2024年F1第22戦ラスベガスGPで5位に入賞し、今シーズンのドライバーズ選手権を制したオラクル・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン。今シーズンは予想もしていなかった苦しい戦いを強いられたが、そのような状況においてフェルスタッペンは自身やチームが団結した戦うことの重要さを学んだとチャンピオンシップを振り返った。
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フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)
──マックス、あなたにとって、今シーズンの最もよかった時期と苦しかった時期はいつでしたか?
マックス・フェルスタッペン(以下、フェルスタッペン):シーズン序盤は競争力があり、レースで優勝できていたので、その時期が最もよかったと思う。 苦しかったのは、中盤にペースがなくなり、表彰台にさえ上がれない時期があったときかな。昨年あれほど結果を残せたのに、時にはかなりフラストレーションを溜まめたこともある。もちろん、昨年快進撃を続けていたときでさえ、『もう、こんな年は二度とないだろう』と覚悟はしていた。でも、ここまで苦しむとは想像していなかった。ある時期には、本当にマシンが運転しにくくなってしまったんだ。
でも、そんなときこそ、モチベーションを維持して、何が起こっているのか理解しようとする気持ちが重要だ。なぜなら、そこで諦めてしまったら、チャンピオンシップも諦めることになるからだ。だから、どんなに苦しいときでも常に最大限の結果を残すことを心がけた。 ある意味、あの時期がチーム一丸となって戦っていたいたように思う。
そして、このラスベガスGPだ。おそらく20年後、僕が引退したとき、5位でチェッカーフラッグを受けたこのラスベガスGPを、僕のベストレースの10傑に誰も選ばないと思う。でも、僕にとってはタイトルを勝ち取ったこのレースは特別なものだ。なぜなら、このラスベガスGPは今シーズンを象徴するようなレースだったからだ。初日はかなり苦しんだけど、なんとか立て直し、できる限りのことをして、目標を達成させたからだ。かなり厳しい時期もあったけれど、自分自身やチームが、団結することの重要さを学んだ。それはこのチームの一員として、非常に誇らしいことなんだ。
──過去の3度のタイトルと比較して、今回のタイトルはあなたにとってどんな価値がありますか?
フェルスタッペン:タイトルというのは、それぞれまったく異なる。ただ、最初のタイトル獲得時の感情を超えることは決してないと思う。なぜなら、それを成し遂げることが夢だったからだ。2度目の2022年や昨年は、まったく異なるシーズンだった。いずれもすごいシーズンで、とてもエキサイティングだった。それでこの4回目は正直に言うと、チェッカーフラッグを受けたときは、ただただホッとした。終わったんだ、という感じだった。厳しいレースが続いたからね。ブラジルで雨が降ってくれて本当によかった。
──F1での最多はミハエル・シューマッハーとルイス・ハミルトンの7回です。彼らを上回り8回を獲得することは考えていますか?
フェルスタッペン:それは僕が目指していることではない。もちろん、結果的にそうなればいいけど、僕はすでにこの4回をとても誇りに思っている。つまり、本当の価値は回数ではないんだ。僕はいつも、コクピットに座ったら、全力を尽くすことしか考えていない。この数年でドライバーとしても成長したし、最速のクルマでなくとも勝てるほど、総合的な能力も上がってきたと思う。来年、僕たちのクルマの競争力がどの程度かは、現時点ではまったく未知数だ。
でも、僕はこのチームが決して諦めないということを知っている。非常に有能な人材がたくさんいるし、彼らと一緒に仕事をするのは本当に楽しい。彼らにとっても厳しい状況であることはわかっている。今年はチームに大きなプレッシャーがかかっていた。昨年のようなシーズンを終えると、基本的にあらゆる記録を塗り替えたのに、ある時点で、何が起こっているのか、何が間違っているのか、本当に理解できなくなる。冷静さを保ち、それを修正することが重要だ。チームの誰もが、それぞれ独自の感情を抱えている。ある意味、これは人材管理でもある。なぜなら、いい結果や悪い結果に対して、誰もが少しずつ異なる反応を示すからだ。
しかし、これもまた僕にとっては楽しみだ。なぜなら、誰もが独自の個性を持っている一方で、僕たちはみんな、同じ最終目標に向かって一緒に働かなければならないからだ。僕は、みんなが少し迷いながらも、非常に厳しいシーズンを団結して戦ったことをとても誇りに思っている。ターニングポイントは、モンツァだったと思う。あそこで自分たちの問題を本当に理解したうえでオースティンに行ったとき、すでにパフォーマンスの向上が見られ、来年に向けて多くのアイデアが浮かんだ。今年中に変更できなかった部分もあるので、それは来年の課題だ。もちろん、ライバルたちもじっとしているわけではないので、来年は大きな挑戦になる。でも前に言ったように、たとえ最速でなくても、結果を最大限に高めていけば、多くのことが可能になる。でもいまは、まだこの瞬間をしばらくみんなと楽しみたいと思っている。
──これから、どのように祝う予定ですか?
フェルスタッペン:(記者会見場に持ってきた)ビールが切れてしまったので、とりあえず、もう1本飲むかな。その後は、何か別のものに変えるかもしれないね。今日はもう運転する必要はないからね。飲んだら運転するなというスローガンは、忘れていないからね(笑)。
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