■なぜ減らない? 海外では「白タク」や「ぼったくりタクシー」に注意
海外旅行時に、目的地にピンポイントで連れて行ってくれるタクシーは海外旅行者にとって心強い存在です。近年は「UBER」を始めとする配車アプリも急速に普及し、タクシーを捕まえる手間もずいぶん減りました。
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しかし依然として減らないのが、認可外営業を行う「白タク」や過剰な料金を請求する「ぼったくりタクシー」です。最新のぼったくりタクシーの手口と、怪しいタクシーの見分け方を紹介します。
※記事中の写真はすべてイメージです。
1.ぼったくりで悪名高い上海で偽アプリ画面に騙された
近年、週末弾丸旅行の行き先として人気の上海は、ぼったくりタクシーが多く出没することで有名な場所でもあります。
筆者が2年前に訪れた時はまだタクシーの配車アプリもあまり普及しておらず、メーターが作動しているタクシーも少なかったため、乗る時に運転手と料金を交渉する形で利用するのが標準的な使い方でした。
しかし、それからわずか2年の間にタクシーアプリが普及し、以前よりは健全な運営がされている印象を受けます。ところが、早くもアプリを悪用したぼったくりが横行している模様です。
筆者が被害にあったのは、上海の繁華街に停まっていたタクシーに乗った時。乗る前に行き先を告げると、料金は178元(約2800円)といわれました。
来た時に乗ったタクシーは80元だったので「ずいぶん高い」と思って迷っていると、運転手がすかさずスマートフォンのアプリ画面を見せてきました。
そこには行先までのルートと渋滞情報、所要時間と概算の料金が「178元」と表示されており、「すごく渋滞しているから」と運転手はいうのです。まあ、アプリで表示されているのなら間違いないだろうと思って仕方なく乗ることにしました。
しかし間もなくして、メーターにカバーが掛けられていて作動していないことや、タクシー運転手の認定証がないことなど、怪しい雰囲気に気づきます。これは白タクだと気づいて、最寄りの駅で降ろしてもらうことにしました。
2.上海空港ではいかにも正規タクシーのふりをして近づいて来た
上海空港に着いてタクシー乗り場に向かおうとしていたときのこと。空港職員風の制服を着た女性が近づいてきて、胸についている名札を見せながら「タクシーならこちらへどうぞ」というのです。
何の疑いもなしに歩き始めましたが、向かっているのが通常とは違う場所のようでしたので「白タクでは?」と思い直し、断ろうとしました。すると「空港のタクシーは1時間も待つ。私たちのタクシーならすぐ出られる」というのです。
ますます怪しくなったので、振り切って正規のタクシー乗り場に向かうと、そこは混雑などまったくなく、乗り場には「待ち時間1分」の文字が点灯していました。
筆者はこれまで釜山(韓国)やスペイン、タイなどで白タクに遭遇した経験がありますが、怪しいと思ったら絶対に乗らないことです。また空港職員風の制服や名札もよく確認しましょう。
■わたしたちにできることは? 自衛策を紹介
3.「世界最高のタクシー乗車システム」のはずが水増し請求された
香港は、1997年に英国から中国へ返還された後もクルマは右ハンドル&左側通行のままなので日本車が大変多く、赤・緑・青の3色(行先別に色が違う)に分かれたおなじみの「香港タクシー」も、9割方はトヨタ「クラウンコンフォート」が使われています。
2018年の秋頃からは、トヨタ「ジャパンタクシー」(香港では新型コンフォートと呼ばれている)も導入され、観光客からはおおむね好評とのことです。
香港タクシーは、空港から乗るときに行き先を乗り場のスタッフに告げると、その場で概算の料金(橋の通行料なども入った値段)が印刷された紙を渡されるシステムで、スタッフから「この紙は絶対にドライバーに渡したらダメ」といわれます。
昨年香港を訪れた際に初めて知って、画期的なシステムだと思ったのですが。
今回も乗る前にその紙をスタッフから受け取りました。そしてタクシーに乗ってすぐ、ドライバーが「行先を確認したいから紙を見せて」といったので、行先の確認だと思い見せようとしたら、さっと取り上げられてしまいました。
このときに「ヤバいかも」と思ったのですが、案の定、降りるときにそれまで220ドルだったメーターの数字が一気に320ドルになりました。「橋の通行料が加算されている」というのですが、通常は通行料込みで270ドル前後のはずです。
「さっき渡した紙を返して」というと「何のこと? そんなのもらってない」と、とぼけられました。金額にしてみればわずか700円程度ではありますが、香港のタクシーは素晴らしいと信じていたので、ショックが大きかったです。
4.ぼったくり被害に遭わないために
海外に住んでいる筆者の友人や筆者自身の体験から、ぼったくりタクシーの被害に遭わないためのポイントをご紹介しておきます。
その1:メーターが正しく作動しているか? (新聞や雑誌で隠している場合もあるので要注意)
その2:タクシードライバーの認定証があるか?
その3:タクシー会社の名前と電話番号がボディに明記されているか? 書かれていれば安心度が高い
その4:最初に目的地までの料金を確認する。タクシーが複数台いる場合は、何台か聞いてみるのもひとつの手
その5:客引きをしているタクシーはまず白タクだと思って間違いないので、乗らないこと
おすすめは、タクシーの配車アプリを使うことです。システム上で一番安心できるのはUBERで、UBERが展開されていない中国では「滴滴出行」がおすすめです。英語と中国語が自動翻訳されて、トラブル時に警察に通報できるボタンもアプリについています。
日本ではまだ、UBERはもちろん、タクシー会社のアプリでさえもあまり使いやすいとはいえませんが、海外ではクレジットカード引き落としが可能で、翻訳機能や防犯体制が充実したアプリも増えてきています。
少額であったとしても、ぼったくり被害はとても悲しい気分になります。まずは被害に遭わないための自衛策を講じておきましょう。
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