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WEC富士で怒涛の追い上げ見せたバトン、レースに手応え「一時的にでもトヨタについていけた」

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WEC富士で怒涛の追い上げ見せたバトン、レースに手応え「一時的にでもトヨタについていけた」

 WEC富士6時間レースを4位で終えたSMPレーシングの11号車。ドライバーのひとりであるジェンソン・バトンは、終盤の追い上げを含めてレースを楽しんだと語り、トヨタ勢のペースについていくことができた時間帯もあったと振り返った。


 11号車のスタートドライバーを務めたバトンは、序盤からレベリオン勢とバトルを展開。僚友の17号車がタイヤ脱落で後退する中、トヨタ8号車に次ぐ2番手を走行した。

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 小雨が断続的に降る中でも徐々に路面は乾いていき、インターミディエイトやドライタイヤに履き替えるチームも出てくるが、バトンはステイアウト。前を走っていたトヨタの8号車がピットに入ったことで、ラップリードも経験した。


 ウエットタイヤのまま順調に走行を重ねていたバトンだったが、他クラス車両のクラッシュにより出場したセーフティカーで後続との差が縮まる結果に。セーフティカー解除後にピットインしタイヤを履き替えたが、一度抜いたはずのレベリオンの1号車に先行されてしまった。

「素晴らしいバトルもあったし、レースの序盤はとても楽しかった。僕たちはウエットタイヤからドライタイヤへと、適切なタイヤ選択をしていたと思う」

 そう彼はレースを振り返った。

「僕たちは8周に渡ってラップリードした。それは素晴らしかったけど、セーフティカーの出動が僕たちに不利に働いて、レベリオンに先行されてしまった」

 ウエットコンディションではレベリオンに対して優勢だったSMPレーシングだが、ドライコンディションとなった後、11号車は1号車からじりじりと離されてしまった。

 ウエットではSMPレーシングの方がレベリオンより速かったのかと訊かれると、彼は「ああ、そうだ」と答えた。

「なぜかは分からないけど、彼ら(レベリオン)は温度に苦労していた。僕は左フロントタイヤの温度に苦しんでいたし、何らかの理由でブレーキディスクも本当に冷えてしまっていた。でも彼らと戦うのはとても楽しかった。僕たちはとても僅差だったし、ウエットではその近さに驚いた」

 レベリオンに離されてしまった理由としては、なぜかレベリオンの方が給油作業が早く終わっていたことが原因のひとつだとバトンは考えている。

「ああ、そう思う。僕たちは15秒遅れだった。でもなぜかは分からないけど、彼らは給油の時に僕たちより5、6秒早かった。本来は同じはずなのに……」

 レース後半、レベリオンの1号車と同ラップで3番手を伺っていた11号車だが、オルタネーターにトラブルが発生しガレージへ。素早い作業で修復が行われたものの、1号車と比べて8周遅れとなってしまった。

 それでも、コース復帰したバトンは猛プッシュ。ハイペースでバイコレス4号車を交わし、4番手でレースを終えた。なかなかトラブルフリーのレースが出来ていないSMPレーシングだが、信頼性さえ伴えば良い結果が出せるとバトンは自信を持っているようだ。

「レース中、僕たちはいくつか問題を抱えていた。バランスも悪かったし、オルタネーターが故障した。その修理のために、8周を費やしてしまった」

「驚いたことにレースに復帰することができて、4位まで挽回できた。オルタネーターを交換して、新しいタイヤを履いていた時はトヨタのすぐ後ろを15周に渡って走ることができた。彼らの近くを走れたんだ。安定してそれができるわけじゃないけど、楽しかった」

「(SMPレーシングは)どちらのマシンも、まだクリーンなレースができていないと思う。僕たちは常に信頼性の問題を抱えている。今シーズンが終わるまでに、結果を出すことが出来れば嬉しい。(次戦の上海で)ペースがあり、信頼性も問題なければ表彰台を狙うチャンスがあるだろう。レベリオンとSMPレーシングの全4台で、良いバトルができるはずだ」

 今回の富士戦を前にEoT(技術均衡値)が変更され、トヨタTS050の車両最低重量が26kg引き上げられている。またレース週末中にも、LMP1クラスのプライベーターが1周あたりに使える燃料量も増やされている。

 トヨタの2台は、3位のレベリオン1号車に対し4周差をつけてフィニッシュした。これは前戦シルバーストンと同じラップ差だが、様々な要素を考慮すると見た目以上にその差は縮まっているとバトンは考えているようだ。

「このコース(富士)は1.5km短いから、シルバーストンで考えると3周差になるだろう。レベリオンもペースを落としていたし……僕が彼ら(トヨタ)を抜いた時は、僕の方が2~3秒は速かった。トラフィックやピットストップが早いことを考えると、様々な要素があるけれど(実際は)その差は3周くらいだったと思う。ペースという意味では、彼らの方が速いけど彼らについていける時もあるということだ」

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