輸入車 [2023.09.04 UP]
人気中古車実車レビュー【フォルクスワーゲン Tクロス】輸入車SUVナンバーワンの理由
グーマガ 今週のダイジェスト【7/8~7/14】BMW 5シリーズ EV導入!
今回の人気モデル:フォルクスワーゲン Tクロス
[フォルクスワーゲン Tクロス]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2023年8月調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年10月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもおなじみの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
3年連続輸入車SUVナンバーワンの実力は?
今回チェックするのは、欧州を代表する輸入車ブランドであるVWのコンパクトSUV「Tクロス」。取材させていただいたのは、2020年登録の「TSI 1st」で、走行距離は2万8000km、販売価格は228万円となっています。
実車チェックを行う自動車ジャーナリストの竹岡圭さんは、全日本ラリー選手権にポロGTIで参戦していた経験もあり、VWには強い信頼を寄せているとのこと。
「Tクロスは、Tロック、ティグアンと合わせたSUV3兄弟の末っ子で、『TさいSUV』なんてかわいいキャッチコピーを付けられた。でも、じつはすごくVWらしい真面目でしっかり作られたクルマなんだ。メカニズムのベースとなっているポロが、とにかくしっかりしているの。ラリーみたいな過酷な使い方をしても、DSGも壊れなかった。GTIは湿式6速DSGなので同じ湿式。こちらは7速DSGでしょ、安心感あるよね。それに、ボディは小さいのに後席やラゲッジルームなんて、Tロックよりも使いやすい。あっちはスタイルを重視したクーペみたいなルーフライン。ルーフ後端をラゲッジまでまっすぐ伸ばしたTクロスは、空間効率に優れているの。小さいといっても、ゴルフIVくらいのサイズだから、ファミリーカーとしてもまったく問題なし。アイポイントも高めで、狭いところでもクルマのまわりが見えて運転しやすい」
そんなTクロスが日本に導入されたのは2019年の11月。エンジンは1L3気筒ターボで、最高出力が116馬力、最大トルクは20.4kgmと、ポロより車重が重くなった分、パワフルにセッティングされています。組み合わせられるトランスミッションは7速DSGで、すべてのモデルが前輪駆動。ここもポロ(2018年)と同様です。
導入当初は、装備を充実させた特別仕様車「1st」でスタートし、2021年に一部改良と同時に、カタログモデルである「TSI アクティブ」、上級仕様の「TSI スタイル」、スポーティな「TSI Rライン」を導入。装備類をまとめたパッケージオプションを設定しました。デジタルメーターやスマートフォン ワイヤレスチャージをセットにした「テクノロジーパッケージ」、運転支援システムをセットにした「セーフティ パッケージ」が存在するので、中古車を選ぶ際にはチェックしてください。
取材に協力いただいたVW 所沢の吉﨑マネージャーによると、新車の納期が長期化する傾向もあり、認定中古車を購入するユーザーが多様化。たとえば、新車がくるまでの1年間、同じ月々の支払額で認定中古車が乗れるようにプランを設計するケースも増えているのだとか。また、VW認定中古車では2年間の延長保証プランも用意。このTクロスであれば、合わせて3年間まで保証期間となるので、気に入ったクルマを長く乗りたい人にもオススメできる。
「輸入車SUVなんだけど、派手すぎない、華美すぎない、まわりからも悪目立ちしない。本当に優等生」と竹岡さんも改めて感心しきり。日本では、3年連続輸入車SUVナンバーワンを記録しているTクロス。売れるクルマの理由を、改めて実感できる取材になりました。
特別仕様車「1st」は装備充実でねらい目
取材車両である「TSI 1st」は、Tクロスの導入記念として設定された特別仕様車。標準でインフォテインメントシステム「Discover Pro」やワイヤレスチャージなどの機能が備わっている。2020年モデルで車検取得済。本体価格以外の諸経費が安く済み、さらに納車までの時間も短いという。走行距離は約2万8000km。
取材協力|Volkswagen所沢
「Tクロスは、2019年デビューと新しいモデルでありながら価格帯も比較的手頃ですし、VWからだけでなく、国産車からお乗り換えいただいても乗りやすく、ご満足いただけるモデルです。弊社では、自社での下取りによる良質な認定中古車をご用意しています」とフォルクスワーゲン 所沢の吉﨑マネージャー(埼玉トヨペット株式会社)。
SHOP DATA
住所:埼玉県所沢市けやき台1-14-5
TEL:04-2939-1011
定休日:月曜日・第1・第2火曜日(定休日が祝日の場合は翌日定休)
営業時間:10:00~19:00
URL:https://www.vw-dealer.jp/top.do?dlr=vw_tokorozawa
フォルクスワーゲン Tクロスの実車をチェック!
【デザイン】本格SUVのスタイリングをコンパクトなボディに
SUVらしさを備えた力強いデザインは、Tクロスのチャームポイント。ボディの全長と全幅はポロと同じようなサイズなのに、SUVスタイルを備えることで、一気に路上での存在感は高まりました。ボディ下まわりとフェンダーアーチをカバーする樹脂も印象的です。当然、デザイン性だけでなく、キャンプ場など草木が生えている場所で、ボディが傷つくのを防いでくれる機能性も備えています。「小さくてもちゃんとSUV」、それがTクロスのデザインであり、魅力でしょう。
ポロのメカニズムを使いながら、上手にSUVらしい力強さを表現したデザイン。インテリアは同時代のVWらしくシンプルなデザイン。
【装備】小さくても本格的それは装備でも同じです
2019年デビューのモデルとあって、運転支援システムも充実。特に、高速道路で前のクルマに追従するスマートなクルーズコントロールは、ドライブの疲労を大きく軽減してくれます。エアコンの操作部などは、ゴルフがタッチ操作を取り入れたのに対してアナログ式。ですが、こちらのほうが手探りでも操作しやすいとは竹岡さんのコメント。Tクロスは、従来のVW車と最新モデルのちょうど中間にあるような、便利さと親しみやすさを備えています。
前車追従型のクルーズコントロールは全車標準。2021年9月の改良でステアリングまでサポートする「トラベル・アシスト」が搭載可能に。
【使い勝手】荷物がたくさん積めて乗り降りしやすいのは空間効率がいいから
竹岡さんが特に感心していたのが使い勝手のよさ。とりわけ後席とラゲッジルームは、クラスを超えたレベルにあるといいます。その理由は、室内空間がポロに比べて上方向に広くなっていているから。だから、コンパクトなのに、室内が広々としているのです。それに併せてシートなどの角度も調整されているので、地面からシートまでの高さもちょうどよく設定されているから乗り降りがしやすい。毎日使うクルマにぴったりです。
背が高いことで、室内空間が広く、後席への乗り降りもしやすい。荷室も使いやすい形状だ。また、前席シートが肉厚なのはVWの伝統。
年式を感じさせないデザインと使い勝手のよさ
竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★★]
オーソドックスなスタイルを採用しているおかげで、ボディサイズと比較して広々室内が確保されているのには驚かされます。アイポイントの高さも併せて普段使い最強。作り込みはしっかりとVW品質なので、このクラスのライバルのなかでは、ずば抜けています。輸入車SUVナンバーワンの販売実績はダテじゃありませんね。
装備[★★★★★]
安全装備はしっかりと網羅されているので安心感があります。エアコン等のスイッチ類も液晶ではなく、物理スイッチが多めで手探り操作性がよく、初めての輸入車としてもオススメ。内装色は基本ブラックですが、デザインパッケージものはデニムカラーなど特別色もあるので、お好みのものに出会えるといいですね。
使い勝手[★★★★★]
驚かされるのは、見た目以上に広さがしっかりと確保されている室内スペースです。特に後席&荷室は、ゴルフをベースとしたT-ROCより広いので、ゆったり気分の遠出のお出かけも問題ナシなんですよね。後部座席は分割可倒式が2分割タイプですが、スライドする(140mm)ので、フレキシブルに対応できるのは美点。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
ユーザーが期待するSUVスタイルを、扱いやすいコンパクトなボディサイズと両立させているデザイン手腕はさすが。VWらしく、シンプルさと品質感をただよわせる面構成は、長く愛用しても飽きない予感がします。インテリアもすっきりとした横基調のデザインで、SUVスタイルのおかげで視界も良好です。
装備[★★★★★]
歩行者検知機能付きのプリクラッシュブレーキシステムと全車速追従機能付ACCを核とする運転支援装備は、全車に標準で備わります。また、日本導入記念モデル「1st」には、コネクティッド機能を有するインフォテインメント「Discover Pro」やスマホのワイヤレス充電、スマートエントリーも標準装備されました。
使い勝手[★★★★★]
ポロに近いサイズで室内とラゲッジルームが広いわけですから、使いやすいのも納得。その秘密は、人間を立たせるように座らせる効率的なパッケージングにあります。また、装備面でも、死角をサポートする「ブラインドスポットディテクション」や駐車支援システムなど、あればうれしい機能で使い勝手のよさをサポートしています。
フォルクスワーゲン Tクロスの新車情報を見る
ライバルモデルをチェック!
ルノー キャプチャー
2021年にフルモデルチェンジを受けて第2世代に進化。1.3Lターボはパワフルで、きびきびした走りを実現する。7インチのタッチ操作可能なモニターは、スマホと連携可能。
中古車参考価格帯:230万円~370万円(21年~23年 キャプチャー 全グレード)
フィアット 500X
大人気コンパクトカーのクロスオーバーモデル。全長はTクロスよりもひとまわり大きく、エンジンも最高出力151馬力とパワフル。その分新車価格も少し高めに設定されている。
中古車参考価格帯:90万円~380万円(15年~23年 500X 全グレード)
プジョー 2008
4モデルのなかで最も全長の大きいのが2008。豊富なパワートレインが特徴で、ガソリンに加えてディーゼルを用意。さらに電気自動車版「e-2008」もラインアップされる。
中古車参考価格帯:220万円~380万円(20年~23年 e-2008を除く)
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みんなのコメント
500X、ディーゼルモデルがあれば買うのだが。