インテルラゴス・サーキットで開催されたF1サンパウロGPでは、メルセデス所属のルイス・ハミルトンがマクラーレン・ホンダのMP4/5Bでデモランを実施した。これについて、協力を行なったホンダがその経緯を説明した。
MP4/5Bは3度のF1世界チャンピオンであり伝説的F1ドライバーのアイルトン・セナが1990年にF1ドライバーズチャンピオンに輝いたマシン。2024年はセナがこの世を去ってから30年という節目の年であり、セナの母国サンパウロGPでは追悼イベント「SENNA SEMPRE」が実施されることとなった。
■サプライズは失敗したけど……セナに憧れたハミルトン、マクラーレン・ホンダMP4/5Bドライブに感激「これでレースに出れたらいいな笑」
ホンダはmotorsport.comの取材に対し、今年5月にサンパウロGP主催者側から協力依頼が舞い込み、マクラーレンF1との相談の結果、セナの黄金期を支えた両者で連携し、イベントに携わることとなったと説明した。
また、複数あるMP4/5Bの個体の中でも、インテルラゴスに持ち込まれたのはマクラーレン所有のモノであり、デモラン当日の現場運営もマクラーレン主導となったという。
ただホンダとしてもモータースポーツ部門ホンダ・レーシング(HRC)の本拠地HRC Sakuraからエンジンメンテナンスのためエンジニアを派遣。スペアパーツを持ち込み、必要な改修、部品交換などの対応を行ない、本番当日も現場で運営サポートも実施した。
一方で、このデモランに向けては波乱もあった。当初シークレットとされていたMP4/5B担当ドライバーがハミルトンであるということが、グランプリを前に露呈。グランプリ前の会見でも、この件に関して質問が飛んだ。
その際、ハミルトンは「ある人から連絡をもらって、マネージャーから話を聞いて、そのチャンスに飛びついた」とMP4/5Bのステアリングを握ることになったキッカケを話していた。
噂では、ハミルトンがセナに憧れていることを知ったグランプリ主催側が本人と所属チームであるメルセデスに働きかけたと言われており、ホンダ広報は「決定した経緯は聞いていない」と説明した。
とはいえ、現役F1ドライバーがグランプリ開催期間中にF1マシンを走らせるというのは稀なこと。マクラーレンやホンダ、メルセデスだけではなく、関係各所の協力によって実現した特別なイベントとなった。
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