新型コロナウイルスの流行により世界中の主要スポーツが中断している中、アメリカのストックカーレースNASCARのシーズンが、世界の主要モータースポーツの先陣を切る形で再開した。5月17日(日)にはNASCARの最高峰カテゴリーであるNASCARカップの第5戦がサウスカロライナ州にあるダーリントン・レースウェイで行なわれ、スチュワート・ハース・レーシングのケビン・ハービックがレースを制した。
会場では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、関係者の個人用保護具の着用や、健康チェックの徹底が図られた。そしてイベントは無観客で実施され、スタンドはもぬけの殻となった。
■いよいよ復活のNASCAR……その一挙手一投足に世界の注目が集まる
今回のイベントはフリー走行も予選もカットされたため、スタート順は抽選によって決められた。その結果、チーム・ペンスキーのブラッド・ケセロウスキーがポールポジションを獲得。ポイントリーダーのハービックは6番グリッドとなった。
NASCARカップのレースは3つのステージに分けられている。レースの最終順位に応じたポイントに加え、それぞれのステージの順位に合わせたポイントが追加で与えられるようになっている。
ステージ1ではヘンドリック・モータースポーツのジミー・ジョンソンが首位を走行していたが、最終ラップで周回遅れのマシンに近付き過ぎた結果、接触。スピンしてウォールにヒットし、まさかの脱落となってしまった。これにより、ステージ1はチームメイトのウイリアム・バイロンが制した。
続くステージ2ではポールスタートのケセロウスキーがレースリーダーとなり、アレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ)を抑えてステージ2の勝者となった。3位にはトヨタ勢のマーティン・トゥーレックスJr.(ジョー・ギブス・レーシング)が入った。
ステージ2を4位で終えていたハービックは、ステージ3では安定して首位を走行。結果的に293周のレースで159周のリードラップを記録するなど、ベテランらしい落ち着いたレース運びを見せて今季初勝利を挙げた。ランキング首位をがっちりキープしたハービックは、フィニッシュ後に無観客ながらもドーナツターンを披露し、喜びを表現した。
なお、NASCARカップは20日(水)にもダーリントンでレースが行なわれ、翌週24日(日)にはノースカロライナ州のシャーロットに舞台を移して同じく2レースが開催される予定だ。
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