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Gクラスの本命だ! メルセデス・ベンツ G350d試乗記

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Gクラスの本命だ! メルセデス・ベンツ G350d試乗記

2018年に新型になったメルセデス・ベンツのGクラスに、2019年4月に追加されたディーゼル・エンジン搭載のG350dに試乗した。

日本でのデリバリーがはじまったのは夏。V型8気筒ガソリン・エンジン搭載モデルを横目に見ながら、ディーゼル・モデルの登場を待っていたひとには、待った甲斐のある内容であった。

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【主要諸元】全長×全幅×全高:4660×1985×1975mm、ホイールベース2890mm、車両重量2500kg、乗車定員:5名、エンジン:2924cc直列6気筒DOHCディーゼルターボ(286ps/3400~4600rpm、600Nm/1200~3200rpm)、トランスミッション:9AT、駆動方式:4WD、タイヤサイズ:265/60R18、価格:1192万円(OP含まず)。AMGライン装着車のアルミホイールは専用デザイン(20インチ)。G350dの魅力は、乗りやすさと運転の楽しさ、ともに備えている点にあると思う。

日本でも高い人気を誇る理由として、背は高い(1975mm)が全長(4660mm)は比較的短く、四角い車体のためコーナーの見切りがいい、などがあげられる。

全高1975mm&全幅1930mmのプロポーションは、どことなくユーモラス。SUVのメルセデス・ベンツ「GLE」になると、全幅1947mmに対し、全高は1772mmに抑えられている。

正面からみたとき、ほぼ正方形という寸法ゆえ、走行安定性が気になる人も多いかもしれない。が、実際は、従来型を大きくしのぐ。まったく不安はない。

WLTCモード燃費は9.9km/L。搭載するエンジンは2924cc直列6気筒DOHCディーゼルターボ(286ps/3400~4600rpm、600Nm/1200~3200rpm)。排ガス浄化用のアドブルーの充填口は、給油口のとなりにある。Gクラスはオフロード走破性を追求しているため、ラダーフレームと、ストロークが長いサスペンションを採用している。そのため従来モデルで一般道を走ると、ゆっさゆっさといろいろな方向に揺れてしまう。

しかし新型Gクラスは、フロントサスペンションが固定式でなく、独立式に変わった。それによって、一般的なセダンしか乗ったことのないひとでも違和感のないものになっている。

ドライバーの目線は高いものの、ロールセンターは低くなっているので、操縦感覚は乗用車に近い。とくにコーナリング時の車体の安定性は、全高2m近いクロスカントリー型4WDとは思えないものである。

オフロードを走ってみたときは、サスペンションストロークの長さゆえ、車輪の接地性がよく、かつ操舵性にすぐれるため、コントロール性が高かった。いっぽう、オンロードでは先述のように、“フツウのSUV”なみに快適なのだ。

試乗車には「アダプティブ ダンピング システム」が装備されていた。速度や路面からの入力をコンピューターが判断し、自動でダンビングレートを変えていく。乗用車のような乗り心地であると感じたのは、このシステムの恩恵もあるはずだ。

ハドリングのよさにびっくりさきにコーナリングのよさについて触れたように、曲率の小さな(つまりきつい)コーナーでも、G350dは、いっさい不安を感じさせることなく、けっこう速いスピードで駆け抜ける。

600Nmの最大トルクを1200rpmという低い回転域から発生する2924cc直列6気筒ディーゼル・ツインターボエンジンは、アクセルペダルの踏み込み量にも意外なほど敏感だ。

右足で速度調整をおこないつつ、ステアリング・ホイールを切り込んで連続するコーナーをこなしていく道でも、G350dはひらりひらりというかんじで、運転する楽しさすら与えてくれる。

ドライバーの目線が高いとコーナリング中は不安を抱くともいわれるけれど、ボディのロール制御がきちんとしているうえ、操舵感覚がリニア、かつブレーキが強力なので、Gクラスは例外だ。不安は少ない。

燃料タンクは100リッター。トランスミッションは電子制御式9AT。6気筒ディーゼルユニットは、フィールが魅力的である。“シャーンッ”と、いっきにまわるキャラクターではないものの、スムーズにトルクが出てくるのと、ぐいぐいと力強く加速していく。走行中の振動も少ない。燃費はWLTC総合モードで9.9km/Lとサイズと車両重量(2500kg)を考えればそれほどわるくない。。

同時に空気抵抗の低減も実現した。ウィンドシールドの角度を1度だけ寝かした結果、フロントまわりのウィンドノイズの発生が劇的に抑えられたそうだ。

試乗車はAMGライン(38万7000円)装着車。フロントスポイラーやリアスカートは専用デザイン品になる。メーターパネルはフルデジタル。ステアリング・ホイールはパドルシフト付き。AMGライン装着車は専用デザインタイプになる。撮影のためにオフロードへと入ったときの安心感は絶大だった。いざとなれば前と後ろ、そしてドライブシャフト中央のディファレンシャルギアをマニュアルで(つまりボタン操作で)ロック出来る機構があるから、オフロードでの信頼性は相変わらず高い

路面の起伏が大きくない道では、デフロックのお世話にならず、なんの苦もなく走れてしまった。クルマは左右にゆっさゆっさと揺れるが、ドライバーの目線が上下することなく安定しているのも、サスペンションの設定がいいおかげだ。

デフロックスウィッチは従来モデルとおなじく、インパネにある。インパネまわりのデザインは、ガソリンモデルと変わらない。AMGライン装着車のシートはレッドステッチ入り。ガラス・スライディングルーフはラグジュアリーパッケージ(30万6000円)に含まれる。絶大なるオフロードの安心感ハイウェイ走行がメインなら、V型8気筒ガソリンエンジンを搭載する「G550」や、より高性能のメルセデスAMG「G63」という選択肢もある。

ただし、バリューフォーマネー、価格に見合った価値という点では、G350dの存在意味は大きい。G550が1623万円、G63が2114万円であるところ、G350dは1192万円だ。V8モデルに対し500~1000万円安価である。

安価とはいえ、純正インフォテインメント・システムやフロント・リア個別に制御出来るエアコン、電動調整式レザーシートなど基本的な快適装備はひととおり揃う。また、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や衝突被害軽減ブレーキ、360°カメラなどの先進安全装備も標準だ。

AMGライン装着車のシートベルトカラーはレッド。リアシート専用のエアコン付き。通常時のラゲッジルーム容量は667リッター。リアシートを格納すると1941リッターに拡大する。G350dに乗っていると、このクルマとともにオンロードとオフロードがともにある場所で暮らしたらきっと楽しいだろうなぁ…と、やや非現実的な生活を想像した。たとえば、山中湖や白馬あたりだろう。G350dはあらゆる道を快適に走れるからである。

自動車好きにこんな夢を見させてくれるのがG350dの魅力だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

3件
  • 先日オーダーしたけどアダプティブ ダンピング とりあえず付けといて正解だったのかな? なんせ地方には試乗車もないし オーダー集中しすぎて予約もできない状態らしいからしばらくは中古もプレ値つきそうね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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