少ないプラットフォームで幅広いモデルを
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
メルセデス・ベンツは、プラットフォームやパワートレインの選択肢だけでなく、モデル・ラインナップも大胆に削減する計画を明らかにした。モデルの複雑さを解消し、高収益体制を整えるのが狙いだろう。
メルセデス・ベンツの研究開発部門を率いるマルクス・シェーファーによれば、この決定は自動車のEV化に焦点を合わせた結果だという。コンポーネントの単一化だけでなく、モデル自体の簡素化も含まれているそうだ。
「わたしたちは、かなりの車種の純EVを発表しています。それと同時にモデルラインナップの見直しを進めます。ここ数年の成長によって、複雑さも増しました。現在のラインナップを再確認する機会です」
現在45種類のモデルが存在しているが、具体的にどの程度まで数を絞るのかは明言を避けた。だがシェーファーは、独自のプラットフォームを持つ、GクラスやSL、AMG GT、Sクラスなどを具体的に例に挙げた。
「現在、多くの単一モデル用のプラットフォームがあります。これを減らすことが目的です。将来的には、いくつかのプラットフォームで幅広いモデルを持つようになるでしょう。その結果は、かなり近い未来に目にできるはずです」
需要がある限りV8やV12エンジンは消滅しない
AMG製のV8エンジンなど、従来的なパワートレインの将来についてもこう話している。「ユーザーの需要がある限り、V8エンジンやV12エンジンを消滅させることはありません」
一方で、迫っている新環境規制のユーロ7に伴い、残す価値のあるパワートレインはどれか、自動車メーカーは選択に迫られていることも認めた。「おそらく、(パワートレインの)種類は減るでしょう」
「もちろん、直列4気筒エンジンは、V型12気筒エンジンより意味のあるユニットです。まずはユーロ7の条件を満たす。そこから先へ進むことになります」
メルセデス・ベンツは、2.0Lエンジンをベースに4種類のバリエーションを持たせている。4気筒と6気筒、ガソリンとディーゼルが選べる。
シェーファーは次のようにまとめた。「この4種類のエンジン・ファミリーは、市場の変化にすぐに対応できるユニットです。様々な要求や既成に対応させるため、数年前にこの保身的な構成を計画したのです」
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