メルボルンのアルバートパーク・サーキットで開催されたF1オーストラリアGPで2位に入ったのは、メルセデスのルイス・ハミルトンだった。ハミルトン個人、そしてチームにとっても今季初の表彰台だ。
ハミルトンはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、そしてチームメイトのジョージ・ラッセルに次ぐ3番グリッドからレースをスタートすると、1周目にラッセルと共にフェルスタッペンを攻略。ラッセルがセーフティカー中にタイヤ交換のためピットインしたことで、ハミルトンはレースリーダーとなった。
■フェルスタッペン、赤旗3度の”波乱”のレースを制する。角田裕毅、粘りの10位で今季初ポイント|F1第3戦オーストラリアGP
結果的にセーフティカーは赤旗へと変わり、フェルスタッペンやハミルトンらは、ポジションを失うことなく中断時にタイヤを交換することができた。逆に先手を取ったラッセルは、ポジションを落とすことになった。
ハミルトンはレース再開後にフェルスタッペンの先行を許したものの、背後に迫るアストンマーチンのフェルナンド・アロンソを最後まで抑え切り、2位でフィニッシュした。
ラッセルはパワーユニットが音を上げてリタイアとなったが、今季のマシンがレッドブルに加えてアストンマーチンやフェラーリにも劣っていると言われていたメルセデスにとっては望外の2位となった。
依然としてレッドブルが抜きん出た戦闘力を誇っていることは間違いなさそうだが、ハミルトンはメルセデスがレッドブルとの差を縮めて巻き返すことは不可能ではないと考えているという。
W14の前寄りなコックピット位置から、未だ快適にマシンを走らせられていないというハミルトンは次のように語る。
「マシンの中ではまだ落ち着かない。マシンと一体になっている感じがしないんだ」
「そんな感触の中でもベストを尽くしているし、その一体感を作り出そうと努力している。でもこれは長いプロジェクトだと思う」
「ただ、僕たちがパフォーマンスで苦しんでいて、ストレートでのペースがレッドブルと比べて確実に劣っている中でも、アストンと戦うことができている。これは今季この段階では素晴らしいことだ」
「僕たちは戦い続けるしかない。ファクトリーで働いている全ての人たちにお礼を言いたい。これからも頑張っていこう」
「この差を縮めることはできる。大変だと思うけど不可能ではない」
ただメルセデスとしても手放しで喜べる状況ではない。今回のラッセル、そして開幕戦でのマクラーレンなど、パワーユニットのトラブルが続いているためだ。これについてハミルトンは、メルセデスが信頼性について調査する必要があると語る。
「今日はジョージにとって本当に不運な1日になった。僕たちとしては信頼性に目を向けないといけない。基本的にはとても良い部分なんだけどね」
「本当に残念だ。ただそれにしても、これだけのポイントを獲得できたのは本当に素晴らしいことだ」
「2位になれるとは思っていなかった。だから本当に嬉しく思う」
またハミルトンはレース中、ハードタイヤがレース終了まで持たないのではないかと無線で訴えていた。しかし本人曰く、これは決してハッタリではないとのことで、実際にタイヤライフについての懸念があったという。ただレースは波乱により何度も赤旗中断、再スタートとなったため、ハミルトンはタイヤのセーブという点でも大いに助けられたということのようだ。
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