名門F1チームのひとつとして数えられてきたウイリアムズ。しかし彼らは2010年代後半に入ると急速に戦闘力を落とした。ここ数年はグリッドの最後方が定位置となり、3年連続でコンストラクターズランキング最下位という不名誉な結果に終わっていた。
しかし2021年、彼らは大きく調子を上向かせた。第12戦ハンガリーGPで、ニコラス・ラティフィが7位、ジョージ・ラッセルが8位に入賞。2019年ドイツGP以来のポイント獲得を果たした。さらに続くベルギーGPでは、雨で荒れた予選でラッセルが2番手を獲得し、レースがセーフティカー先導のもと短縮されて終了した結果、ウイリアムズとしては2017年アゼルバイジャンGP以来となる表彰台を手にした。
■ウイリアムズF1顧問のバトン、2022年シーズンはチームへさらなる関与を「チームワークに関しては経験豊富だからね」
ウイリアムズのチーム代表兼CEOであるヨースト・カピトは、こうした夏のレースでの好結果は「予想していなかった」と認める。ただ過去にポイント圏内を逃すレースがあったことで、チームにはさらなるモチベーションが発生していたと指摘した。
「11番手のポジションからスタートして、他の中段グループのいくつかのマシンと争えるとなれば、当然それはチームの皆にとって、後押しになる」
カピトはmotorsport.comにそう語っている。
「他のクルマと戦ったり、レースができるポジションにいれば、もっと前に、もっと改善しようとするものだ。それはレーシングドライバーにも言えることだ。彼らは集団の後方でただ走っているだけの状況と、ライバルと戦える状況とでは、全く違うモチベーションを得るんだ」
「バルセロナでは、ジョージはフェルナンド(アロンソ/アルピーヌ)と争っていた。あれは素晴らしいモノだったし、ジョージにはマシンがそう悪くなく、我々もポイントを獲得できるというさらなる自信をもたらしてくれた。そして、チームもそう信じている」
「もちろんバルセロナではターン1で有利なところがあった。しかしその後の走行で、レース最後までそのポジションを維持する必要は依然として残っていたんだ」
ラッセルはフランスGPや、オーストリアGP、イギリスGPでポイント獲得を僅差で逃している。最終的にハンガリーGPでウイリアムズの躍進が結果に現れたわけだが、カピトCEOはチームが勇敢な決断を下したと語っている。
「チームはブタペストで、そのポジションをキープすべくタイヤ選択の面で非常に勇敢な決断を下したと思う」
「しかしそれは、その選択にメリットがあると、チームが感じていなくてはならない。そして、私には理にかなったものだと思えた。実際にポイントを獲れるポジションにいて、それを獲ってこれないのは、仕事をしているとは言えないからね」
「そしてポイント圏内に入り、2台両方がポイントを獲得して終えたことで、我々も『OK、自分たちももっとできるんじゃないか?』と思い始めたんだ。以降は数レースでポイントを獲得したが、本当に素晴らしかった」
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