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セバスチャン・ローブ×ランチア・デルタ! 往年の名カラー復刻で新時代へ/WorldRX開幕戦

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セバスチャン・ローブ×ランチア・デルタ! 往年の名カラー復刻で新時代へ/WorldRX開幕戦

 ポルトガル・モンタリグレで6月3~4日に開幕を迎えた2023年のWorldRX世界ラリークロス選手権は、昨季最高峰クラスの電動化初年度でも“絶対王政”を継続した5冠王者ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e)率いるフォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスに対し、WRC世界ラリー選手権9冠のレジェンドが、その対抗馬として復帰する注目の構図に。

 開幕直前のパドックでお披露目された2018年以来のフル参戦となるセバスチャン・ローブの愛機『Lancia Delta Evo-e RX(ランチア・デルタEvo-e RX)』は、かつてWRCで黄金時代を築いた1980年代後半から90年代を彷彿とさせる有名なストライプをまとって姿を現し、今季からの新規参入を高らかに宣言する幕開けとなった。

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 フランス出身のフリースタイルスキー世界王者ゲラン・シシェリ率いるGCKモータースポーツが、新たに立ち上げたプロジェクト『スペシャル・ワン・レーシング』から参戦するローブは、もともと30年前にラリー界で覇権を誇った最強モデルを“レストモッド”した最新のデルタをドライブ。その新世代モデルには、このWorldRXで採用される技術規定に合致した電動化キットが組み込まれた。

 それゆえ「参戦カラーリングも同様にオールドスクールな装い」が採用され、世界中のファンが胸躍らせる『成功の代名詞』である輝かしいカラースキームが再現された。

「デルタを30年前と同様のカラーリングで競技にカムバックさせるというアイデアは、僕らにも非常に高いモチベーションをもたらしたよ」と語るのは、組織全体で2台目のシャシーを構築するのに「3カ月と2000時間を超える作業を費やした」というシシェリ。

「同時に僕らの肩には大きなプレッシャーが掛かっている。なぜなら、僕らはラリーの歴史でもっとも成功したクルマを体現しているからだ。この機会を逃すわけにはいかないし、クルマのデザインには徹底的にこだわった。でも競合他車に比べてショートホイールベースに仕立てたから、少しナーバスな面もある。サーキットによってはそれがメリットにもなるし、デメリットにもなるかもしれないね」と、自身もすでにWorldRXで出走41戦を経験するシシェリ。

 そして2016年から18年までのフル参戦を経て、約4年ぶりにWorldRX復帰を果たすローブは、まだチーム全体が学習曲線の初期段階にあり、チームメイトとは「慎重な楽観主義」を共有していると続ける。



■ローブとグロンホルムの戦いがふたたび

「なぜなら、これは僕が慣れ親しんできたものとはまったく異なるクルマだからね」と続けたエクストリームEの世界王者でもあるローブ。

「フロントにひとつ、リヤにもひとつと双方にモーターを備えるが、その間には前後に走る縦方向のシャフトがないんだ」

 そのあたりは「ドライビングを続けるうちに適切な設定を見つける必要があるだろうね」と語ったローブだが、新生“エレクトリック”デルタのデビュー戦となる開幕ラウンドでは、慎重な見通しも口にした。

「紙の上では、このデルタEvo-e RXは非常に優れているように見える。コンパクトで重量バランスも良いからね。それができるかどうかは今日はなんとも言えないが、目標は明らかに最前線で戦うことだ。今週末はどこで戦えるのか楽しみだよ」

 そう語ったローブは、初日のヒート1からかつてWRC時代に覇を競ったマーカス・グロンホルムの子息、ニクラス(PWR RX1e)とサイド・バイ・サイド、幾度も前後を入れ替えての白熱バトルを演じてみせる。

「グリップ感は驚くほど良かった。1周目のターン4で底打ちし、そこから少し慎重になりすぎたけど、それでも“Mr.ローブ”との接近戦は楽しかったよ。そして今回は“グロンホルム”がトップに立ったんだ!」と、父の仇敵に勝利して興奮気味のニクラス。

 一方のローブも「フリー走行の後、ジョーカーラップ中に壁の向こうにマシンが見えるだろうと思っていたが、実際には何も見えななかった。ニクラスが右側から来ることは分かっていたが、いつ来るかは分からなかったからブレーキングをできるだけ遅らせた。でも、結果的には少し遅すぎたようだね……」と、デルタでのバトルを満喫した。

 しかし、その後のスーパーポールから翌日のセミファイナル、そしてファイナルと、圧倒的な強さを発揮したのはクリストファーソンで、土曜4つのヒートと日曜のセッションすべてを制覇する“パーフェクト”を達成し、自身のシリーズ6冠に向け、当然の如くWorldRX通算36勝目を手にした。

「僕らは冬の間も良い仕事をしてきたから、その結果を示すことができて素晴らしい気分だよ」と語った絶対王者。

「この場所は驚きの連続で、ここで勝つためには非常に多くの課題を克服する必要がある。すべてをコントロールできたと思った瞬間に、天候と路面状況がすぐさま変化するんだ」と、宿敵ケビン・ハンセン(プジョー208 RX1e)を下したクリストファーソン。

 続く2023年のWorldRX第2戦は、こちらもおなじみノルウェーのヘルで6月17~18日に争われる。

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みんなのコメント

2件
  • 過去にBS日テレで放送してたWRC番組が好きでした(スバル提供)
    ラリーの様子だけでなく、インターバル時のサッカーのボードゲームを楽しむ様子とかを見て楽しんでました
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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