3月5日、2023年FIA F2第1戦サクヒールの決勝レース2(フィーチャーレース)がバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催され、ザウバー育成のテオ・プルシェール(ARTグランプリ)が優勝を飾った。ホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢(ダムス)は8位でチェッカーを受けている。
決勝レース2のグリッドは2日に行われた公式予選で決定され、テオ・プルシェールがポールポジションを獲得。0.751秒差の2番手には同じくARTグランプリで、昨年のFIA F3王者ビクトール・マルタンスと、ARTグランプリがフロントロウを占めた。
岩佐歩夢「タイヤのデグラデーションが想定より早かった」【FIA F2第1戦レース1/ドライバーコメント】
セカンドロウ3番グリッドにリチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、4番グリッドにレッドブル育成のデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)が続き、岩佐は7番手からスタートを迎えた。
フォーメーションラップがスタートも、15番手スタートのアムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)は始動できず、ピットスタートに。32周で争われるレース2は、現地時間13時20分に気温32度、路面温度45度というコンディションで幕を開けた。
スタートでプルシェールがリードを守る一方、6番手スタートのクッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)が2番手、フェルシュフォーが3番手に浮上。しかし、フェルシュフォーは、ターン4でフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)と接触しスピン。最後尾に沈む。
その真横ではロマン・スタネ(トライデント)がデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)と接触し、コースサイドにマシンを止めた。これによりレースは1周目からセーフティカー(SC)が導入される。なお、SC中にはベスティ、マルタンスがピットに入り、そのままレースを終えている。レースは4周目に再開。なお、この時点で岩佐は5番手にポジションを上げていた。
プルシェールが首位を守る一方、ソフトタイヤスタートのラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)はプルシェールの背後に着く。レース1の覇者ボシュングはDRSを使用し、序盤からプルシェールを追い立てる。トップ2台は3番手に続くマイニに5秒のギャップを広げ10周目を迎えると、ソフトタイヤを履くボシュングがわずかにペースダウン。プルシェールとの差が1秒以上に広がり、DRS圏外となってしまう。
そんな10周目終わりにアーサー・ルクレール(ダムス)、ユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)、ジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)のハードタイヤスタート勢がピットインし、ソフトタイヤに交換。翌11周目にはオリバー・ベアマン、岩佐、エンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン)が、そして12周目にトップのプルシェールがピットインを敢行するが、岩佐はルクレールにアンダーカットを許してしまう。なお、ダルバラとドゥーハンはアンセーフリリースを理由に5秒のタイムペナルティが課せられることとなった。
一方、ボシュングはソフトタイヤのまま引っ張り、14周目終わりにピットイン。しかし、トップ浮上はならず。15周目にはプルシェールが首位に返り咲く。その後、プルシェールは18周目に1分47秒689をマークするなど、他を圧倒するペースで周回を重ねる。
そんな中、ハードタイヤに履き替えた2番手ボシュングの背後にはルクレール、マイニ、ベアマン、岩佐の隊列が続く。そんな状況で迎えた19周目、ターン10でルクレールがオーバーラン。これでマイニが3番手に浮上することに。返り咲くべくルクレールは続く20周目のターン1でマイニに仕掛けるが、ブレーキングでタイヤをロック。これでタイムロスし、ベアマン、岩佐に先行を許し、ルクレールは6番手に後退する。
レースも3分の2を経過しようかという22周目から、岩佐がベアマンのDRS圏内に突入したが、なかなかオーバーテイクには至らず。25周目のターン4で岩佐はアウト側からベアマンに並ぶも、ベアマンは岩佐をコース外に押し出す形に。一方、その背後につけるルクレールがターン10でまたもオーバーラン。これで比較的タイヤを温存できていた、ゼイン・マロニー(ロダン・カーリン)が岩佐の背後に接近する。
すると、26周目のターン11でマロニーが岩佐を容易くオーバーテイク。さらに、マロニーはベアマンを追い立て27周目のターン10で攻略し、4番手に浮上する。ベアマン、岩佐、ルクレール、フィッティパルディの4台はタイヤの限界が近づく中、28周目もサイド・バイ・サイドの5番手争いを続ける。28周目のターン11で今度はルクレールが岩佐をパス。1分54秒台までペースを落としたベアマンに襲いかかる。
29周目のターン11でルクレールがベアマンを攻略し5番手に浮上。その一方、フィッティパルディの背後には約2秒速い9番手フェルシュフォーが接近。31周目に岩佐がベアマンをかわすと、フェルシュフォーもベアマンを攻略。そして31周目のターン1でフェルシュフォーが岩佐を攻略する。
なお、同じく31周目のターン1ではマロニーがマイニをかわし3番手に浮上する。一方、岩佐のタイヤはついに限界を迎え、同じレッドブルジュニアのアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト)にかわされ8番手に後退する。
32周目、予選から他を圧倒したプルシェールが秒差のリードを築き、トップチェッカーを受けた。2位にボシュング、3位に今季デビューのマロニーが続いた。岩佐は8位ポイント獲得で開幕バーレーン大会を終えた。
次戦となる第2戦ジェッダは3月17~19日にサウジアラビア市街地のジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される。
■2023年FIA F2第1戦サクヒール レース2暫定結果
Pos.No.DriverTeamTime/Gap15T.プルシェールARTグランプリ1h01’10.926225R.ボシュングカンポス・レーシング19.66633Z.マロニーロダン・カーリン31.587424K.マイニカンポス・レーシング38.789522R.フェルシュフォーファン・アメルスフォールト・レーシング43.082612A.ルクレールダムス44.342710I.ハジャルハイテック・パルスエイト46.456811岩佐歩夢ダムス50.81594E.フィッティパルディロダン・カーリン51.3961023J.コレアファン・アメルスフォールト・レーシング51.8371116R.ニッサニーPHMレーシング・バイ・チャロウズ52.939129J.クロフォードハイテック・パルスエイト53.3291321C.ノバラックトライデント53.953148O.ベアマンプレマ・レーシング59.7391515A.コルデールインビクタ・ビルトゥジ・レーシング60.9681614J.ドゥーハンインビクタ・ビルトゥジ・レーシング65.204172J.ダルバラMPモータースポーツ66.4631817B.ベナビデスPHMレーシング・バイ・チャロウズ93.2351D.ハウガーMPモータースポーツDNF6V.マルタンスARTグランプリDNF7F.ベスティプレマ・レーシングDNF20R.スタネトライデントDNF
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