世界の名所を、クルマ好き男子がひとりで訪ね歩く旅。ちょっとマニアな視点で名所を切り取り、いつもの旅にクルマのエッセンスを加えたい人へ向けてレポート。第14回は、マセラティが産声を上げた街、ボローニャの歩き方をご紹介。
NISHIYAMAマセラティが生まれた場所、ボローニャイタリアの観光都市と聞いてすぐに思い浮かぶのは、ローマ、ベニス、フィレンツェ、ミラノ……あたりだろう。実際にイタリアの観光ガイドは、ほとんどこうした観光都市にページが割かれ、ここで紹介するボローニャは、申し訳程度に数ページしか紹介されていない。
しかし、イタリアのクルマが好きなマニアにとっては、一度は訪れてみたい街である。その理由は、マセラティが創業をはじめた場所であるからだ。
マセラティのエンブレムは、ネプチューン(ポセイドン)が手にするトライデント(三叉槍)をかたどったもの。ボローニャの中心にあるマッジョーレ広場にあるネプチューン像が右手に持っているトライデントが、マセラティのエンブレムのモチーフになっている。
アルフィエーリ・マセラティとその兄弟が、ボローニャで自動車工房を開いたのが1914年。1926年には独自にレーシングカー「ティーポ26」を製作し、タルガ・フルーリオでアルフィエーリがドライバーとして参戦し、優勝を果たした。
このとき、ティーポ26のグリルに、トライデントのバッジが付けられることになる。デザインしたのは、マセラティ兄弟の中で芸術家となっていたマリオであった。
マセラティの工房は、いまも当時の建物が残っており、マッジョーレ広場から直線距離にして400m少しのデ・ペーポリ通りにある。人通りもさほど多くなく、現在は抜け道として使われるようなひっそりとした通りだ。2014年のマセラティ創業100周年の際に、建物の壁にマセラティ創業の地を示すプレートが設置されたので、すぐにわかるだろう。
NISHIYAMAマッジョーレ広場は、ランボルギーニの聖地でもあるローニャを訪れた人が必ず立ち寄るのが、マッジョーレ広場だ。ネプチューンの噴水も有名だが、サン・ペトローニオ聖堂やエンツォ王宮など、中世やルネサンス期の建造物に囲まれた広場は、迷路のように小径が入り組んだボローニャの街中にあって、突然現れる開放的な空間だ。マッジョーレ広場の隣には、小さいながらも魚介やハム、チーズといった食品の市場があり、観光客だけでなく、市民の憩いの場ともなっている。
ボローニャはエミリア ロマーニャの州都であり、スーパーカーメーカーが林立するモデナに近いということもあって、クルマ関連のイベントが開催されることがよくある。その際に会場となるのが、マッジョーレ広場だ。
ランボルギーニの40周年、50周年のオフィシャルイベントでは、マッジョーレ広場がランボルギーニで埋め尽くされた。マッジョーレ広場の隣にある商業施設やアックルシオ宮殿のオープンスペースなどに最新モデルが飾られ、街のあちこちにはイベントのポスターが貼り出されるなど、ボローニャあげてのイベントは盛り上がっていた。イタリアでは、クルマが文化として根付いていることが、こうしたことからも窺い知ることができる。
マッジョーレ広場のエンツォ王宮の1階には、観光案内所があり、モデナ近辺の自動車産業を知ることができる。ランボルギーニやフェラーリ、ドゥカティなどのオフィシャルグッズもここで購入できる。
ランボルギーニついでに、ボローニャのマニアな楽しみ方をひとつご紹介しよう。
最近、かつてのスーパーカーのカタログやオフィシャルフォトの撮影地を訪ねる旅が、一部マニアの間で静かなブームだが、ボローニャの街角もそうしたカタログのロケ地として使われている。
たとえば、ランボルギーニ製SUVとして注目を集めたウルスの登場で、にわかに注目を集めたLM002のロケ地が、ボローニャ駅近くのモンタニョーラ公園の噴水前である。カタログの裏表紙の街角で撮られた写真も、きっとボローニャの街角であろう。興味ある人は、ぜひ、この街角の場所を探し出してみてはいかがだろうか。
誰でも楽しめるボローニャの醍醐味はポルティコにありボローニャは、散歩の楽しい街でもある。早朝や夕暮れ時の散歩は、迷路を探検するようで、ワクワクするものだ。
その理由としてボローニャの城壁内の旧市街地は、マッジョーレ広場を中心に半径1.5km以内におさまっているので、あてもなく歩いても、迷子になる心配がないという安心感がある。
さらに、最大の理由は、たいていの建物の1階部が「ポルティコ」とよばれる柱廊アーケードになっていることだ。柱廊の柱は建物によって形状が異なり、路面の仕上げもさまざま。散歩していると、目の前の風景があざやかに変化し、まるで回廊のパッチワークのようで飽きがこないのだ。
ボローニャのおよそ8割以上の建物にポルティコが設けられているが、それには歴史的な理由がある。12世紀ごろ人口増加に伴い、既存の建物の2階部を張り出すことで建物の延床面積を増やしたのである。さらに増築した階下部分、つまりポルティコの回廊部分は公道とみなされ、増築した部分は非課税であった。
ポルティコが美しいのは、1567年の「ポルティコ条例」制定の影響だ。この条例では、家主は木製の柱を石柱にするように決められ、壁や天井を美しく装飾しなければならなかった。また、通行人の妨げになるものをポルティコに置いてはいけないことにもなっている。だから歩きやすく、目を楽しませてくれるのだ。
そうしたこともあり、目的も定めないままとにかく散歩していて偶然出会ったのが、ボローニャの中心地で唯一現存しているレノ運河だ。
このレノ運河の水力が、12世紀から製粉や製材に使われ、14世紀には運河の水力を使った全自動・連続稼働紡績機がつくられたことで、ボローニャはシルク紡績で栄えることとなる。この紡績機の1/2スケールの可動モデルは、ボローニャ産業遺産博物館で見学可能だ。
いまは面影しか残っていないレノ運河、実はポー川とつながっており、ヴェネツィアや地中海とも水運でボローニャを結んでいた。ボローニャの中心マッジョーレ広場にネプチューン像が建立されているのも、納得である。
文・尾崎春雪 編集・iconic
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