フルモデルチェンジによって進化した新型メルセデス・ベンツ「CLA」は、内燃機関モデルも魅力だった! 海外でひと足早く試乗した小川フミオがリポートする。
新型メルセデス・ベンツCLAの特徴
1.力不足感はナシ2.4MATIC3.スタイリッシュさを強調4.先進的なインテリア1.力不足感はナシ
ドライブは、曇天のオーストリア・インスブルックを出発。いくつかの山越えをしながら、目的地のホッホグルグルを目指した。
このときは幸い、雪は止んでおり、道路も最後の区間を除くと、除雪が完了していて走りやすかった。
人がいる集落では制限速度が30km/hまでと制限されるので、アクセルペダルをほぼ踏まないと、モーターがクラッチでつながり、エンジンでない走行となる。
モーターだけの走行を、メルセデス・ベンツは「エレクトリック・セイリング」と呼ぶ。
ただしプラグインハイブリッドほどのバッテリー容量はないので、少し強めにアクセルペダルを踏み込んでみると、エンジンがすぐに始動する。
その際に振動はまったく感じられない。かすかな音と、エンジン回転計の動きで、エンジンがかかっているのが知れるぐらいだ。
さきに触れたとおり、200で130kW、220で150kWと、数値的には特筆するほどのパワーはないものの、いずれのエンジンでも力不足感はなかった。
ドライブモードはコンフォート中心で、時たま気が向けばスポーツで走った。キャラクターは期待以上に明確で、気分によって使いわければたのしいだろう。
比較的急勾配のワインディングロードを駆け上がるときでも、高速道路を走るときでも、なかなか痛快な加速が味わえた。
2.4MATIC
カタログには前輪駆動版も出ているが、乗ったモデルはともに全輪駆動の4MATIC(フォーマチック)。1985年に発表された本技術は、2025年で40周年を迎える。
CLA 4MATICは全輪駆動だが、パワートレインはフロントに1つ。後輪はプロペラシャフトを介して駆動する機械式だ。これにスタッドレスタイヤの組合せは、鬼に金棒というぐらい頼りになった。
雪がシャーベット状になっていたり凍結している路面でも、ひやりとすることは皆無。乾燥路面と同じように走行できる。
ティンメルスヨッホなるイタリア国境まで行ってはみたものの、気温零下15℃ぐらいで、かつ強風が雪を舞い上がらせており、すぐにiPhoneを握る指の感覚が麻痺してきた。“絶景かな”と楽しむ余裕はなし。
このとき、雪が積もった峠道を走っても、安心感は高かった。きつい曲率のカーブでこそ、後輪がグリップを失う場面があったが、一瞬で収まる。
アクセルペダルを踏んで4つの車輪にトルクをかけながらカーブを曲がっていくとき、ドライブしている私が望んだとおりのラインで走行できる。
こういう地で暮らしているひとには、CLAの4MATIC車は福音だろう。クルマを信頼してドライブができる。メルセデス・ベンツって、昔からそこがおおきな美点だったと再認識した。
3.スタイリッシュさを強調
CLAは、全長4723mm、全幅1855mmの車体を2790mmのホイールベースをもつシャシーに載せている。「Cクラス」が4785mmで1820mmで、ホイールベースは2865m。
車幅が2021年登場の現行Cクラスより大きいのは、最新の衝突安全性の要件をクリアするためだろう。
それでも、少しコンパクトで、スタイリッシュさを強調したCLAは、独自の魅力をもつ。フロントマスクのイメージも大きく差別化された。
やたらパワフルではないものの、気持ちよく、そして安定して走れる性能ぶりに加え、先に述べたように燃費もよく、日本でもファンが増えそうだ。
4.先進的なインテリア
新型CLAでは、車内の快適性も向上。特筆すべきは「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザーエクスペリエンス)スーパースクリーン」だ。
10.25インチのドライバーディスプレイ、14インチのセントラルディスプレイ、そして12インチのパセンジャーディスプレイの3つが1枚のガラスで覆われ、ダッシュボード全体に拡がる。
「Sクラス」や「Eクラス」でおなじみのスーパースクリーンで、機能も同様。Google Mapsを使ったナビゲーション機能をもち、ガイダンスはわかりやすかった。
ここでは40以上のアプリが搭載可能。YouTubeをはじめ、有料だがディズニープラスやSpotifyまで楽しめる。
楽しめる、というのはとくにパセンジャーシートの乗員のことだ。ドライバーの顔は車内用カメラでモニターされている。これも安全のため。
安全ロックを設定すると、ドライバーが画面をのぞきこもうとすると、ブラックアウトするようになっている。
一方、パッセンジャーはモニターでさまざまなコンテンツを視聴可能なので、いままでにないドライブ体験が堪能できるといえるかもしれない。
MBUXは基本的にメルセデス・ベンツが開発した独自のOSを使う。ここに、GoogleとMicrosoft開発のAIが組み合わされている。
「MBUXバーチャルアシスタント」と呼ぶシステムは、上記2社の技術を同時に使う。いわゆるマルチエージェント・アプローチが採られる。
会話型コマンドなどを使う際、よりよい受け答えができるほうが瞬時に選ばれる仕組みという。
外観はルーフ全長が短めに見え、クーペ的な雰囲気が感じられる。が、室内は存外余裕があり、後席も大人が快適な気分で座っていられる。
ほぼ全面ガラスのパノラミックルーフがそなわっているので、後席の乗員は、少し視線を上げると空が見え、広々とした印象を受ける。後席ならでのたのしみが用意されているのだ。
日本への導入はいまところ未定、とメルセデス・ベンツの日本法人。SUV全盛のいまだけれど、セダンはスタイリッシュでエレガント。この魅力も捨てがたい。新型CLAは、そう思えるモデルだ。
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