2024年のWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスに参戦するBMWは1月17日、BMW M チームWRTを通じて送り込む2台のBMW MハイブリッドV8のドライバーラインアップを発表した。
すでに明らかになっていたドリス・ファントール、シェルドン・ファン・デル・リンデに加え、ラファエル・マルチェッロ、マルコ・ウィットマン、ロビン・フラインス、そしてレネ・ラストという4名が新たにアナウンスされている。
マルチェッロのBMW初陣はバサースト12時間。バレンティーノ・ロッシらとともにWRTから参戦へ
2023年、北米IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスに新型LMDh車両を投入したBMWは、いよいよ2024年、WECのトップカテゴリーにも参戦を開始する。
メルセデスAMGから移籍し、BMWファクトリードライバー・プールに新たに加わったマルチェッロは、ウィットマンおよびファントールと15号車のステアリングをシェアし、フラインスとラストはファン・デル・リンデの20号車に加わる。
「我々は、ハイクラスのワークスドライバーチームから選ばれた非常に強力なメンバーとともに、2024年のWECシーズンに参戦する」とBMW Mモータースポーツ責任者のアンドレアス・ルースは述べている。
「我々は卓越したドライビングと2台のBMW M ハイブリッドV8での経験を組み合わせた。一方ではLMDhカーでの経験、もう一方ではレースシリーズと、とくにル・マンでの経験だ」
「シェルドン・ファン・デル・リンデと同様、マルコ・ウィットマンもすでにIMSAシリーズでBMW MハイブリッドV8を運転している」
「新人のラファエル・マルチェッロを含め、他のドライバー全員がすでにマシンをテストしており、今後数カ月間テストを続ける予定だ」
マルチェッロがWECのラインアップに加わったことで、このスイス人ドライバーがGT3からトップクラスのプロトタイプレースへと移籍する可能性についての数カ月にわたる憶測に終止符が打たれたことになる。その憶測は昨年末、彼がメルセデスAMGを離れてBMWに加わったことで、さらに強くなっていた。
GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ/エンデュランス・カップ王者のマルチェッロは、来月のバサースト12時間レースでBMWでの初レースを迎える予定だが、これまでのプロトタイプカーの経験は限られたものだ。
彼は2023年のIMSAデイトナ24時間レースでハイクラス・レーシングのLMP2チームに加わったが、キャリアの初期には高ダウンフォースのジュニアシングルシーターのレースで大成功を収めていた。
「BMW MチームWRTとともに、この大きな挑戦にチャレンジできることを本当に楽しみにしている」とマルチェッロはコメントしている。
「多くの大手マニュファクチャラーが参加するFIA WECでの勝利と、タイトルへの挑戦は、まさに僕が望んでいたチャレンジだ」
「何年にもわたって対戦相手だったけど、ドリス・ファントールとともにマシンをドライブできるのは素晴らしいことだ」
「そして、マルコ・ウィットマンのようなBMW Mモータースポーツのレジェンドが味方にいることは素晴らしい。ふたりから学びたいと思う」
一方ウィットマンは、昨年IMSAミシュラン・エンデュランス・カップの3ラウンドでBMWのLMDhカーをドライブした後、WECデビューを果たすことになる。
20号車でファン・デル・リンデに加わるラストとフラインスは、WECではチームWRTのLMP2プログラムに加わっていた。とりわけフラインスは、2021年にはル・マン24時間レースでLMP2クラスの勝利を収め、世界タイトルも獲得している。
ふたりのドライバーは、2022年にはWRTの31号車オレカ07ギブソンをドライブしてともに2勝を挙げたほか、ラストがDTMとのバッティングにより欠場した富士では、フラインスがさらなる勝利も手にしている。
ラストは9年ぶりにWECのトップクラスに復帰することになる。2015年、マルコ・ボナノミ、フィリペ・アルバカーキとともにアウディR18 E-tronクワトロのハンドルを握ってスパとル・マンの2レースに出場した。
なお、ラストとファントールは1月28~29日に行われるIMSA開幕戦デイトナ24時間レースで、BMW MチームRLLに加わり、MハイブリッドV8をドライブする予定だ。
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