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14時間30分の中断を挟み、“スプリントレース”となった2021年のニュル24時間。マンタイのポルシェが制する

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14時間30分の中断を挟み、“スプリントレース”となった2021年のニュル24時間。マンタイのポルシェが制する

 6月6日、第49回ADAC・トタル24時間レース(ニュルブルクリンク24時間耐久レース)は、現地時間15時30分にチェッカーを迎えた。濃霧による視界不良のため、14時間30分に及ぶレース中断を挟み、スプリントの様相をみせる中、2年ぶりの参戦となったマンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 R(マッテオ・カイロリ/ミカエル・クリステンセン/エストーレ/ラース・カーン組)が総合優勝を手にした。

 気温18度、フォーメーションラップ時からところにより雨粒が落ちるという曇り空のもと、15時30分にスタートした2021年のニュルブルクリンク24時間は、ポールポジションスタートのローヴェ・レーシングの1号車BMW M6 GT3(ニッキー・キャッツバーグ/ジョン・エドワーズ/フィリップ・エング/ニック・イェロリー組)がホールショットを守る。

霧により13時間の中断となった2021年ニュル24時間。日本時間17時40分からのレース再開へ

 一方、3番グリッドスタートのメルセデスAMG・チームHRTの4号車メルセデスAMG GT3(アダム・クリストドウロウ/マーロ・エンゲル/マヌエル・メツガー/ルカ・シュトルツ)が、2番グリッドスタートのコンラッド・モータースポーツの19号車ランボルギーニ・ウラカン GT3を1コーナーでパスすると、ノルドシュライフェで1号車BMWをかわし、4号車AMGが首位に浮上する。4号車のスタートを担当したルカ・ストルツは、2番手1号車BMWに対し7.3秒のギャップを築き、1周を終えた。

 全長25km近いニュルブルクリンクでは激しい雨が降る場所、ドライの場所とコース内でもコンディションが分かれたこと、そして各車のスタートタイヤの違いもあり、序盤から接触が相次いで見られた。さらに、レース開始から15分のところではSP7クラスに参戦する69号車ポルシェが炎上するなどで、序盤から60km制限エリアが多発する展開に。

 難しいコンディションの中、11番グリッドからスタートしたマンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rは序盤からハイペースで飛ばし、次々と順位を上げる。4周目には4号車AMGの背後2番手にまでポジションを上げると、バックストレートでポルシェ911 GT3 Rの直線の速さを活かして首位に浮上する。

 レース開始から40分とまだまだ序盤の中、ノルドシュライフェの前半区間にある高速左コーナー“アーレムベルグ”周辺の雨足が強まり、コースアウトやガードレールへのヒットなどが相次いだ。一時はアーレムベルグ周辺で3台が立ち往生する場面もあり、この様子を見て5周目の終わりには、続々とレインタイヤに交換するチームも。SP9のトップ3もここでピットに入り、タイヤをレインに交換。ピットでは最低ストップ時間の規定もあるため、順位変動はなかったが、ここから4号車AMGと首位911号車ポルシェは抜きつ抜かれつの戦いを続けていく。

 レースも4分の1が経過する頃には雨足は収まるも、レース序盤からところどころで見られた濃い霧は依然としてニュルブルクリンクを包み込んだままであった。夜も本格的になりつつある21時30分(日本時間で6日の4時30分)に、霧による視界不良を理由に赤旗が提示され、レースは中断となってしまう。

 夜が明けてからもニュルブルクリンクを包み込むような濃い霧は晴れず、幾度となくレース再開予定は延長を重ねた。結局、レースが再開されたのは赤旗掲示から14時間半が経過しようかという18時59分。残り時間3時間30分弱ということで、レースはスプリントの様相を見せることに。

 赤旗掲示時点でトップにいた2020年覇者、ローヴェ・レーシングの1号車BMW M6 GT3とメルセデスAMG・チームHRTの4号車メルセデスAMG GT3、そしてマンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rという序盤から好走を見せたマシンが、リスタート後も激しい上位争いを展開する。

 徐々に霧も晴れようかというところで、首位争いの一角、チームHRTの4号車メルセデスAMG GT3がクラッシュ。さらに、1号車BMWも42周目にマシントラブルにより、ガレージにマシンを納めてしまう。これで、予選トップ3が軒並み優勝争いから戦線離脱となった。

 2台にかわり、序盤から手堅いレース運びを見せる911号車ポルシェを追うのは、ローヴェ・レーシングのもう1台、25番グリッドスタートから着々と順位を上げた98号車BMW M6 GT3(コナー・デ・フィリッピ/マーティン・トムチェク/シェルドン・ファン・デル・リンデ/マルコ・ヴィットマン)となった。

 終盤、ピット戦略の違いから、一時見た目上の順位を下げていた911号車ポルシェだったが、最後のピットを終えた時点で2番手につける98号車BMWに15秒近いギャップを守ってトップをキープ。98号車のチェッカードライバーであるシェルドン・ファン・デル・リンデも懸命なアタックで911号車ポルシェを追うも、ポジションアップとはならず。

 現地時間15時30分(日本時間22時30分)にチェッカーが振られ、マンタイ・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 Rが8.817秒のギャップを守ったまま、59周目のトップチェッカーを受けた。2位には98号車BMWが続いた。

 3位には、残り8分のところでファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ911 GT3 R(クラウス・バクラー/マルティン・ラギンガー/スヴェン・ミューラー/アレッシオ・ピカリエロ)をオーバーテイクしたメルセデスAMG・チーム・ゲットスピードの7号車メルセデスAMG GT3(マキシミリアン・ゲッツ/ダニエル・ジュンカデラ/ラファエル・マルチェッロ/ファビアン・シラー)が続いている。

 日本勢は、SP8クラスとSP10クラスに2台のマシンで挑むノーベル・レーシング・ウィズ・トーヨータイヤ・バイ・リングレーシングは、東徹次郎と朝日ターボが搭乗する72号車トヨタGRスープラ GT4がSP10クラス6位、松井猛敏と朝日ターボ(ダブルエントリー)が搭乗する54号車レクサスRC FはSP8クラス2位につけている。

 河村直樹が搭乗するTOYOTA GAZOO Racingタイランドの120号車カローラ・アルティスはSP3クラス優勝を獲得。関豊が搭乗するV2TクラスのマンヘラーレーシングOHGの160号車 BMW F30 330iはクラス4位でチェッカーを受けた。

 4チーム計7台にADVANレーシングタイヤを供給するヨコハマ勢のうち、SP9クラスに参戦するワーケンホルスト・モータースポーツの3台のBMW M6 GT3は、100号車がクラス24位、101号車がクラス15位、102号車がクラス12位という結果となった。

 SP9クラスに参戦するファルケン・モータースポーツもう1台、33号車ポルシェ911 GT3 R(クラウス・バクラー/ディルク・ベルナー/ランス・デイビッド・アーノルド/トーマス・プレイニング)はクラス9位でチェッカーを受けてる。

 14時間30分という前例のない長時間の中断を挟んだことで、59周でチェッカーを迎えた2021年のニュルブルクリンク24時間耐久レースは、1992年の第20回大会の76周を下回る、ニュルブルクリンク24時間史上最も周回数の少ない大会となった。

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