現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > EVはモデル間の違いが小さい? アウディQ4 eトロン(7) 課題の差別化 長期テスト

ここから本文です

EVはモデル間の違いが小さい? アウディQ4 eトロン(7) 課題の差別化 長期テスト

掲載
EVはモデル間の違いが小さい? アウディQ4 eトロン(7) 課題の差別化 長期テスト

積算7620km 長く、信じられる航続距離

アウディQ4 eトロン・スポーツバックで1週間通勤すれば、BEV(バッテリーEV)へ自分が求めるものがはっきり見えてくる。長く、表示が信じられる航続距離だ。

【画像】差別化は充分? アウディQ4 eトロン スポーツバックと兄弟モデルのVW ID.4とID.5も 全85枚

その点で、508kmがうたわれるQ4 eトロン・スポーツバックの能力は素晴らしい。一方で、315kmという短めの航続距離を持つレクサスUX 300eは、快適なシートで身体を癒やしてくれる。こちらの魅力も捨てがたい。

積算9031km VWグループ内での差別化

今回はいつものマーク・ティショーに代わって、イリヤ・バプラートがレポートさせていただきたい。自分は長期テストでレクサスUX 300eを担当しているが、比較のためにQ4 eトロンを1週間お借りすることにした。

ミドルクラスの電動SUVとして、2台はライバル関係にある。また、これまでQ4 eトロンには運転したことがなかったためだ。

さて、欧州で展開されているシュコダと、フォルクスワーゲン、アウディというブランドの差別化は、数年前の方が明確だったと思う。フォルクスワーゲンはより幸せを感じるような、クラスレスなブランドに位置していた。

シュコダは価格価値に優れる選択であり、アウディは上級で、先進的な技術をフォルクスワーゲン・グループではまっ先に取り入れるモノづくりが特徴といえた。だが、MEBプラットフォームの登場で、その差別化は曖昧になったといえる。

BEVはモデル間での印象の差が小さい?

実際、アウディQ4 eトロンを運転してみた印象は、フォルクスワーゲンID.4とだいぶ近いものだった。インテリアはソリッドで上質で、空間が広々としていて、人間工学的にも良好という点は両者に共通している。

快適なシートと、優れたエアコンの操作パネルが備わり、タッチモニターの反応もいい。一方で、廉価ブランドのシュコダ・エンヤックの方が、インテリアは価格以上に上質だと感じられることは課題の1つといえる。

パワートレインは基本的に同一。駆動用モーターは瞬間的に不足ないトルクを発揮してくれ、低重心で、運転した印象も近いようだった。

アウディの方が、乗り心地は明らかに滑らかではある。だが、手頃なエンヤックにアダプティブダンパーを装備させれば、その違いも殆どなくなるのではないだろうか。

違うメーカーやブランドであっても、BEVは運転した印象の差が小さいという意見を、最近はしばしば耳にする。見た目も似通っていると。だが、その意見がすべてには当てはまらないと、筆者は思う。

プラットフォームを共有する、ヒョンデ・アイオニック5とキアEV6は明らかに異なっているからだ。タッチモニターや回生ブレーキの制御など、一部は確かに似ているが、ボディもインテリアも、デザインはまったくの別物だ。

クールでハイテクなブランドイメージ

ヒョンデは、タイヤで走るゆったりとしたラウンジのよう。キアは、より従来的な上級モデル・ライクに仕立ててある。この違いは、ドライビングフィールにも現れている。

スルスルと進み、ステアリングホイールが重めなのはヒョンデの方。コーナーでは若干ボディが重い印象を受けるものの、乗り心地は素晴らしい。

キアの方は、乗り心地が少し犠牲になっているものの、より活発な操縦性が与えられている。どちらか片方が明らかに優れていると感じるほどの差ではないが、ちゃんとお互いの距離は保っている。

アウディといえば、クールでハイテクなブランドイメージが英国には根付いている。それを今後も維持しようとするなら、Q4 eトロンには、まだ向き合うべき項目が残っているのではないだろうか。

積算9351km 夏が近づき航続は480km以上に

英国にも夏が近づいてきたことで、気温が与えるBEVの航続距離の変化を確かめることができるようになった。オーナーになろうと考えている人には、重要なことだと思う。

Q4 eトロンは、英国の冬場なら約350kmを1度の充電で走ることができる。だが最近は、一般的な条件で480km以上の数字が表示されることも多い。回生ブレーキの効きを、最も強くした状態で。

冬場でも、筆者の場合は充分な距離といえた。購入を考える場合は、より厳しい条件下での数字を参考にするべきだといえる。

テストデータ

気に入っているトコロ

クロス張りのシート:特別感は多少薄いものの、時代遅れに思えるビニールレザー張りよりは良い。

気に入らないトコロ

オンとオフ:システムのオン/オフ・ボタンは目立つ位置にあるが、クルマから降りる度に自動的にオフへ切り替わる。荷室へ手荷物を取りに行くような場合でもオフになるので、手間に感じてしまう。

テスト車について

モデル名:アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)
新車価格:4万5775ポンド(約764万円)
テスト車の価格:5万4565ポンド(約911万円)

テストの記録

航続距離:395km
電費:5.1km/kWh
故障:スピードメーターの不具合
出費:なし

こんな記事も読まれています

ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
カー・アンド・ドライバー
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
AUTOSPORT web
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
ベストカーWeb
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
グーネット
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
ベストカーWeb
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
AUTOSPORT web
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ベストカーWeb
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
motorsport.com 日本版
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
AUTOSPORT web
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
AUTOSPORT web
スプリントでアロンソを押し出したヒュルケンベルグに10秒加算ペナルティ。罰則ポイントも/F1第11戦
スプリントでアロンソを押し出したヒュルケンベルグに10秒加算ペナルティ。罰則ポイントも/F1第11戦
AUTOSPORT web
中古ミニバンで悩んでる方超必見! プレマシーvsウィッシュvsフリード コンパクトミニバン三つ巴ガチンコ対決プレイバック!!!
中古ミニバンで悩んでる方超必見! プレマシーvsウィッシュvsフリード コンパクトミニバン三つ巴ガチンコ対決プレイバック!!!
ベストカーWeb
強豪チームが定義する常勝ホイールの性能要件。タイヤの伸びしろを引き出す知られざるホイールの役割/BBS RI-A
強豪チームが定義する常勝ホイールの性能要件。タイヤの伸びしろを引き出す知られざるホイールの役割/BBS RI-A
AUTOSPORT web
ランド・ノリス、フェルスタッペンとの接触に憤慨「今日の彼は”やりすぎな日”だった……必死になりすぎているように見えたよ」
ランド・ノリス、フェルスタッペンとの接触に憤慨「今日の彼は”やりすぎな日”だった……必死になりすぎているように見えたよ」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村