MotoGPの最高峰クラス6度王者であるマルク・マルケスが加入したことで、2024年のグレシーニは独立系チームながらファクトリーチームにも負けない注目の存在となった。
そして彼らのSNSはかなりユニークな投稿を行なっている。ライダーを主役に映画のポスターをパロディした画像が、しばしば投稿されているのだ。
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『シャイニング』『オデッセイ』『ゴッドファーザー』『トゥルーマン・ショー』など、多くの有名な映画を翻案した画像を目にしたことのあるファンも多いはずだ。
こうしたグレシーニのSNS戦略を推し進めているのが、広報担当のクリスチャン・マッサだ。彼はマルク・マルケスの加入という大きな出来事をきっかけに、このアイデアを思いついたと語っている。
motorsport.comの姉妹媒体であるMotorsport-Total.comのインタビューで、マッサは一連のPRについて次のように説明した。
「昨年の終盤、マルクのことを聞いた時にこのアイデアを思いついたんだ。グレシーニは確かに大きなチームだが、それでも独立系のファクトリーではないチームだ。だからマルクのようなライダーがうちのチームにいるのは、慣れないことだった」
「それで、私はアグレッシブな戦略を採ることに決めたんだ」
「私は映画が大好きで、情熱を注いでいる。そういう意味では、楽しかったかもしれない」
「最初は、特にレースもテストも無かった(2023年の)11月から、チーム発表や最初のテストまで、“期待感を高める”ことだけを考えていた」
「そして、どの映画にも必ず何か面白いモノや、繋がりを作るためにいいものがあると気がついたんだ。ノートを取り出して『よし、アッセンの前はこれ、ザクセンリンクの前はこれ……』と考え始めて、そして1時間後にはグランプリ毎の映画(のネタ)が出来上がっていた」
またマッサはいくつかの”マイルストーン”に備えてのアイデアもあったと明かしている。そしてマッサの考えた映画ネタは、映像の専門家とグラフィックデザイナーの手によって、実現されることになった。
「彼らはとても優秀で、私の思いついたどのアイデアも喜んで形にしてくれる。映画のポスターでマルクの顔をどう見せたいかも決まっているんだけど、彼らはそれをこなしてくれるし、フォントもこんな感じにしてくれるんだ」
一連の映画ポスター風の画像はかなり好評を受けていて、コメントも数多く付けられている。今のところそのほとんどが既に思いついていたもので、ファンからのアイデアを採用したことは無いというものの、マッサは今後ファンのアイデアを使わせて貰う可能性はあると語っていた。
そしてマッサはこれらの映画ポスター風の画像を編集し、実本形式になる可能性も否定しなかった。
「素晴らしいだろうね。実際、今年の終わりには何かやってほしいと頼まれているんだ」
「毎年、シーズンの終わりに年鑑のようなものを作っているけれど、今年はその中にポスターが載ることになるんじゃないかな」
今年、グレシーニはマルク・マルケスの活躍もあり、2023年のカタールGP以来となる勝利を達成できる可能性もある。
マッサはそれに対する映画ポスター風画像の準備は、既にできていると明かした。
「そのための準備はもうやっていて、公開準備はOKだ。実際、開幕戦からその準備はしてあった。ウチは開幕戦で勝ったこともあるからね」
一方で、マルク・マルケスは2024年の1年限りでグレシーニを去り、来年はドゥカティのファクトリーチームへと移る。ただマッサはまだマルク・マルケスとの別れに向けた準備はしていないと語った。
「正直に言って、まだお別れについては考えていないんだ。今シーズンはまだ折り返しを迎えたところだし、どんな風な結末を迎えるのかは分かっていない。全力で戦っていくけど、別れは悲しいものか、とても良い形のものになるか、あるいはその両方なのかもしれない」
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