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新幹線もレースも、深掘りすると面白い! 野尻智紀&岩佐歩夢、HRC&JR西日本&京都鉄道博物館のコラボイベントに感銘「こういうのはいろんなところでできるはず」

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新幹線もレースも、深掘りすると面白い! 野尻智紀&岩佐歩夢、HRC&JR西日本&京都鉄道博物館のコラボイベントに感銘「こういうのはいろんなところでできるはず」

 京都鉄道博物館で行なわれている、新幹線をはじめとした鉄道車両とF1をはじめとしたレーシングカーのコラボレーションイベント「レーシング&レールウェイ ヒストリー」。このイベントに、TEAM MUGENからスーパーフォーミュラに参戦する野尻智紀と岩佐歩夢が登場し、11月15日と16日の2日間にわたってトークショーを行なった。

 サーキットや自動車関連のイベントでトークショーをするのは、ふたりとも手慣れたモノである。しかし鉄道系博物館でのトークショー経験は当然初めて。しかしながら、非常に有意義な機会だったと、ふたりは語る。

■中嶋悟が語るアクティブサスペンション……500系新幹線とロータス99T夢の共演「F1も電車も、“進歩させようとしている”というのがすごいこと」

「初めての経験でした。でも、鉄道車両のことを深掘りしていくと、レースとの親和性が結構ありそうだなと感じました。一見全く関係ないようにも見えますが、こういう場所で今回のようなイベントをできるということは、ずっとレースをやってきた身としては、非常に嬉しいです」

 そう語った野尻に、「500系新幹線のパンタグラフには、ショーワ(ホンダの子会社)製のダンパーが使われていたんですよ」とお知らせすると、さらに興味を持ったようだった。

「アクティブサスペンションの話(今回のイベントでは500系新幹線とロータス・ホンダ99Tが、アクティブサスペンション搭載車繋がりということで並べて展示された)は事前に伺ったんですが、そういう深掘りをしていくと、興味が湧いてきますね」

■知っている人と一緒に訪れることの大切さ

 そして自身が最近よく観戦しているというバスケットボールのことを例に、次のように語った。

「他のスポーツを観に行っても、面白さってなかなか分からないですよね。でも詳しい人と一緒に行って説明を受けると、『あ、こんなに面白いんだ』と視野が広がることがあると思います」

「僕の経験談で言えばバスケットボールです。友人がすごくバスケットボールが好きなんですが、一緒に観に行った時に細かく説明してくれて、面白いんですよ。新幹線の話も、よく知っている人と一緒に来て色々な説明を受けると、もっと知りたいなという気持ちになるんじゃないかと思います」

「レースも一緒で、詳しくない人もコミュニティに入ってきてもらえば、必ず詳しい人がどこかにいますから……その説明を受けながら、さらに面白くなっていくということはあるはずです。新幹線に対する経験もそうですが、レースについても同じことが言えるんじゃないかと思います」

 一方で岩佐は、このイベントが実現するきっかけとなった人物のひとりでもある。京都鉄道博物館のイベント担当者が、大阪・門真市で行なわれた岩佐のプロデュースイベントに訪れ、企画を談判したことから全てが始まった。

「こういうイベントを、サーキットの外で出来るということが、ひとつ大きな意味を持つと思います。野尻さんが仰ったように、深掘りしていくと、レーシングカーと新幹線には色々と繋がりがあるのがわかりました」

 そう岩佐は語る。

「僕自身も色々とお話を聞きましたし、お話していて楽しかったです。ファンの方々にとっても、新たな発見を楽しんでいただいた、そういう時間にできたのではないでしょうか」

「こういうイベントって、実はどこでもできることだと思うんですよね。もっとモータースポーツを盛り上げ、クルマを好きになってもらうためには、もっと多くの方に触れてもらう、知ってもらうという機会を多く作ることが大事だと思います」

いざスーパーフォーミュラ最終戦……岩佐「とにかく攻めの姿勢で!」

 実は岩佐は、元々電車も嫌いではない……という土壌もあったようだ。

「鉄道というか電車は、子供の頃からワクワクするモノでした。だから今回みたいにその面白さのようなモノを少しでも知った瞬間に、興味というモノは湧いてくると思います」

「もちろん内容は大事ですが、今回のようなイベントをやることに、まずは大きな意味があると思います」

 さて野尻と岩佐は、今週末に大事な戦いが控えている。スーパーフォーミュラの最終戦である。ふたりとも、逆転でのチャンピオン獲得の可能性を残して最終戦に臨む……その意気込みも聞いてみた。

「攻めるというところは、歩夢と一緒だと思います。今年はまだ1勝もできていないので、週末3戦の中でまず1勝するという覚悟で臨むしかないと思っています」

 野尻はそう語る。

「チームタイトルという面でも、自分がしっかりと結果を残すことが大事だと思います。ただドライバーズチャンピオンの争いでは、僕よりも歩夢の方がリードしている状態。有力候補のひとりとして戦っているわけです」

「場合によっては、自分が譲って、彼を優先させるような状況もあると思います。そういう覚悟も、当然できています」

「僕は全ての覚悟を持って、戦う準備ができていると思います」

 一方でランキング2番手の岩佐は、次のように意気込んだ。

「今はライバルを追う立場なので、とにかく予選、決勝……それを本当に獲りにいかなければいけません。やりすぎはダメですが、ただ守ればいいというわけではありません。とにかく今まで通り、最大限を出し切る戦い方をしたいなと思います」

「とにかく攻めの姿勢で、3戦全部勝って、チャンピオンを獲りにいきたいと思います」

 そして岩佐には前述の通り、野尻という超強力なサポートもあるかもしれない。

「昨年は獲り逃してしまったので、チームチャンピオンを獲るのは重要です。自分としても、昨年取り逃してしまったことについては、心に残っています」

「もちろん、自分のタイトルを狙いにいきますが、その結果チャンピオンを獲ることに近付くこともできると思うんで、そこを狙っていきたいと思います」

文:motorsport.com 日本版 田中 健一
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