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突然の“ル・マン出場制限”に戸惑うメルセデスAMG首脳。AsLMS制覇なら「矛盾が生じる」と指摘

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突然の“ル・マン出場制限”に戸惑うメルセデスAMG首脳。AsLMS制覇なら「矛盾が生じる」と指摘

 メルセデスAMGのカスタマー・レーシングの責任者を務めるステファン・ウェンドルによれば、オーガナイザーによる『ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズとル・マン24時間レースにおいて、GT3カテゴリーへの参戦ブランドをWEC世界耐久選手権へのエントリーが認められたブランドに限定する』という決定は、メルセデスAMGにとって「驚きだった」という。

■「ACOとコミュニケーションを続けている」

WECに参戦しないGT3メーカーのル・マン出場は不可。LMGT3は残り2枠を4社が争う状況か

 この決定は11月はじめ、ル・マン24時間のオーガナイザーでありWECの共同プロモーターでもあるACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長が明らかにしたもの。来季からWECおよびELMSのGTカテゴリーはGT3車両によって争われるが、ELMSとル・マンにはWECが選出したマニュファクチャラーのみ出場資格を与えられる方向となった。つまり、メルセデスAMGをはじめ、2024年の世界選手権のグリッドにつく可能性が低いブランドは、ELMSやル・マン24時間からも排除されることになる。

 フィヨンはこの発言の際、同カテゴリーにおけるバランス・オブ・パフォーマンス(BoP:性能調整)システムを理由として挙げており、ACOとFIAがル・マンのためだけに新たな変数を導入したくないことを示唆していた。

「それは驚きだった」とウェンドルは語った。

「一方で、BoP上の理由から、他のイベントやチャンピオンシップに参加しないというのは、そのオーガナイザーおよび競技全体のためであり、それが誰であれ、ひとつのイベントだけに参加する別のブランドを持つのは良くないということは充分に理解している。それは機能しないだろうし、これについては完全に受け入れられることだ」

「だが、もしWECへのエントリーを受け取らなかった場合に、ELMSのような(WECとオーガナイザーをともにする)構造化されたレースにも参加してはいけないことは、我々にとって新しい決定だった。我々はAsLMS(アジアン・ル・マン・シリーズ)に数台のマシンで参加している」

「これは現在進行中の案件だ。我々は引き続きACOとのコミュニケーションを続けており、今後数年間の出場資格を取得し、ACOのレースへの参加に熱心なカスタマーのために、別のプラットフォームを提供できるよう努めている」

■2025年からのグリッド拡大に“光”あり?

 ウェンドルはまた、2023/24年のアジアン・ル・マン・シリーズでGTクラスのタイトルを獲得すると、2024年のル・マン24時間レースに自動的に招待されるシステムについて指摘し、AsLMSにはメルセデスAMGのカスタマーチームであるゲットスピード・パフォーマンス、クラフト・バンブー・レーシング、トリプルエイトJMR、チーム・モトパークが参加することになると述べた。

 メルセデスAMGがWECへのエントリーを認められなかった場合、これらのチームがAsLMSを制しても、ル・マンではメルセデスAMG GT3 Evoを走らせることはできなくなる。

「AsLMSに参加しているチームはすべて、ル・マンの出場権を獲得すること目指している」とウェンドル。

「そして、彼らがメルセデスAMGを使用できない場合、矛盾が生じることになる」

 ウェンドルは、メルセデスAMGがWECに出場できる可能性は低いと見積もっている。LMGT3でのGT3マニュファクチャラーは9社に限定されると考えられており、“優先枠”を保持するハイパーカープログラムを持つメーカー以外としては、アストンマーティン、フォード、マクラーレンが含まれる可能性が高い。

「レロ(ラファエル・マルチェッロ。プロトタイプレース参加を目指し、2023年限りでメルセデスAMGを離脱)が抱えていたのと同様の制限が、我々のブランドが最高レベルの競争でF1に参戦しているにもかかわらず、これまでのところLMDhやLMH(ル・マン・ハイパーカー)を持っていないという点で、我々を打ち砕いているのだ」とウェンドルは言う。

「これにより、我々はACOのレースシリーズに参加することができない」

「これは残念だ。我々は、カスタマーが参加できるプラットフォームがあると考えていたし、そこに参戦して他のすべてのメーカーと競争したいと考えていた」

 WECは2024年の37台というグリッド数から、2025年には増やすことを目標としているため、ウェンドルは、現在の時代で最も成功しているGT3メーカーのひとつが、さらなる検討をされることを期待していると語った。

「これは2024年には機能しないだろうが、我々は次の年に向けて話し合いを行っている」とウェンドルは語った。

「彼らには(2024年に)それができない理由があるのは確かだ。これは、我々が彼らと交渉する必要のある案件だ」

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みんなのコメント

5件
  • go_********
    ルマンは、意地悪だからね~
    でも、その前から言われてたんだから、仕方ないと思います。
  • パワーゲーム
    遥か以前にも
    知名度のあるルマンにだけスペシャルマシンで参戦して
    最高のPRにしようとするメーカーがいて
    シリーズ戦全体を盛り上げようとする機運を削いでいたから
    排除されていた時代があったなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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