メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1開幕戦バーレーンGPで見事なドライビングを披露。戦前最有力候補と目されていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の猛攻を退け、勝利を手にした。
開幕戦優勝という結果を手にしたメルセデスだが、バーレーン・インターナショナル・サーキットの特性による後押しもあって好結果に繋がったのではないかとも考えており、第2戦エミリア・ロマーニャGP(イモラ)や第3戦ポルトガルGP(ポルティマオ)はよりレッドブルに適したレイアウトとなるため、苦戦することを予想している。
■レッドブルF1には戦略の柔軟性がなかった……フェルスタッペン”がっかり”も「不満を持てるのはいいこと」
メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、次のように不安を語る。
「我々には、ハイスピードコーナーで十分な強さがないと思う。そういう部分は、イモラやポルティマオにはたくさんある。これは、彼ら(レッドブル)が現時点で、我々に対してアドバンテージを持っている部分だ」
「バーレーンは特殊なサーキットだ。リヤタイヤには非常に厳しく、そして風がとても強い。時速30~40kmの風が吹くことが多い。これは、シーズン中に見られるものの中でも、最も強い風だ」
「ここが我々にとって最高のサーキットではないということを望んでいる。本当に大変なレースだったからね。最終的には、マシンはまともなモノになったと思う。しかしそこまでたどり着くのは、とても大変な仕事だった」
「テスト、そしてフリー走行を通してレッドブルを見ると、彼らのマシンは本当にうまく機能していたようだ。彼らには弱点がないように見える。今回以上に、我々に合うサーキットが今後あることを期待しているよ」
メルセデスは現時点ではレッドブルに対して遅れをとっていることを認めるものの、それでも今季のマシンW12には、その遅れを取り戻せるだけのポテンシャルがあると信じているようだ。
ショブリンは次のように続ける。
「我々は現時点では、最高のマシンを手にしているとは思わない。でも、パッケージから全てのモノを引き出せているとも思わない」
「マシンを開発していく時、パフォーマンス向上のために活用しようとするエリアはたくさんある。そのうちのいくつかは、全てを引き出せているわけではないと思う。だから我々は、今後数戦でマシンのパフォーマンスを上げるため、かなり一生懸命働くつもりだ。でも、大変だと思う」
「今後のサーキットでは、我々が正しい方向に向かうための要素があると思う。バーレーンではリヤエンドの対処に苦闘してきた。そういう部分では、今後のサーキットでは少し楽になると思う。しかし高速コーナーが我々の強みになるだろうと思うほど、考えは甘くない」
ハミルトンは、メルセデスはレッドブルに対してレースでは太刀打ちできる可能性はあるものの、予選のレッドブルは別次元だと考えている。
「ご覧の通り、レッドブルのペースは信じられないほど強いと思う」
そうハミルトンは語る。
「今のところ、予選で彼らに対峙することはできない。そうするためには、僕らは大きな大きな一歩を踏み出さないといけない。レースでは近付くことができると思ったが、それでも思ったよりも近付いたんだ」
「本題は、他のサーキットでどれだけ良くなるのか、どれだけ悪くなるのか……ということだ。それが分からない。おそらく他のサーキットでは、ここより良い所も、悪い所もあるだろう」
「とはいえ僕らは、改善するためにできる限りの努力をするつもりだ」
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