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【e-2008と基礎を共有】ヴォグゾール(オペル)・モッカeへ試乗 新型 航続距離323km

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【e-2008と基礎を共有】ヴォグゾール(オペル)・モッカeへ試乗 新型 航続距離323km

プジョーe-2008と同じパワートレイン

text:Tom Morgan(トム・モーガン)

【画像】ヴォグゾール(オペル)・モッカe 競合する純EVのSUVと比較 全106枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


順調に電動化技術の搭載を進めるオペルの英国ブランド、ヴォグゾール。2021年の終わりまでに、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)と純EVを合わせて、9モデルを展開する予定にある。

すでにコンパクト・ハッチバックのコルサeや、SUVのPHEV、グランドランドXなどが欧州で提供されていることは、AUTOCARの読者ならご存知かもしれない。今回試乗したモッカeは、最も台数を稼ぐであろうモデルとして重要視されている。

コンパクト・クロスオーバーの純EVは、急速に需要を伸ばしている。従来までとは流れが違ってきてきた。

スタイリングは、従来のオペルから大きく趣が変化。大胆なコンセプトカー、GTXコンセプトに見られたデザイン要素を上手に取り込んでいる。

バイザーとオペルが呼ぶフロントグリルを採用し、英国版ではヴォグゾールのエンブレムが中央に飾られる。ヘッドライトを一体化するなどでフロントを滑らかにし、空気抵抗を表すCd値は0.32へ抑えている。先代のモッカXは、0.35あった。

フロントもリアもオーバーハングは短く、SUVらしいアクティブな見た目にまとめている。ビジュアルのアピール力でいえば、フォード・プーマに並ぶと思う。

モッカeが搭載する純EVのパワートレインは、プジョーe-2008と同じもの。135psの駆動用モーターと50kWhのリチウムイオン・バッテリーが組み合わされる。プラットフォームも同じCMPだ。

スポーツ・モードで0-100km/h加速9.2秒

モッカeでは、シングルスピードのトランスミッションを介して前輪を駆動。航続距離は323kmがうたわれる。100kWのDC充電器に対応し、最短30分で80%まで充電できるという。

活発なドライブモードを選択すれば、0-100km/h加速は9.2秒でこなす。エコ・モードを選ぶと、効率を高めるためモーターの出力は81psへ絞られてしまう。135psを発揮させるには、スポーツ・モードを選ぶ必要がある。

スポーツ・モードではアクセル操作に対する反応も鋭くなり、ステアリングの操舵感もシャープになる。もっとも、1.2Lのガソリンターボより若干速い程度。発進直後から太いトルクが得られるが、ホイールスピンを引き起こす場面もあるようだ。

ダッシュボードの大きなモニターに表示される航続距離は、右足の動かし方へ敏感に反応する。ドライブモードを切り替える時は、バッテリーの減りが早くなることも意識した方が良いだろう。

回生ブレーキの強さを切り替えることは可能。だが強弱の差は大きく、ヒュンダイ・コナに見られるような細かな制御ではない。

ステアリングホイールの操舵感は軽く、フロントタイヤの状況は掴みにくい。しかし、プジョーe-2008のうように過度なアシスト感もない。

優れた乗り心地とノイズの少ない静かな車内

ガソリンエンジン版のモッカと比較して、モッカeの車重は300kgほど重たい。そのため、姿勢制御はそれほど引き締まったものではない。

同クラスのクロスオーバーを乗り比べてみると、マツダMX-30の純EVの方がコーナリングの魅力度は高いと思う。だがモッカeでも、驚くほど高速なコーナリングを披露してはくれる。

市街地程度の速度域なら、乗り心地は優秀。荒れた路面や隆起部分を越えても、落ち着きを失うことはない。大きなわだちでは揺れが伝わってくるが、このクラスでは一般的な振る舞いといえる。

荷室はガソリンエンジン版のモッカが350Lなのに対し、モッカeでは310Lと若干狭くなる。一方、身長180cmを超えるような大人2人でも、リアシートへ快適に座ることはできるだろう。余裕は感じないにしろ。

オペルは、風切り音やロードノイズの低減に注力した様子。エンジンのないモッカeの車内は、高速道路でも印象的なほど静かだった。

新しいモッカには、オペルがピュア・パネルと呼ぶモニター式のメーターパネルが充てがわれる。SRiと呼ばれる上級トリムグレードでは、12.0インチのメーターパネルと、10.0インチのセンターモニターのペアが組まれる。

モニターはドライバーを囲うようにダッシュボードへ埋め込まれ、システムの反応もいい。グラフィックは特に高精細というわけではないものの、メーターの表示などは複数から選択可能。アップル・カープレイとアンドロイド・オートも標準で対応する。

好きになれる要素は沢山ある

センターコンソールまわりはシンプルなデザインながら、エアコンなどには実際に押せるスイッチが残された。プレミアムと呼ぶほどではないが、光沢の強いプラスティック製パネルなども含めて、素材の質感はクラス平均といっていいだろう。

ヴォグゾール(オペル)・モッカeは、プジョーe-2008と多くを共有している。ガソリンエンジン版との共通性の高さを裏付けるように、純EV版でも走りは充分に楽しめる。

ただし、現実世界での航続距離は260km程度に留まるだろう。この航続距離に納得できるのなら、純EVのコンパクト・クロスオーバーとしてヴォグゾール(オペル)・モッカeを好きになれる要素は沢山あるといえそうだ。

プジョーe-2008と同じくらいに。

ヴォグゾール(オペル)・モッカe(英国仕様)のスペック

価格:3万4970ポンド(503万円/英国補助金適用後)
全長:4151mm
全幅:1791mm
全高:1532mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.7秒
航続距離:323km
CO2排出量:−
車両重量:−
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:50kWh
最高出力:135ps
最大トルク:26.4kg-m
ギアボックス:−

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みんなのコメント

2件
  • ヴェゼルがこんな感じにモデルチェンジしてたら良かったのにね…
  • ヴォクスホールは
    落ち目な自動車メーカーが行き着く先。

    だって全車種OEMで自社製品ゼロだもの。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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