昨季2023年に自身初のシリーズチャンピオンを獲得しながら、今シーズン開幕直前に物議を醸した状況下で最初の2ラウンドを欠場していたブロディ・コステッキが、改めて4月19~21日にニュージーランドのタウポ・モータースポーツ・パークで開催される第3戦『ITMタウポ・スーパー400』で復帰することを表明。RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップでのタイトル防衛に向け、再スタートを切ることが確認された。
開幕戦『スリフティ・バサースト500』まで1カ月を切っていた段階で突如の“休息”を表明した新王者コステッキ。おなじみのF1オーストラリアGP併催となった第2戦『メルボルン・スーパースプリント』を含む序盤2戦には、エレバス・モータースポーツの耐久カップ登録ドライバーにも指名されているトッド・ヘイゼルウッドが代役参戦し、昨季までのカーナンバー“99”を掲げたシボレー・カマロZL1をドライブした。
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その間、パドックにも姿を見せていなかったコステッキは、8日(月)に発表されたチームリリースのなかで「ふたたびステアリングを握ることができて興奮している。健康を優先するためにしばらく離れる時間が必要だった」と明かした。
「ベティ(・クリメンコ/チームオーナー)、バリー(・ライアン/CEO)、そしてチームが僕に与えてくれたサポート、プライバシー、時間に感謝している」
新チャンピオンにそう名前を挙げられたライアンCEOは、昨年のタイトル獲得に向けシーズン6勝を飾ったコステッキの復帰は、チームにとって「プラスになるだろう」と語った。
「ベティとチームを代表して、ブロディがふたたびドライブする準備ができていることをうれしく思う。ブロディ(・コステッキ)がジャック(・ルブローク/チームメイト)と一緒に仕事に戻ってくれば、彼は我々の24年仕様のクルマにもっと慣れてくるだろう。それはチーム全体にとってプラスになるはずさ」
このエレバス・モータースポーツの発表直後、代役を務めてきた2017年のSuper2チャンピオンは、チームのために今季後半のエンデューロ戦に出場する前にテストに帯同してステアリングを握ることも明かし、この先も自分自身の「やり残した仕事」があるとSNSに綴っていた。
「トッド(・ヘイゼルウッド)には本当に感謝している」と続けたライアンCEO。「彼は多大なプレッシャーと衆人環視のなかでも素晴らしいパフォーマンスを見せたし、彼には脱帽だ。今週のテストデイに彼を迎え、後半戦のエンデューロでレースシートに戻ってきてくれるのを楽しみにしている」と、開幕2ラウンドを終えてチャンピオンシップランキング9位につけるヘイゼルウッドの仕事を称賛する。
■新エースの復帰に安堵
そのまま水曜には2023年11月のタイトル獲得以来、初めてスーパーカーで周回することになったコステッキが、ウイントン・モーターレースウェイでカーナンバー“1”をつける『TFH Hire Erebus Camaro』をドライブ。136日ぶりのシート復帰で「やるべきことに追いついた」との手応えを語った。
「これ(1号車の採用)はチームが昨年成し遂げたこと、そして僕が達成できたことを表現する最良の方法だ。ナンバーワンを取り戻す時が来たね」と続けた26歳のコステッキ。
「すべては自分の足の感触をふたたび見つけようとすることだけだ。それは自転車に乗っているようなものだと思う。少しふらつきはするが、その後、自分の足でバランスを取る方法を見つけるんだ」
「現時点で僕はまだクルマの(パフォーマンスの)少し後ろにいる。それで、ああ、レース復帰ために残りの数日で取り組むべき小さなことがいくつかあるね」
そんな新エースの復帰を見守ったCEOのライアンも「ほぼ通常の状態に戻りつつある」と、ニュージーランドでの本格復帰を前に安堵の言葉を漏らす。
「第3戦の復帰を前にテストのためにここに戻って、ジャックと一緒にブロディをクルマに乗せられたのは素晴らしいことだ」と続けたライアン。
「今年をそのように始めたかったが、残念ながらそれはできなかった。でもブロディが幸せで健康で、準備ができているのを見るのは本当に素晴らしいこと。そしてブロディを無理させる必要はない。彼は自分自身を追い込み、私たちを充分に追い込んでくれる。我々が彼を追い込む必要はないんだ」
改めて、自身で勝ち獲ったチャンピオンナンバーを掲げるコステッキも、タウポで勝利を目指して戦うことに「かなり自信を持っている」と付け加えた。
「(すでにシーズンを開始しているライバルに対し)少し追いつく必要があるけど、あまり気にしていない。 僕はチームと非常に緊密に仕事をしており、この3日間を一緒に過ごし、発表以来かなりの時間をシミュレーターの作業に費やしてきた。これまでのところ、テストにはかなり満足しているよ」とチャンピオン。
「チームに多くのクルーたちがいるのを見るのは素晴らしいこと。1号車を走らせ、彼らが昨年費やしたすべてのハードワークを称賛し、彼らの笑顔を見ることができたのはクールだ。最終的にどうなるかは様子を見ることになるが、僕らは先頭に立つことにかなり自信を持っている」
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