旬なクルマの情報を網羅した「モーターファン別冊 統括シリーズ」。今回は「Vol.106 2018-2019年国産&輸入SUVのすべて」から「ボルボ・V40クロスカントリー」を抜粋してご紹介。レポート=佐野弘宗[本文]/山本晋也[写真解説] フォト=中野幸次
腰高感のないフラットな走り 2.0ℓターボは4WDのみ
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新型XC40が登場するまでのボルボの末っ子SUVといえば、このクルマだった。V40クロスカントリー(以下CC)は、ご覧のとおり、ハッチバックであるV40のボディ各部にいくばくかのSUV風加飾を追加して、車高をリフトアップしたナンチャッテ系クロスオーバーだ。
兄貴分のV60CCの成り立ちも基本的には同様だが、V60CCがサスアームまで変更して地上高をベース比で65mmも拡大しているのに対して、こっちはベース比10mm増……と、良くも悪くも兄貴分より手軽でカジュアルな仕立てである。
エンジンラインナップの基本もV40同様で、1.5ℓターボの「T3」、2.0ℓディーゼルターボの「D4」系、2.0ℓターボの「T5」系の3機種だが、V40にある低出力版の「T2」系は用意されず、さらに最上級「T5」系が4WD(V40はFF)になる点がCC独自の部分。
乗り味は良い意味でV40と大差ない。本格的な走破性や見晴らしが期待できない分、リフトアップ車特有の腰高感も皆無。同時に立体駐車場を使えるのが都会ではメリットだ。2.0ℓターボはFFのV40だと持て余す場面もあるが、4WDのV40CCならシャシーファスター。不整路のみならずドライ舗装路でも普通のV40より速かったりする。
CCを含むV40系は今のボルボでは数少ない旧世代設計車でもある。ただ、2016年に大規模なマイナーチェンジを受けたことからも想像できるように、もうしばらくは現行型が現役続行するらしい。
前席は左右ともに電動調整機能を持ち、調整範囲は広めでドライビングポジションを合わせやすい。後席の開口部がタイトなのは気になるが、乗り込んでしまえば膝まわりのスペースには十分に余裕がある。最上級グレードにはレザーシートが標準装備だ。
D4 Summum
全長×全幅×全高(mm):4370×1800×1470
ホイールベース(mm):2645
トレッド(mm) 前/後:1550/1540
車両重量(kg):1560
エンジン種類:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量(cc):1968
最高出力(kW[㎰]/rpm):140[190]/4250
最大トルク(Nm[kgm]/rpm):400[40.8]/1750-2500
燃料タンク容量(ℓ):62(軽油)
トランスミッション形式:8速AT
駆動方式:FF
タイヤ・サイズ:225/50R17
最小回転半径(m):5.4
JC08モード燃費(km/ℓ):21.2
車両本体価格:454万円
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