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ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーD300試乗 王者復権 伝統受継ぐ最新の様式美

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ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーD300試乗 王者復権 伝統受継ぐ最新の様式美

未来的かつ伝統的な様式美

AUTOCAR JAPANに掲載されている新型レンジローバーの記事はざっと数えただけでも10以上。

【画像】伝統受継ぐ最新の様式美【レンジローバー/6代目と初代を比較】 全107枚

それらに目を通してワクワクしつつ、一方ではポジティブな表現の多さに「本当だろうか?」と疑いたくなる自分もいた。

そもそも5代目レンジローバーの最終に近いモデルの完成度がこの上なく高く、「それ以上」を想像しにくかった。

それに新型プラットフォームを得たとはいっても、それは後からデビューすることになるフルEVに焦点を当てたものなのでは? という読みもあった。

新型レンジローバーには例によってホイールベースが2種類(SWBとLWB)あり、今回われわれはガソリンV8を搭載するオートバイオグラフィーP530 (LWB)と、ディーゼル直6 MHEVのオートバイオグラフィーD300(SWB)に試乗できた。

だが主役はディーゼルの方。

というのは「V8モデルの受注が3年先までいっぱい」だから。

オフィシャルHPに予約に関する注意事項がドーンと表示されるので、気になる方は目を通していただきたい。

さて6代目と対面。

顔は先代とあまり変わらない印象。

だがボディ側面からテールにかけてはコンセプトモデルのようにフラッシュサーフェイス化され未来感が漂う。

ボディの前と後でデザインの時間軸がズレているようにも思えるのだが、全体としてみればレンジローバー以外の何者でもないという点はさすが! 

5代目のモデルライフ中にカリナンやベンテイガが登場しているが、時間をかけて培ってきた「レンジローバーの様式美」はブランドの格にも勝るという印象を受けた。

キモは先端技術ではなく……

スペックに目を通すと先端技術のテンコ盛りである。

路面の状況にあわせて減衰を制御するエアサスには、ツインバルブの新型ダンパーが組み合わされる。

さらに電制スタビもついたし、後輪操舵も追加されている。

だがこれらの機構が盛り込まれるタイミングとしてはライバルよりも遅れを取っていることは否めない。

ともあれD300に乗ってみよう。

室内のデザインの進み具合は外観に準じている。

エアコンの吹き出し口が直線的な意匠の中に組み込まれるなど、先代よりシンプルになっているが、ひと目でレンジローバーとわかる。

リアシートは背面の角度も緩く、スペース的にSWBでも充分と思わせてくれる。

走りはじめは極めて静かだが「軽い!」という感じはしない。額面どおり2.5t超の小山が静々と動く感じ。

でもその極上のしっとり感がこれまでのレンジローバーにちゃんと通じていると思わせてくれる点が素晴らしい。

しばらくドライビングに没頭し、山道でペース上げてみたりもした。

そこでわかったのはロールやピッチングを含む「余計な動き」の一切が極めて少ないこと。

だがそれ以上に驚かされたのは、ハイテクが先回りして演出しているに違いないこれらの挙動に、人為的な、カクカクした、継ぎ目のような違和感が一切ないこと。

唯一あるとすれば、バックしている最中の最大7.3°切れるという後輪操舵くらい。

ハイテクはその存在感を消せてこそ一流。

6代目は新たな技術の連携を極めることでレンジローバーらしい、しかし先代を完全に超越するような高みに達したのだ。

ライバル台頭の今、王者は……

ラグジュアリーSUVの世界は初代レンジローバーが切り開いたもの。

だが5代目レンジローバーのモデルライフの最中に、カテゴリーの根幹を揺るがす事件は起きていた。ベンテイガとカリナンの登場である。

わが道を進んできたレンジローバーは6代目で初めてライバルを意識したはず。

これに対する答えとして、彼らは性能を底上げする必要に迫られ、電動化を含んだ新型プラットフォームが不可欠になったのだろう。

新型が採用しているMLAフレックスという新設計のプラットフォームは80%がアルミで、バルクヘッドまわりに鉄が使われている。

ドイツ的にボディを徐々にアルミ置換していくのではなく、一気にフルアルミ化しつつ必要な部分だけ鉄に戻す手法にレーシングカーの故郷たるイギリスらしさが薫る。

今回、P530とD300を乗り比べた印象は、圧倒的にディーゼルの方がよかった。

元気なのはガソリンの方だが、現代ならば電気モーターが埋めてくれそうなターボラグの谷間が気になった。

レンジローバースポーツならガソリンV8もありだが、レンジローバーのしっとり感を演出させたときにはディーゼルMHEVの方が上だと感じられたのだ。

6代目のフルEVやPHEVも気になるが、完成度はD300でも必要にして充分。

「ラグジュアリーSUV界の真の王者は誰なのか」という問いは、ライバルの台頭によりここ数年あやふやになっていた感もあった。

だが6代目レンジローバーの登場をもって「王者復権」という印象を強く感じることができた。

ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーD300(SWB)のスペック

価格:2031万円
全長:5065mm
全幅:2005mm
全高:1870mm
ホイールベース:2995mm
車両重量:2580kg
パワートレイン:直列6気筒2993ccディーゼルターボ
最高出力:300ps/4000rpm
最大トルク:66.3kg/1500-2500rpm
ギアボックス:電子制御8速オートマティック

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みんなのコメント

3件
  • かっこいい。ドイツ車も1社くらいこっちのお上品路線にしてくれないだろうか。
  • フローティングルーフは微妙なんだよね…。黒買えば問題無いけどね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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