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ラスト10分、運命のスプラッシュ。ユナイテッド・オートスポーツが初制覇/ル・マン24時間LMP2

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ラスト10分、運命のスプラッシュ。ユナイテッド・オートスポーツが初制覇/ル・マン24時間LMP2

 第88回ル・マン24時間レースのLMP2クラスを制したユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン(フィル・ハンソン/フィリペ・アルバカーキ/ポール・ディ・レスタ組)をドライブしたアルバカーキは、勝利のカギがチームの安定性にあったと強調した。

 レース最後の1時間、JOTAの38号車オレカ07を駆るアンソニー・デイビッソソンからプレッシャーをかけられた続けたチームメイトのハンソンが、マシンをチェッカーへと運ぶ様を、アルバカーキはガレージから見守っていた。

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 ハンソンの22号車は終盤に燃料スプラッシュを必要としており、同一ラップだった背後のデイビッドソンに迫られる展開となった。しかし22号車のスプラッシュ後に、38号車も燃料補給のためピットに向かった。

 それに至るまで、ユナイテッド・オートスポーツはほかの主要ないくつかのライバルがトラブルに見舞われるなか、日曜の朝までリードを保っていた。22号車だけでなく、32号車も含めた2台で、である。

 しかしウィル・オーウェン/アレックス・ブランドル/ヨブ・バン・アウタートの32号車はオイルリークのトラブルに見舞われたことで、WECにフルシーズンエントリーをしている22号車がリードを奪うこととなった。

 コース上でストップした際に外部からの援助があり失格となったジャッキー・チェンDCレーシングの37号車オレカ、そして序盤に水圧の問題を抱えたシグナテック・アルピーヌ・エルフの36号車アルピーヌらは優勝戦線から脱落。

 また、Gドライブ・レーシングの26号車アウルス01もトップ争いに加わっていたが、ジャン・エリック・ベルニュがサスペンショントラブルを抱え後退した。

 今回の勝利でユナイテッド・オートスポーツは、WECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにおける昨年12月からの連勝記録を「7」へと伸ばした。同時にこれはチームにとってル・マンでの初勝利となった。

「今日は多くの手強いライバルたちがレースから脱落したが、彼らは勝利を争うスピードを持っていた」とアルバカーキは語っている。

「だがル・マンでは安定性とミスをしないことが肝要で、今日の僕らにはそれが備わっていた」

「今日はたとえ2分のリードを持っていたとしても、常にセーフティカーに関するギャンブルがあった」

「最後のセーフティカーは非常に重要だった。フィルはセーフティカーAの車列にいて、彼ら(JOTA)はセーフティカーBのうしろにいた。だけど結局、(SCが解除された)最後の10分に至っても、勝利は保証されなかったんだ」

「50秒のリードがあったけど、僕らは最後に燃料補給が必要な一方、彼らが燃料をセーブしていたことを僕らは知っていたからね。彼らもピットインが必要だとは分からなかったんだ。これがル・マンだよね」

 ハンソンはスプラッシュのためピットに飛び込んだとき「すべてが台無しになる」と思ったと認めたが、JOTAもピットに入ると知るとその気持ちは消え去ったという。

 21歳のシルバーカテゴリードライバー、ハンソンは「レースの最後の10分間はとても慌ただしかったけど、僕に味方してくれたね」と語る。

「なんとしてでも1位でマシンを運ばなきゃいけなかったから、本当にエキサイティングな幕切れだったよ」

 この勝利はハンソンとディ・レスタにとって、ル・マンでの初めてのクラス優勝となった。アルバカーキにとっては6度の挑戦を経てようやく得たトロフィーとなった。

 6度のうち3回はユナイテッド・オートスポーツからリジェJSP217をドライブして出場したものだ。あとの2回はアウディのLMP1、そして2016年にはRGRスポーツからもエントリーしている。

「今回で7度目のル・マンだ。かなり長い間、ここにいるよね」とアルバカーキ。

「自分の日が来ることを待ちわびていたよ。この表彰台を、ずっと求めていた。夢だったんだ」

「LMP2は多くの優秀なドライバーがいる、素晴らしいカテゴリーだ。24台のマシンによる争いは激しい。誰が勝つかなんて、分からないくらいにね」

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