕らは、昨年11月にここで2日間のテストを行ない、年明けに3日間テストし、そして24時間レースも走った。だから、分析すべき情報とデータをたくさん得られていたんだ」
「自粛期間の後半にはシミュレーターが使えるようなった。僕らはそこでデータを活用し、いろんなことを試せたんだ」
「ここで勝てたことで、1月のデイトナ24時間レースのときと比べてどれくらい強くなったかを示せたし、この間にチームと開発陣が重ねてきた努力も実った」
「残りのシーズンに向けて、とてもよい兆候を感じているよ」
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