ジョージ・ラッセルは、F1で現在施行されているグラウンドエフェクトルール下でのメルセデスの苦戦は、2026年のF1レギュレーション全面刷新を前に、チームが“型を変える”ための必要悪のようなものだったと考えている。
ラッセルは、グラウンドエフェクト・エアロダイナミクスにもとづくF1の新テクニカルレギュレーションがちょうど施行された2022年にメルセデスに加入した。しかしこの技術規則の変更により、8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得するというメルセデスの圧倒的な記録は無残に終わりを告げ、チームは過去3シーズンでわずか5回しか優勝できなかったが、ラッセルはそのうちの3回に貢献した。
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■必要なリセット
チーム全体のパフォーマンスは期待を大きく下回ったが、ラッセルはこの困難な時期がメルセデスにとってより大きな目的を果たしたと考えている。
「ここ数年は厳しかった」と、ラッセルはアディダスとの新しいパートナーシップを発表するメルセデスのイベントで『Sky Sports』に語った。
「もちろん、僕たちが望んでいた成功や、取り組んできた目標にはほど遠かった」
「でもリセットし、型を変え、新たなスタートを切るために、そしてもちろん2025年を迎えるために、あの数年間は必要だったのではないかと思う。それに、2026年はどのチームにとっても重要なシーズンになるだろう。正しい軌道に乗ってスタートすれば、今後何年にもわたって役立つことを僕たちは知っているので、それを適切に行うことに深く集中している」
「だから本当に意欲にあふれているし、興奮している。休みはよかったけれど、今はレースに行きたいよ」
■チャンピオンシップへの野望
こうした挫折にもかかわらず、2024年シーズンにはラスベガスGPでラッセルがポールポジションからの優勝を飾るなど、メルセデスはかつての実力の片鱗を見せた。
ラッセルは、こうした成功の瞬間は、適切な装備があればチームがタイトルを懸けて戦う準備ができていることの証だと考えている。世界タイトルを争う準備ができているかと問われると、ラッセルはこう答えた。
「もちろんだ。準備はできていると感じているし、チームの全員が本当にやる気に満ちている」
「ここ数年は試行錯誤の日々だったと思うが、僕たちは勝つチャンスがあるたびに勝ってきた。そのことが、マシンがあれば(タイトルを)獲得できるだろうという楽観的な考えを与えてくれる」
「今年がそうなるよう全力を尽くしている。全員が完全に打ち込んでいるし、エキサイティングなシーズンになるだろう」
メルセデスが2025年シーズンに入り、2026年のレギュレーション刷新を見据えるなか、ラッセルのコメントはチームが最近の苦戦から貴重な教訓を学んだことを示唆している。彼らはただ勝利の軌道に戻ることを目指しているのではなく、“型を破って”今後何年にもわたって持続する成功の基盤を築くことを目指している。
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